事業所名

合理的配慮事例・27091

業種

学術研究、専門・技術サービス業

従業員数

34名

職種・従事作業

土木設計補助 ： CADでの図面作成補助、データ入力（Excel）、資料のファイリング

障害種別

発達障害

障害の内容・特性

＜広汎性発達障害、てんかん　（精神障害者保健福祉手帳3級）＞
指示に対する理解はできるが自分の考えを伝えることが苦手である。臨機応変な対応、優先順位を判断して行動することが難しいが、寡黙で真面目なところが強みである。一般就労は初めてである。

募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること（障害理解を深めるための配慮）

採用面接時に、ハローワーク職員及び対象障害者が利用している就労継続支援B型事業所と障害者就業・生活支援センター（以下、総称して「就労支援機関という。）の職員に同席してもらい、対象障害者の障害特性や就労上の配慮について説明してもらった。

面接・採用試験について、文字によるやりとりや試験時間の延長等を行うこと

対象障害者からの質問等に対しては、就労支援機関職員のサポートを受けながら、難しい専門用語を使用せず平易な表現でわかりやすく答えるようにした。

その他の配慮（職務適合性に関する配慮）

初めての一般就労であるため、就労支援機関の職場実習（2ヶ月間、就労継続支援B型事業所の施設外支援（施設外実習）として）、引続き、県の障害者委託訓練（3か月間）を受け入れて、対象障害者が従事する業務の作業適性や、指導する従業員との関係性等について、対象障害者と事業所で確認を行った。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

1. 対象障害者が属する部門の先輩社員1名を指導担当者とし、それぞれの業務に慣れるまで丁寧に指導した。
2. 業務以外の相談については指導担当者や社長が随時声かけして対象障害者が相談しやすいようにし、また、対象障害者が困っている様子がうかがえるときは、それに気づいた周囲の社員が声かけする環境を作っている。
3. 障害特性が克服できるよう、LINE（ライン）を利用して社長と直接やり取りし、仕事の感想や社内の環境について意見等が言えるようにした。

業務指示やスケジュールを明確にし、指示を一つずつ出す、作業手順について図等を活用したマニュアルを作成する等の対応を行うこと

1. 対象障害者にとって初めての業務の場合、見本の資料を見せて完成をイメージしてもらいながら、指導担当者が対象障害者と同じ動作をして覚えてもらうようにした。
2. 業務に慣れてきたら、対象障害者からの質問や戸惑っているサインが無い限り、できるだけ対象障害者に任せている。
3. 対象障害者が一日の作業を振り返り、同時に指導担当者が対象者の状況を把握できるよう、就労支援機関から提供があった様式（施設外実習記録）を「業務日誌」として有効活用している。※業務日誌を添付

業務日誌として活用している様式（施設外実習記録）

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

 

1. 一般就労が初めてであったため、当初は5時間/日・週30時間未満勤務からスタートし、対象障害者を交えて就労支援機関と協議しながら、トライアル雇用期間（3ヶ月）後に6時間/日・週30時間以上とし、その後更に7時間/日まで増やしている。
2. 集中しすぎる傾向があり、過度の疲労を防ぐため、1時間に1回の休憩を取ることをルール化した。
3. 対象障害者が一日の体調を振り返り、同時に指導担当者が対象障害者の健康状態を把握できるよう、就労支援機関から提供があった「体調管理表」を有効活用している。※体調管理表を添付
4. 「てんかん」で3ヶ月ごとの定期受診（通院）があるため、対象障害者から通院のための休みの相談があったときは休めるようにしている。

体調管理表

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

職場実習～委託訓練の実施で、障害の理解や作業指示における配慮など、指導担当者のみならず他の社員が直接関わることで配慮についての要点が周知できた。また、対象者の障害特性の理解のための「社内勉強会」を開き、就労支援機関の職員からの説明に多数の質問があがるなど、障害者が就労することに対する理解が広まった。

その他の配慮

職場実習当初から県の就労支援室、ハローワーク、就労継続支援B型事業所及び障害者就業・生活支援センターからの支援を受け、就労後も引き続き対象者と事業所の双方に支援をしてもらっていることが就労の安定につながっている。

障害者への配慮の提供にあたり、障害者と話し合いを行った時期・頻度等の配慮提供の手続きの詳細

配慮を受けている障害者の意見・感想等