百貨店における知的障害者の職域開発に関する取り組み
2002年度作成
| 事業所名 | 株式会社 中三 | |||||||||||||||||||||
| 所在地 | 青森県青森市 | |||||||||||||||||||||
| 事業内容 | 百貨店 | |||||||||||||||||||||
| 従業員数 | 1,121名（うち弘前店 262名） | |||||||||||||||||||||
| うち障害者数 | 5名
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1.事業所の沿革
| 明治29年6月中村呉服店として五所川原町新屋敷（五所川原市）で創業。昭和25年8月(株)中三呉服店、昭和37年弘前店開店。昭和39年五所川原店、昭和43年弘前店が百貨店となる。昭和49年青森店、昭和56年盛岡店、平成9年秋田店を開店する。昭和56年本社を青森店に移転し現在に至る。 |
2.障害者雇用の取り組み経緯、背景
| 障害者の雇用については、障害の種類・程度にかかわらず、自立して職務を遂行出来る適応能力が有れば積極的に採用する方針である。 初めての雇用は、昭和49年青森店に経理に明るい上肢障害者の中途採用であった。その後、下肢、視覚、内部障害者を雇用している。 知的障害者の雇用は平成12年弘前店での雇用が初めてである。 以下当事例は、弘前店での状況である。 |
3.取り組みの内容
（1）職場実習の状況 |
| 養護学校の先生の熱心な勧めで、夏休み時に高等部2年生の職場実習を受け入れることになった。実習にあたって、学校の先生から人事担当者に、健常者と差がないよう特別扱いをしないこととのアドバイスを得て、やれそうな仕事として商品補充係補助の仕事を2週間実施した。先生がよく顔を出してくれて熱心であった。 その生徒が高等部3年生の時、また学校から職場実習依頼があり実施することになった。学校ではリーダー的存在であること等学校生活についての情報提供があったうえ、本人も前年と同じ仕事で、同じスタッフの下でもあり落ち着いた様子で、一回り大人になったように見えた。前回同様に先生が良く顔を出してくれ熱心であった。 |
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（2）採用に至った状況 |
| 当人が、養護学校高等部の2年生と3年生の夏休みに各々2週間の職場実習をして、当店への就職を強く希望しているとのことで学校から推薦があった。特別扱いをせずに普通の高校生と一緒に採用試験を行った。ペーパーテストでは点数が低かったが、姉がスーパーマーケットで同様の仕事をしていたことや、他社での職場実習も経験していたことから、当店への就職を強く希望していること、自立心が強いこと、体を動かす仕事をやりたいこと、職場実習において良好な成績であったことから、総合的に判断して採用となった。 |
（3）採用後の指導状況と経過 |
| 総務部において、本人に対する適応能力を判断する目標を定め、年2回の人事考課を見ながら職種の配置を決めている。現在のところ職場適応は良好である。 新入社員研修は、全店合同研修、店舗研修において基本的なことを各々5日間程度実施する。その後に、各々の配置部門で個別指導を実施する。 ［1］ 商品補充係 入社1年目は職場実習時と同じ職種に配置したため、スムーズに職場適応した。
［2］ 食品レジ係 入社2年目で配置。初めの3カ月間は食品レジ部門リーダーが主体となって食品部門スタッフが密着指導をした。
［3］ 商品発注係 入社3年目で配置。2名ひと組で発注端末パソコンを使用して日用雑貨商品の売れ行きを点検し売れ行きの予測をしたり、発注品目・数量の伝票を作成し注文する大事な仕事であり、食品仕入リーダーが主体となって指導した。また他部門への応援や、問屋の営業員の説明を受け、新商品の注文をしている。
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4.障害者雇用の取り組みの効果
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5.今後の課題
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6.まとめ
| 最初の職場実習において、学校からの適切な情報提供とアドバイス及び先生の熱心な訪問指導と、会社の障害者であるからとの特別扱いをしないできめ細かな指導援助が本人の自立心・向上心と能力を引き出し、一般的には知的障害者が苦手と見られている金銭の取り扱いや数的なこと及び対人関係の職種に適応させたことは、一般的固定観念を変える知的障害者の職域開発の事例として評価できる。 |
| 執筆者：（社）青森県障害者雇用促進協会 小川 恵三 ・ 加藤 昌博 |
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