「障害者雇用は当たり前」という企業風土
2002年度作成
| 事業所名 | 株式会社北陸製版センター 新湊事業本部 | |||||||||||||||||||||
| 所在地 | 富山県新湊市 | |||||||||||||||||||||
| 事業内容 | 製版製造業であり、企画から製作、販売まで | |||||||||||||||||||||
| 従業員数 | 70名 | |||||||||||||||||||||
| うち障害者数 | 15名
 |
1.事業所の概要
| 資本金3,500万円 代表取締役会長 中村浩治 代表取締役社長 中村剛靖 昭和30年創業、昭和61年法人化、現在 の工場は、昭和62年に建設したものである。 業種は、製版製造業であり、企画から製作、 販売までを行っている。 事業は次の3つから成り立っている。 |  会社全景 |
| (1) フレキソ事業 段ボール外装パッケージ印刷版を中心とした事業で、シェアは新潟から福井までの北陸地域で6割を占める。 (2) スタンプ事業 各種印鑑・印章の製作事業で、富山県内ではトップクラスである。 (3) オンデマンド事業 各種印刷物の印刷事業である。 |
2.取り組みの経緯、背景
| 当社は、各種印鑑・印章の製作から事業を始めたが、この仕事は座ってできるため障害者にとっての仕事として適していた。また、現会長が身体に障害があったこともあり、障害者雇用に対して抵抗がなかった。 従って、特別な取り組みとして特に意識をした訳ではなく、自然と人が集まり現在の様になった。 |
3.取り組みの内容および効果
| 当社の基本的な考えは、「肉体的障害と職業的障害は違う」ということであり、障害者と健常者を特別に区別していない。 従って、労働条件も同一である。賃金は、普通勤務と補助勤務の2体系になっているが、障害を理由とした差はつけていない。普通勤務ができなければ、賃金の低い補助勤務になるだけであり、企業はボランティアではないという考えである。社内設備も、バリアフリーを除けば、唯一2階へ行くためのエレベータがある位で、特別な事はしていない。 この様な特別な工夫・対策をしないことが、逆に無理なく障害者を雇用することにつながり、高い雇用率が達成できているのだと思われる。ハード的な各種の工夫・対策よりもソフト的な考え、姿勢を重視してきたということになる。 その結果、障害者は社内に自然と溶け込み、社員にも障害者雇用は当たり前という意識が定着しているとのことであった。 |
|
4.今後の課題・展望
| 障害者雇用を促進する上では、今後、知的障害者の雇用を検討している。 現在、数多くの身体障害者を雇用し、定着しているが、知的障害者は雇用していない。以前に採用したこともあったが、うまくいかなかった経験がある。当初、単純作業をやらせていたが、慣れてきたので労働意欲を高めるつもりで少し仕事を増やしたところ順応できなくなり辞めざるを得なかったのである。 この経験を踏まえて、知的障害者の雇用条件を整備し、より高いレベルでの、「障害者雇用は当たり前」という社内風土を築いて行きたいとのことであった。 |
| 執筆者：板谷経営工房有限会社 中小企業診断士・社会保険労務士 板谷 聡 |
アンケートのお願い
皆さまのお役に立てるホームページにしたいと考えていますので、アンケートへのご協力をお願いします。
なお、事例掲載企業、執筆者等へのお問い合わせや、事例掲載企業の採用情報に関するご質問をいただいても回答できませんので、あらかじめご了承ください。
※アンケートページは、外部サービスとしてユミルリンク株式会社提供のCuenote(R)を使用しております。
