事業所名

合理的配慮事例・27009

業種

製造業

従業員数

290名

職種・従事作業

午前：ファイル整理（図面ファイルをスキャニングしパソコンに名前をつけて保存）、午後：ゴム型の洗浄（水洗い）

障害種別

発達障害

障害の内容・特性

自閉症：頑固なところがあり、納得しないと前へ進めない。他者とのコミュニケーションが取りづらく、対人関係は不得意。

募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

対象障害者は、在籍する特別支援学校からの依頼で採用の前年に春・秋2回（各2週間）の職場実習を体験済みであった。対象障害者の母親とは職場実習を通し面識があり、採用面接には当該支援学校の教員および母親に同席してもらい、就労に向け相互の意思疎通を図った。

面接・採用試験について、文字によるやりとりや試験時間の延長等を行うこと

筆記試験は無く、面接のみ実施した。対象障害者の受け答えを補足する形で主に母親から就労に向けた配慮点について説明を受け、対象障害者からは自立したい旨の意思表明があり採用に至る。

その他の配慮

面接官2名のうち1名が障害者との面接が初めてであったため、事前に対象障害者に関する情報をレクチャーした。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

1. 職場実習を実施する中で、長時間集中して同じ作業を続けることは困難と判断し、午前はファイル整理（図面をスキャンし名前を付けパソコンに保存する作業）、午後はゴム型の洗浄作業とした。
2. 対象障害者の業務指導や相談に関する統括担当として課長職（以下「統括担当者」）を配置し、加えて、午前・午後の各現場に教育指導担当者を置き、身近に接し作業指導および相談に当たっている。

業務指示やスケジュールを明確にし、指示を一つずつ出す、作業手順について図等を活用したマニュアルを作成する等の対応を行うこと

障害者職業センターのジョブコーチ支援を活用し、対象障害者の障害特性に配慮し一人で行える業務を切り出した。併せて、作業手順を確実に理解できるよう、次のような工夫を行なった。

1. 始業時に統括担当者から一日の業務について説明を受けてから各現場の作業に就く。
2. ファイル整理作業では、作業が滞りなく進められるよう付箋メモを活用するとともに教育指導担当者が随時確認しながら指導に当っている。
3. ゴム型洗浄では一つひとつの作業をやってみせた後に、対象障害者にやってもらいその出来栄えを確認し、その都度指導を行うことを丁寧に繰り返し行った。その結果、現在では確実に作業を行えるようになった。
4. 1日の終わりには、日報を提出させ当日の業務内容の確認を行い、問題点があればその都度指導を行っている。現在の作業進捗は、標準進捗に対し50％程度で推移している。元気に毎日出社してもらうことを第一に考え、あせらず確実に業務を進められるよう見守っている。

付箋にメモの活用事例（ファイル整理作業）

ゴム型洗浄作業の様子

感覚過敏を緩和するため、サングラスの着用や耳栓の使用を認める等の対応を行うこと

事前にストーブの着火音に反応するとか、動く機械が恐いといった話を聞いていたため、自然な形で騒音の無い職場に配置となった。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

社員全体には、入社式では特別支援学校の卒業者であることだけを伝えた。配属先の教育指導担当者には、対象障害者の特性など詳しい状況を説明し、教育指導担当者が自然な形で周りの社員に配慮して欲しいことを伝えている。

その他の配慮

人事評価制度があり、半期ごとに目標を設定し、対象障害者と面談を行っている。対象障害者は「1年間元気で会社に来ること！」を目標に設定しているが、現在まで休むことなく元気に勤務している。目標を設定し評価することで業務に対するモチベーションの向上を目指していきたい。

障害者への配慮の提供にあたり、障害者と話し合いを行った時期・頻度等の配慮提供の手続きの詳細

配慮を受けている障害者の意見・感想等