事業所名

合理的配慮事例・27031

業種

サービス業（親会社の委託業務）（特例子会社）

従業員数

28名

職種・従事作業

機械部品運搬業務

障害種別

知的障害者

障害の内容・特性

日常生活上で頭脳を使う知的行動に支障がある勤続10年以上の重度以外の知的障害者であり、以前は構内清掃等に従事していたが、向上心が高く現場業務へチャレンジしたいとの意向があった。

募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

当社への理解の一環としても親・支援者の同席はOKである。特に制服のサイズや本人に関する注意事項等については親や支援者からお聞きしている。

その他の配慮

発言の機会は本人が最優先となることをご理解頂き、本人以外の方の発言頻度が目立ってきた場合は控えて頂くようお願いしている。本人には採用時の判断基準の一つとして通勤経路や基本的な生活習慣状況については必ず尋ねている。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

本人の直属の上司である指導員が中心になって指導・相談を行っている。本人の性格は基本的には穏やかで真面目である。但し本人の過失で失敗をした際に素直に非を認めようとせず言い訳したり、場合によっては開き直ってしまう場面も見受けられたが、現在では後輩社員を指導する立場となり、かなり改善されてきた。

本人の習熟度に応じて業務量を徐々に増やしていくこと

本人は勤続10年で、これまで事業所構内清掃や工場内現場作業の経験があった。それらの業務で製造工場の現場に出入りする中、製造に携わる仕事に興味を持ち、面談時に本人から新しい仕事にチャレンジしたいという意向を確認した。本人の興味、機械好きという適性を考慮に入れて、フォークリフト免許を取得して、機械部品運搬業務を目指してはどうかと、本人も意欲を示しキャリアアップを行った。

図等を活用した業務マニュアルを作成する、業務指示は内容を明確にし、一つずつ行う等作業手順を分かりやすく示すこと

免許の取得については、マニュアル等の作成は行わず、現場の上司が練習に立ち会い、指導を行うなどして円滑に取得できたが、実際に本人を現場に配置して運転業務を開始する時に、果たして安全に仕事ができるのかという判断が事業所として難しかった。障害のない社員であっても運転事故は発生するため、事業所にとっても知的障害のある社員の運転業務は初の試みであったことから、現場の担当者に知的障害者を理解してもらうこともあり、ダイレクトの指導を依頼し3ヶ月間のOJTを実施し、運転業務の見極めを行った。本人の操作ミスで製品を倒壊させてしまった時などは、翌日の朝礼時に「ミスの原因、今後の対策や心構え」を発表させるような自主性を重んじた指導を行っている。

機械部品運搬業務

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、体調に配慮すること

勤怠は良いが本人はかなりの肥満体質であるため、間食の制限なども指導している。又、数多くの若い知的障害者が働く職場のため、社員の基礎体力の維持の為に毎朝のラジオ体操とスクワット30回を実施している。又、週に一回体重と血圧を測定して記録に残し、本人を始め、生活改善の必要な者については個人目標に加え健康管理の意識付けを行っている。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

障害のある社員それぞれの病名や症状を互いに共有させるようなことは一切していない。但しある障害者に問題が生じた時には本人もその場にいる状況で「○○君は□□が苦手なので皆協力してね」と言う様に、やんわりとした抽象的な表現で本人の同僚への理解や協力を求めている。

その他の配慮

決して見過ごすことのできない問題を本人が行った場合にはいきなり厳しい処分を下すことは避け、一旦は親御さんにお越し頂き、本人同席の上「今後こうした問題を起こした場合、重い処分が課されること」を両名にご理解頂き、改善をお願いしている。

障害者への配慮の提供にあたり、障害者と話し合いを行った時期・頻度等の配慮提供の手続きの詳細

配慮を受けている障害者の意見・感想等