採用試験については通常は筆記試験と面接を行うところを、対象者については面接のみを実施し、採用した。

配属部署の直属の上司である次長を担当者として定め、対象者は次長から直接指示を受け業務に従事することとなっている。
また、対象者の勤務場所（机）は次長の隣とし、コミュニケーションがとりやすいようにしている。

拡大読書器と画面拡大ソフト等を使用して就労している。拡大読書器や画面拡大ソフトは事業所で整備した。整備にあたっては、採用当初は、高齢・障害・求職者雇用支援機構（以下「機構」という。)の中央障害者雇用情報センターの就労支援機器の貸し出し制度を活用して実際に使用し、貸出期間の満了に伴い購入することとした。
なお、拡大読書器の購入に際しては、機構の障害者作業施設等設置助成金を活用した。

・勤務スケジュールについては、本人の希望を聞いた後、次長のスケジュールに合わせて出勤日を決めている。
・パートタイム社員として、一日7時間勤務（10時から18時）、一月当たり20日程度の勤務としている。

通路が隘路な箇所には足元等に物を置かないようにするなどの配慮をしており、特に支障なく移動ができている。

採用にあたり、事前に配属先の社員に対して対象者の障害の特性について伝え、情報共有している。

採用後は約10年が経過している。就労場面での大きな支障はなく、経験を重ねることで、他部署からの緊急の要請にも対応することができるようになっている。