事業所名

合理的配慮事例・27227

業種

卸売業、小売業

従業員数

90名

職種・従事作業

1. 自動車ディーラーや整備工場向けの自動車部品の在庫管理や入出庫作業の中で、主として入庫作業を担当し、また一部、部品倉庫内の清掃作業も担当している。

障害種別

知的障害

障害の内容・特性

1. 作業も含め、物事に対して一つひとつ確認する意識が強い。
2. 対人関係が苦手で、多少萎縮する傾向がある。

募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

1. 支援機関と連携しながら、ハローワークの紹介を受けて採用した。
2. まず、事前に対象障害者に作業現場の見学及び作業内容の確認をしてもらったところ、是非やってみたいという意思表示があったので5日間の実習を行った。（1日の作業の流れやおおまかな作業手順等を経験してもらった。）
3. そのうえで、支援機関の職員同席のもと最終的な面接を行い、採用決定となった。

その他の配慮

1. 実習中は、慣れない対象障害者に対して現場の方々が暖かくサポートし、見守ってくれたことが非常に大きかった。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

1. 対象障害者は物流部門に所属しており、パート職の方々と一体となって作業している。上長の次長が相談係で、何かあった場合は必ず相談するようにと指導している。
2. 業務指導に関しては係長の役割で、入社後初期段階では逐一細かくフォローを行っていたが、入社後5年が経過した今は特段の業務に係る指導は行っていない。
3. 毎日の業務・作業の指導に関しては、その日のコントローラー（日替わり制）が担当し、朝礼での当日業務量の確認や作業の合間の報告・連絡、及び当日の作業終了時の報告等を密に行うよう指導している。

本人の習熟度に応じて業務量を徐々に増やしていくこと

1. 自動車部品には小さいものから大きなものまで膨大な数があるので、割合小さい部品を中心に、パート職の方々と協同で外部から搬入されたものを倉庫内の所定の位置に収める作業を担当している（入庫作業）。
2. 現状は入社後5年が経過し、入庫作業もかなり習熟度合いもましているが、対象障害者に求められているのは、就業時間内でどれだけ多くの部品を収納できるかではなく、時間内に所定の場所に間違いなく、正確に各部品を収納できるかである。
3. 入庫作業は元々地道な作業なので、対象障害者のモチベーションや意欲も考慮して、もう少し動きのある出庫作業にシフトすることも検討中である。

図等を活用した業務マニュアルを作成する、業務指示は内容を明確にし、一つずつ行う等作業手順を分かりやすく示すこと

1. 業務マニュアルもあるが、当初は係長によるOJTを中心にして入庫作業を理解してもらった。
2. 現在は習熟度も増し、独力で入庫作業ができるようになっている。
3. 倉庫内の部品収納箇所には、各部品ごとに部品コードをラベルにし、はっきり分るように貼り付けて、入庫作業が容易になるように整備・工夫されている。

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

1. 勤務サイクルは週5日勤務（土・日休日）で、当初の勤務時間は、9:00～17:30（昼休憩1時間）であったが、体調不良（腰痛）による手術を行い、術後の経過観察も含め、現在は9:00～12:00勤務として無理のないように配慮している。
2. 最近では体調も良くなり、動きもスムーズになってきたので勤務時間の延長も検討中である。
3. 昼の休憩等は「ホオジロ・サロン」という休憩室が2階に設置されており、食事等も含めて当該休憩室を利用している。

ホオジロ・サロン内部

ホオジロ・サロン入口

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

1. 機微な個人情報に留意した上で、配属先の物流部門の社員やパート職の方々に対象障害者の障害特性等を説明した。
2. 過去に特別支援学校の生徒を実習で受け入れた経験もあるので、特に意識しないで接してもらっている。
3. 同僚のパート職の方々には特に可愛がってもらっている。

その他の配慮

1. 職場における最低限のマナーについては説明したが、朝夕の出退勤時は非常に元気のいい挨拶をしてくれる。
2. 連携している支援機関で、月1回茶話会が開催されているが、時々参加しているようである。また、相談事がある場合は自分で支援機関へ連絡しているケースもある。

障害者への配慮の提供にあたり、障害者と話し合いを行った時期・頻度等の配慮提供の手続きの詳細

配慮を受けている障害者の意見・感想等