募集・採用時の合理的配慮

面接時に、就労支援機関の職員等の同席を認めること

• 福祉施設の支援者に面接の同席をお願いする。
• 障害特性を確認してより詳しい聞き取りを行う。
• 職業的重度判定の有無や、作業の継続性、コミュニケーションスキル、得意な作業、苦手な作業等の情報を確認。
• 面接官以外に障害者職業生活相談員も面接に同席。
• 極度の緊張でうまく面接ができないときは、支援者にフォローしてもらいながら面接を行う。

その他の配慮

• 集団での面接は行わない。
• 作業内容を明確にし現場見学及び実習を行うことでミスマッチングを予防する。
• 作業の内容の紹介はイラストを使用したり、専門的な言葉は極力使用しないで噛み砕いて説明を行う。
• 支援者の同行（アフターケア）ができる様に事業所内での調整を行う。
• トライアル雇用等の制度の利用を図る。
  

採用後の合理的配慮

業務指導や相談に関し、担当者を定めること

• 理解力によって、口頭での指示→身振りや手振りの指示→見本を見せる等にする。
• 一緒に作業をしながら、作業意欲の低下防止やモチベーションの向上に気をつける。
• 一日の流れをホワイトボードに記入（漢字にはルビや平仮名で記入）。
• 基本的な指示、作業手順、作業指導は現場のリーダーが行う。
• 定期的にリーダー及び障害者職業生活相談員との面談を実施し職場の悩みや改善点を聞く。
• 本人が難しい事や理解しにくい内容に関しては、保護者と連携を図り自宅で説明をお願いする。
• リーダー等に直接相談しにくい内容については相談用紙を設置（目安箱）。

本人の習熟度に応じて業務量を徐々に増やしていくこと

• 本人の作業目標時間の設定（習熟度にあわせて個別に設定）。
• 作業標準や写真、イラストの入った作業マニュアルを作成し、作業の抜けや確認をしやすくする。
• 使用道具の配置などを写真で提示し、片付けなどで迷わないようにする。
• 練習しても苦手な作業（モップしぼり）等に関しては、水切りの道具等を購入するなどして他にできる得意な部分を増やすようにする。
• 機会の喪失がないように、色々な作業に従事してもらい適性をみながら作業をすすめていく。

特別に要した費用　（　）はうち助成金充当部分※
水きり機 水きり機運搬用カート

※配慮を講じるに当たって、特別に要した費用や助成金の支給を受けた場合の金額を記載しています。

図等を活用した業務マニュアルを作成する、業務指示は内容を明確にし、一つずつ行う等作業手順を分かりやすく示すこと

• 持っていく道具や、片付け場所の写真等を作成し片付ける場所に貼りつける。
• ホワイトボードに一日の作業の流れを示し、朝礼で作業内容及び作業場所の説明・確認を行う。
• 作業指示に関しては一度に複数行わないで、一つずつ行う。
• 作業能力に関しては同じ知的障害でも能力差がある為に、個別に指示の方法や作業方法を変えている。（電動工具）
• 本人の分かりました! と伝えたい事が正確に伝わっていない事があるので確認を行う。
• リーダーが定期的に作業の確認を実施し指示を行う。

出退勤時刻・休暇・休憩に関し，通院・体調に配慮すること

• 休暇については本人の希望に合せて取得できるようにしている。
• 休暇取得については年休の有無や使用方法、メモリアル休暇、夏季休暇、祝日などに合せた連続取得などの声かけを行っている。
• 夏季に関しては水分補給の為のウォーターサーバーの設置や塩飴の設置を行う。
• 野外での作業に関しては、通常の休憩時間以外に水分補給、体調管理の為の時間を設ける。
• 産業医の診察日の声かけなど朝礼の際に行う。

本人のプライバシーに配慮した上で、他の労働者に対し、障害の内容や必要な配慮等を説明すること

• 社員研修
  
  1. 同じ作業場の社員に対する知的障害の特性やコミュニケーションの研修会
  2. 事業所内の各リーダー及び管理監督者に対して障害を説明
  3. 説明方法については、職業生活相談員や支援者からの情報を同じ職場で働く社員に共通認識として知ってもらう（本人・保護者には情報提供の許可済み）
• 提供できる個人情報に関しては社内、医療関係、関係機関等に情報の共有ができるように同意書の記入をしてもらう。

その他の配慮

• 配布物等については、平仮名およびルビの入った書類を渡す。
• 家庭との連絡や相談を実施。
• 就職してしまうと福祉サービスとの接点が無くなっている家庭が多くあるので、生活面での情報提供（ガイドヘルパーや、基礎年金の情報など）を行い、働く上での生活基盤の安定に努める。
• 支援員に関しては、家庭との連携や作業工程の確認、本人の障害特性にあった指示方法等を相談しながら、既存の作業以外でも職域の拡大を目指す。
• また事業所に直接言えない話や質問、事業所が気づいたけど話をしてもらえない事などの橋渡しを支援員を通じて行ってもらう。
• 一般社員研修や短時間KYトレーニングなどは通常より研修時間を多く取ったり、言葉や内容をわかりやすくして実施する。
• セコム安否確認サービスに加入（緊急時の安否を携帯メールで確認）休日・夜間。