事業所名

合理的配慮事例・27207

業種

医療業（除外率設定業種）

従業員数

229名

職種・従事作業

環境整備（敷地内における外での清掃業務、ごみの分別作業、冬期間における除雪作業）

障害種別

精神障害

障害の内容・特性

統合失調症：慣れるまでは緊張し、疲労感が強く、自信が持てない。質問を繰り返すことがある。
他業種の就労経験がある。

募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

面接時には、就労支援機関の職員等の同席は無かったが、面接に当たって次のような配慮を実施した。

1. 求人・面接前の事前相談
   ハローワーク、障害者就業・生活支援センター（以下「支援センター」という）へ障害特性をふまえた職務創出や勤務時間など配慮すべき点についての相談を行い、そのアドバイスをもとに面接時の採用のポイントなどにも役立てた。
2. 面接チェックシートの作成
   就労支援機関のアドバイスをもとに、勤務時間や業務に関する配慮、また通院時の配慮などの項目を設けた面接チェックシートを作成した上で面接を実施し、採用の参考にした。

その他の配慮

支援センターのアドバイスのもと、障害者の就労可能な業務を創出し、清掃業務、洗濯業務、環境整備・ゴミの分別業務の3業務について、同センター立会いのもと各3日間の実習を行った。また作成した12項目からなる実習評価表をもとに適性を判断し、本人の希望と適性評価に相違がある場合には本人と話合いを設け、本人同意のもと職場の配置を行った。そのため適材適所の配置ができ、欠勤や遅刻等の問題は特になく就労している。

採用後の合理的配慮

業務の指導や相談に関して担当者を定めること

1. 不明な点があればすぐに聞けるように対象障害者の所属する現場のベテラン職員（当院の精神科病棟での勤務経験あり。）を作業指導担当者とし、わからないことがストレスにならないように配慮した。
2. また、当法人として精神障害者の雇用が初めてであったため、本部の障害者雇用担当者も一緒に作業指導を行い、すぐに相談や体調面での対応ができるようにした。

業務の優先順位や目標を明確にし、指示を一つずつ出す、作業手順を分かりやすく示したマニュアルを作成する等の対応を行うこと

1. 支援センターにアドバイスを得ながら、職場のルールや作業日程、作業手順、分別場所等が目で見てわかるように写真や図解したものを作成した。また当初は慣れないためか緊張感が強かったので、作業内容についてはまず現場リーダーが実際にやって見せ、その後対象障害者にやってもらい、作業の要領や留意点について伝え、障害者雇用担当者も一緒に現場につきながら緊張を和らげることを心掛けた。
2. 対象障害者の意見を尊重し、作業工程の見直しや変更も行い、柔軟な対応を心掛けた。
3. 作業途中で体調不良がないか、体力的、精神的な負担がないか確認しながら作業をすすめるよう心掛けた。

1.作業日程

2.作業手順書

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

1. 就労時間に関しては障害者の負担とならないよう、週5日9時半～15時、休憩時間90分の1日4時間勤務とし、精神的にも肉体的にも余裕を持ちながら就労できる時間帯を設定した。
2. 休憩時間に通院ができ、何かあれば医師へ相談できる迅速な対応が可能な環境を整備した。

できるだけ静かな場所で休憩できるようにすること

障害特性により人が多いところではリラックスするのが難しいことを考え、昼食後は静かな現場に戻れるようにし、できるだけリラックスできるよう配慮した。
また作業指導担当者と現場で一緒に休憩を取りながら、対象障害者の体調を考慮しつつ積極的にコミュニケーションをとり、作業しやすい環境づくりを行っている。

本人の状況を見ながら業務量等を調整すること

採用当初は、ごみの収集場所や分別の種類を覚えるのが大変だったが、繰り返し作業を行っていく中で作業効率が上がってきたため、対象障害者と話し合い、現在では窓拭きや草取りなどの作業が追加され、本人のやる気にも繫がっていった。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

管理者会議にて事前に障害者について、各部署の管理者とスタッフへ以下の内容を周知した。

• 障害者手帳を取得していること
• 定期的に通院をしていること
• 環境、作業に慣れるまでは、声がけを行い、分りやすく丁寧に教えること

その他の配慮

1. 日頃からの挨拶やコミュニケーションを心がけ、気軽に相談ができるような雰囲気づくりと、定期的な相談時間を設け、相談しやすい環境づくりを行った。
2. 安定した職業生活を送るために、生活面等の対応できない相談は、支援センターへすることとした。また医師とも連携をとることで、事前・早期解決できる環境づくりを行い、障害者の安心感を得られた。
3. 定期的な面談については、1～2ヶ月に1回、定期的に仕事内容のほかに生活面や体調不良、落ち込みなどがないか、本人が相談しやすい面談時間を設けて実施している。

障害者への配慮の提供にあたり、障害者と話し合いを行った時期・頻度等の配慮提供の手続きの詳細

配慮を受けている障害者の意見・感想等