募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

支援施設の職員と母親が同席した。

面接・採用試験について、文字によるやりとりや試験時間の延長等を行うこと

採用の前に、事業所内の見学と実際予定している職務の実習を7日間していただき、そこでの様子と対象障害者の就労意思を確認した上で採用した。

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

総務部内の「チャレンジド（障害をもつ人、挑戦するチャンスや資格を与えられた人の意）」にて二人のコーチが担当している。対象障害者には毎日日誌を書くように指示し、仕事のポイントや「良かった点・悪かった点」などの意見交換をしている。また、一週間に1度、親との「連絡帳」の交換にて「職場から・家族から」の情報交換を続けている。

業務指示やスケジュールを明確にし、指示を一つずつ出す、作業手順について図等を活用したマニュアルを作成する等の対応を行うこと

日誌交換等の中で、母親と不仲であることが分かった。また、仕事の速度やレベルが低下した原因として「コーチに対する不信感」があることも分かった。ただし、そのコーチの指導方法にも課題があることが分かり、障害者職業センターへジョブコーチ支援を要請、導入した。これにより、事業所と支援施設及び家族の立場で本人を見守る体制ができ、母親との溝も緩和されたようである（現在コーチは別の人に変更）。

出退勤時刻・休暇・休憩に関し、通院・体調に配慮すること

1. 支援施設からの報告にて、休暇理由が嘘であることが分かった。実は対象障害者の趣味の為に休んでいたことが分かり家族と支援施設と事業所が連携をとり連絡を密にすることで、事前申請をするよう促している。
2. 月1回病院に行っているが、母親がその都度事業所に迎えにきて、一緒に医師と面談し薬をもらうという流れで、仕事を休むことなく通っている。薬の量については、「多いのでは」と心配しているが、家族、支援施設、事業所の三者による連携で見守っている。
3. 休息中の対象障害者の「居場所」について、支援施設からのアドバイスで一人の時間を作ってあげつつも、「声かけ」をしてあげて欲しいと言われるが、対象障害者は「みんなといる」ことに努力もしている意思が窺える。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

事業所の中では職員人事の動きが激しいため、障害者雇用に関する講習などは十分できないでいるが、障害者の着用しているユニフォームについての説明はしてあり、職員に対する障害者への意識付けを行っている。

その他の配慮

清掃作業の内容については、対象障害者達には、鎌を使う草刈、蛍光灯の取替え及び、背丈の高い脚立の使用はしないよう、また、職員にも前述他、危険を伴う作業については、対象障害者達にさせないように指示徹底している。