障害者の配置・定着・能力開発について
2002年度作成
事業所名 | 株式会社ハロー | |||||||||||||||||||||
所在地 | 埼玉県熊谷市 | |||||||||||||||||||||
事業内容 | ・焼結治具(磁石の型づくりに用いる道具)の製作・修理・磁力検査など ・磁石の研削加工・面取り加工研磨・超音波洗浄・着磁(製品に磁力を入れる)・外観検査・梱包など ・メールの仕分及び場内配達・場内美化(清掃)・印刷など | |||||||||||||||||||||
従業員数 | 37名 | |||||||||||||||||||||
うち障害者数 | 16名
![]() |
![]() (超音波で製品を洗浄) |

1.事業所の概要
平成10年2月に日立金属(株)が、障害者雇用を目的として設立し同年4月より事業を開始、8月に厚生労働省(前労働省)より特例子会社としての認定を受ける。 |

2.取り組みの経緯、背景
設立時、親会社の業務の中で、障害者の職場として比較的適切と思われる磁石の着磁・外観検査・梱包の仕事を受託し、障害者雇用を図ったが、その後、当事業の拡大が予定通り進まず、他業種の業務受託を取り入れざるを得なかった。業種の拡大を図る中で、それぞれの仕事に適合した障害者の人材確保と生産性を高めるための社員の能力開発を図る必要があった。 また、職場が分散化したことによる会社の一体感づくりと障害者の定着を図るための社内機関を設置する必要があった。 |

3.取り組みの内容及び効果
(1)職域の拡大と障害者雇用数 |

より多くの障害者を雇用するために、当初、親会社から受託した事業に加えて、一連の製造工程の中で、関係のある業務の拡大を図る一方、工場内美化・メールなど、製造以外の事業も手がけることとした。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||
|

(2)雇用および配置方法 |

障害者を職場に正式配置する前に、必ず一定期間(2週間程度)の実習を実施し、仕事への適性と職場環境への適応性を見るようにした。(表1 会社組織図)![]() 表1 [1] 学校からの受入れ⇒就職を希望する生徒を授業の一環として受入れる。 (表2 実習記録) ![]() 表2 [2] 職安経由の受入れ⇒トライアル雇用を利用して受入れる。 |

(3)能力開発 |

<教え方のポイント> [1] 仕事の内容を全体の仕事の流れの中から説明する。 [2] 指導する側が実際にやって見せてから、本人に繰り返しやらせてみて確実にできるようにする。 [3] 確実にやれるようになると、褒めてやりながら、次のステップの仕事を教え、本人の能力の許容度を考慮しながら、より責任度の高い仕事、またより多種目の仕事に挑戦させて、作業能率の改善を図る。 |

|

[4] 目標数値を把握させ、グラフ記入により日々の反省や達成感をもたせる。 |

![]() グラフ記入による目標管理
|

<具体的成功事例> [1] 仕上係の着磁品を担当する障害者が、多種目の業務を受け持ち、確実でスピードのある処理ができるようになった。 ○担当する仕事の種類(具体的作業項目) ・整列作業(表3整列作業手順書) ![]() 表3 ・着磁作業 ・選別作業 ![]() 着磁不良品 赤テープ 合格品 緑テープ ・着磁 ・選別作業 ○処理能力 選別機10台を止める事無く稼動し、着磁機、選別機連続稼動を行ことが可能になった。 ※ 着磁機、選別機の初期トラブル時修理の対応ができるようになった。 [2] 障害者が製品の責任ある最終外観検査を担当させることができるようになった。 ○受託業務のうち、障害者が最終工程(チェック)を担当している仕事 |

|

※ ISO・QS9000認定登録者 最終外観検査員26名(うち障害者9名) |

(4)職場定着を図るための施策 |

[1] 会社理念の策定と指導 <会社理念の策定> ![]() <行動十則の作成と徹底> (表4行動十則) ![]() 表4 ![]() 行動十則 毎朝の指差確認 ・朝礼時に確認(当番制により1日の行動を発表し、全員で復唱) ・巡回時のチェックで確認(できていない場合は、その場で指導) [2] 職場定着推進チームの組織上の設置 事業拡大に伴い、職場が分散化したために、職場定着推進チームを管理部に設置して、各職場のリーダーの障害者指導をサポートするようにした。 <職場定着推進チームの推進内容> ・社内紙の作成(表5新聞)・障害者へのカウンセリング ・作業指導 ・家庭との連携 ・関係団体との連絡 ・職場懇談会 ・作業手順書作成 ・個人面談・アンケート調査 ![]() 表5 [3] 意識の一体化を図るための取り組み ・親会社と一体となったレクレーション(ボーリング大会・桜マラソン・縄跳び大会) ・社内行事(マレットゴルフ・バーベキュー大会・研修旅行・忘年会) ・小グループ活動・提案制度など ・新聞編集委員会 13名(うち障害者9名)(表6別紙1) ![]() 表6 |

|

4.今後の課題
(1)更なる職域・雇用の拡大を図る |

親会社の現事業内容から周辺作業を点検し、受託事業を拡大する中で、障害者の雇用拡大を図る。 <具体例> [1] 販売業務(家庭用薬品・安全用品)などの拡大 [2] 印刷業務(名刺・慶弔はがき)などの拡大 [3] 美化業務(清掃)などの拡大 |

(2)一層の障害者の能力向上と職場定着推進 |

<推進事項> [1] 目標運動(私の旗)の推進(全員が目標を個人で選択して取り組む) [2] 職場定着推進チームの活動強化(一体感の強化と能率向上) [3] 親会社を含む職場でのノーマライゼーション(共に生き共に働く)の浸透を図る。 |

執筆者:株式会社 西友サービス 取締役管理担当 小野 博也 |

アンケートのお願い
皆さまのお役に立てるホームページにしたいと考えていますので、アンケートへのご協力をお願いします。
なお、事例掲載企業、執筆者等へのお問い合わせや、事例掲載企業の採用情報に関するご質問をいただいても回答できませんので、あらかじめご了承ください。
※アンケートページは、外部サービスとしてMicrosoft社提供のMicrosoft Formsを使用しております。