障害者の雇用促進に向け、働きやすい環境作りを確立
- 事業所名
- 株式会社プロジェクトファイブ (グループ会社 株式会社ウエイアウト)
- 所在地
- 愛知県岡崎市
- 事業内容
- 生活雑貨・ファッション衣料・シューズ等のフランチャイズ事業、セレクトショップの運営、デベロッパー事業経営
- 従業員数
- (グループ計)470名
- うち障害者数
- (グループ計)8名
障害 人数 従事業務 視覚障害 聴覚・言語障害 肢体不自由 内部障害 知的障害 2 入荷商品仕分け、品だし、清掃他 精神障害 6 同上 発達障害 高次脳機能障害 難病等その他の障害 - 目次
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1. 会社概要
当社は、無印良品のフランチャイズを展開する企業として平成2(1990)年に設立された。「無印良品」や「MINIPLA」をはじめ、「AZUL by moussy」「nano ・ universe」「ROSE BUD」など、ファッション・フットウエアー・生活雑貨・コスメから輸入食材まで、自信を持ってお客様に提案できるブランドのフランチャイズ展開とセレクトショップの運営、自社MD開発事業で現在、東海・関西地域を中心に17ブランド、45店舗を運営している。
◆展開ブランド
・フランチャイズ事業
無印良品 / AZUL by moussy / nano ・ universe / Maker’s Shirt 鎌倉 /
SHOO ・ LA ・ RUE / ROSE BUD / RNA MEDIA :: / MINIPLA / ABC Cosme Store
・セレクトショップ事業
FRENCH Bleu / TWINKLE GIRL / LOAFERS
・MD開発
Jam’s Foot Wear / at easy / RegettaCanoe / AL BAZAAAR / September28
◆自社ブランドのコンセプト
・FRENCH Bleu <フレンチブリュ>
PARIS、南仏、北欧の歴史に根付いた日常のファッションをベースに、トレンドのエッセンスを加えて、クラス感のある日常着を提案する、コンセプト型ショップ。 ニームブランドを核として、BIRKENSTOCKやDANTON、オーチバル、ラヴェンハム等のヨーロッパのインポートブランドやSOIL、ブラスブラム等のドメスティックブランドで構成する自社編集のセレクトショップ。
・Jam‘s Foot Wear <ジャムズフットウエア>
「crocs」(クロックス)のフットウエアーを独自のVMDで「エキサイティング」に展開するコンフォートシューズの「ライフスタイル・ウィズ・シューズ」を目指したお店。それぞれ個性ある売場づくりをしており、様々な切り口でクロックスを展開中。
・at easy <アットイージー>
レディースシューズを中心としたファストシューズセレクト業態として店舗を展開。シーンごとに自分を表現する女性たちに向けて、トレンドからベーシックまで幅広く足元を演出するレディースシューズのセレクトショップ。
・AL BAZAAAR <アルバザー>
ワイン・チーズ・イタリアン・メキシカン・韓国・ビール・お菓子など国内外の食材がマルシェのように所狭しと並ぶお店。また、日本ではここでしか手に入らない、お洒落な食器も展開。
・TWINKLE GIRL <トゥインクルガール>
「キラキラ輝く女の子に向けて」をコンセプトに、RNAブランドを中心に話題のブランドをミックスしたキュートでオシャレなセレクトショップ。
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2. 障害者雇用の取り組み
(1)障害者雇用の経緯
当社は、企業の社会的使命・責務(CSR)の一環として、障害者雇用を位置づけ、その取組みに当たり、まずは就業場所をフランチャイズ事業として運営する無印良品の店舗で進めることとした。
障害者職業センターのカウンセラーによる指導・助言等も受けながら、店舗のバックヤードや売場での、簡単な作業ができる障害者を募集したところ、精神障害者の応募があり採用した。精神障害者の特性と当社無印良品での業務形態がマッチしたため、以降精神障害者を中心に採用を促進している。
(2)取り組み内容
精神障害者の特性を考慮した面接から採用までの流れと、採用後障害者とのコミュニケーションを深め、働きやすい環境作りを確立した。(成功事例をガイドラインとしてまとめ上げ、採用できる担当者の増加、店長の指導・育成に活用する。)
◆障害者雇用導入前の店舗での問題点
- 障害者に対しての面接方法のノウハウの不足。
- 店舗での受け入れ態勢、店舗スタッフへの前準備の不足。
- 精神障害者の特性の理解不足により、特性に合った作業計画を組むことができない。
◆問題点に対しての取り組み
- 人事担当者と店長同席で「実習面接」を実施。
- 現場を見て頂き、想定される作業を実演で伝え、実際にやって頂く。
- 時間は約1時間。「実習面接シート」で進める。
- 「実習面接シート」で各項目ごとに評価を伝える。
- 「障害者雇用の重要性」・「社会的責任」をスタッフに伝える文面を作成。
- 障害者の初出勤までに、スタッフ全員へ「採用目的」、「社会貢献」など、丁寧に言葉で伝える。
- 1時間単位で、業務(場所)を変更し作業計画を設定。
- 同じ業務を1時間以上継続すると注意力が低下、意欲も減退し、作業のモレが発生する傾向がある。
- 1つの業務を1時間で設定し、途中で止めても問題がない作業内容を中心に設定する。
- ノルマを設定するとあせりを感じるため「時間制限」よりも「出来栄え」を重点的に評価する。
- 作業・動作のフィードバック(ほめる)を常に行う事で、社員と同じ出来栄えになる傾向。
◆取り組み後の効果
- 各店舗でも同じように面接を実施。障害者雇用が初めての店長でも安心して面接に臨み、採用後の作業や適性を具体的にイメージすることができる。
- 店舗ではスタッフ全員が普通に接して頂き、障害者をサポートする環境を生むことができる。
- 精神障害者が安心して働くことができる。また勤務が安定してくると、新たな業務に対しての自発性や積極性を生むことができる。
●店舗での主な業務
(3)取り組み効果による店舗での成功事例
◆事例Ⅰ Aさんの場合(精神障害 勤続年数5年)
売場でベッドやソファーに興味を持たれているお客様にお声掛けを指導し、専門の販売員に引き継ぐことを実施した。
お買い物が成立したら、笑顔で「○○さん ありがとう!」
《事例》
社内で販売コンクールを開催、「お声掛け」の回数を得点にし、各店舗の個人戦で競い合う。
《結果》
お声掛け得点で100人中16位の実績。結果報告を、朝礼で伝えスタッフの拍手の中、本人も感激。その後も積極的にお声掛けを行い、売上に貢献して頂く。
◆事例Ⅱ Bさんの場合(精神障害 勤続年数6年)
店舗採用時に設定していた作業項目以上に習得された業務
- 売場への商品の品だし業務の幅が広がる
- 収納家具の接客・運搬業務(駐車場までの運搬も可能になる。)
- 店内声だし業務「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」
- 商品発送業務(荷造り・梱包)
3. 今後の展望と課題
現在、無印良品の店舗で精神障害者を中心に雇用を行いプロジェクトファイブでは合計6名の障害者に働いてもらっている。当社が運営している無印良品7店舗に1名ずつ障害者に勤務してもらうことを当面の目標としていたが残りあと1店舗となった。
まずは該当店舗の採用活動を行い無印良品全店舗での障害者雇用を達成していく。グループ会社であるウエイアウトは無印良品のような大型店舗の運営をしていない為障害者の受け入れ店舗の選定に難航していたが、レディースシューズの自社オリジナルセレクトショップ「at easy」での受け入れが可能になり現在2名の障害者が働いている。今後はこうした小規模店舗での障害者雇用を重点的に実施、雇用体制を整えていき、合計4名以上の雇用になる様に採用活動を継続していく。
精神障害者の特性を考慮した雇用の取り組みを実施してきたが、現在知的障害者も2名雇用しており順調に仕事に取組んでいる。今後は今まで培ってきた精神障害者の雇用の経験を活かし知的障害者などへの雇用も積極的に実施していきたい。
また障害者の早期退職防止、定着率の上昇が今後の課題である。障害者の採用がゴールではなく、いかに長い期間働いていただけるかを目標としていく。
そのためには障害者それぞれの特性に応じた働きができるよう、常に仕事の工夫・改善に取り組み「楽しく働ける職場」、「やりがいを持って働ける職場」への職場環境づくりを行っていく。各支援機関からの協力や他企業の取り組み成功事例を参考にしながら、当社の障害者雇用の取り組み内容の質を向上させ、働いている障害者の自発性や積極性を促し、「誰かの為に役に立っている」という仕事に対する根本的な喜びを実感してもらうことが、障害者自身の仕事へのモチベーションを上げ、その結果早期退職者の防止へと繋がるものと確信し、店舗で働く障害者と従業員、お互いが成長し合うことができる企業風土を目指す。
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