事業所名

合理的配慮事例・27228

業種

サービス業（他に分類されないもの）

従業員数

39名

職種・従事作業

清掃業務（親会社の厚生施設、独身寮及び体育館の清掃作業等）

障害種別

知的障害

障害の内容・特性

自閉症を併せ持つこともあり、次の特性がある。

1. 言語理解能力が低い。
2. コミュニケーションがうまくとれない。
3. 自分で体調管理が難しい。
4. 作業手順を覚えるのに時間がかかる。

その他

特例子会社、障害者職業生活相談員

募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

1. 採用決定に当たっては面接のほかに職場実習を活用した。
2. 職場実習は、支援機関の担当者の同席の上で本人と事前の面談を行い、実習にあたっての連絡事項や本人の特性等を確認した上で、採用までに2回（1回目2週間、2回目1週間）実施した。
3. 実習期間中には支援機関の担当者の巡回・振り返り時に、同担当者と課題や支援方法について情報共有をした。

その他の配慮

対象障害者は就労継続支援B型事業所を経て入社するため、採用内定時に本人・支援機関の担当者・当社の定着支援担当者（2号ジョブコーチ）と支援会議を設け、利用しているB型事業所の担当者から当社の担当者（障害者職業生活相談員）に支援者が変更になることや指導方法等について話し合った。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

1. 担当者として障害者職業生活相談員でもある指導者が直接指導・相談等を行っている。
2. 指導者とは別に、定着支援担当者（2号ジョブコーチ）を配置している
3. 指導者は日々の体調・作業・生活・対人関係の様子を把握し、変化があった場合は、定着支援担当者に報告している。状況に応じて定着支援担当者が支援機関と連絡を取り合っている。
4. 目標や成果等の確認のため月に1回指導者が対象障害者と面談を実施している。
5. 定着支援担当者と指導者が合同で半年に1回、対象障害者と面談を実施している。
6. 支援機関の支援者が4ヶ月に1回の割合で対象障害者と面談を行い、指導者は支援者から面談内容の報告を受け指導方法の改善に役立てている。
7. 会社で契約している臨床心理士に4ヶ月に1回の割合でメンタルヘルス相談を受けており、臨床心理士からのアドバイスも指導方法に役立てている。

本人の習熟度に応じて業務量を徐々に増やしていくこと

1. 指導者が作業手順を示し、不明な点はマニュアルを見ながら繰り返し作業を行い、正しい清掃方法を身につけ習熟度も上がった。
2. 清掃作業場所が多いと手順を覚えられないので、入社当初は作業場所を少なくし、本人の習得状況を見ながら本人と話し合って作業場所を広げていった。
3. 毎月設定する目標を、作業の習熟につながる内容に設定している。

図等を活用した業務マニュアルを作成する、業務指示は内容を明確にし、一つずつ行う等作業手順を分かりやすく示すこと

1. 会社のルール、マナー、作業上の注意点等、写真入りの説明文を作成した。
2. 作業スケジュール表を作成した。
3. 通常使用するマニュアルとは別に情報量が少なく、ぱっと見て分かりやすいように本人用の簡易マニュアルを作成した。

写真入り説明文

作業スケジュール

本人用簡易マニュアル

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、体調に配慮すること

1. 就業時間は8時30分から17時10分（昼食休憩60分、午前・午後各10分の休憩）
2. 自分では有給休暇を取るタイミングがわからないため、定期的に有給休暇を取るよう支援機関を通じて家庭へ連絡を入れ体調管理に気を付けている。
3. 衣類の調整ができず、汗をかいても上着を脱がないため、指導者が声かけをして着脱を促している。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

同じ業務を行うスタッフには特に説明はしていないが、指導者にはミーティングや日報等で、口頭指示ではなく視覚からの情報が入りやすいこと、衣類の調整が難しいこと、コミュニケーションが難しいことを説明した。

その他の配慮

1. 会社生活面で一般的なルール、マナーがわからないので、場面に応じて都度声かけをして教えている。
2. 休憩時間の過ごし方等自分で判断できないことが多いので、事例を挙げて判断しやすいよう道筋をつけている。
3. 支援機関の支援者が状況に応じて面談を実施している。

障害者への配慮の提供にあたり、障害者と話し合いを行った時期・頻度等の配慮提供の手続きの詳細

配慮を受けている障害者の意見・感想等