「働く喜び」と「必要とされる自分」を感じて
2002年度作成
| 事業所名 | ヤマト運輸株式会社 滋賀主管支店 | |||||||||||||||||||||
| 所在地 | 滋賀県栗東市 | |||||||||||||||||||||
| 事業内容 | 貨物自動車運送事業（主に宅配業務） | |||||||||||||||||||||
| 従業員数 | 1,048名 | |||||||||||||||||||||
| うち障害者数 | 10名
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1.事業所の概要
| 昭和57年9月ヤマト運輸株式会社滋賀主管として開業。滋賀県内には21の営業所がある。障害者の雇用率をクリアするために公共職業安定所、障害者職業センター、養護学校の協力のもと、積極的に取り組み順次採用を行った。 |
2.雇用の取り組みの経緯・背景
| 平成12年7月以前は障害者2名で、法定雇用率をクリアするに至らず、本社から雇用の指示を受け障害者雇用のために職業安定所、養護学校、職業センター等に相談するなど働きかけを積極的に行なった。障害者職業センターの行う職域開発援助事業を活用し2か月の実習を行う。養護学校生については何度か繰り返し職場実習を行い、いずれも本人たちの強い希望で入社することになった。その結果、平成12年8月に職業センターから2名、平成13年3月には養護学校から4名、5月、7月、9月に各1名を雇用するに至る。平成14年1月に1名が退職し、現在8名の知的障害者が働いている。身体障害者2名と合わせ10名となり法定雇用率は3．9％となっている。今後も関係機関との連携を保って、職場実習生の受け入れや事業所見学も受け入れながら、障害者の雇用促進を図っていく方針である。今回の事例については知的障害者の雇用状況について重点を置くことにした。 |
3.取り組みの内容・詳細
（1）入社時研修 |
| 会話する人を増やし人間関係の拡がりを図るため職場の人の名前を覚える。 とても大切な仕事という意識付け、自分がいないとヤマトは困る。 仕事のルール（挨拶をする、時間を守る、社訓を覚える）。 |
（2） 仕事を覚える |
| 物流部門 --- 商品の梱包、保管等の補助作業、緩衝材作りを行う。 ベース部門 --- 流し作業、仕分け、事前準備、前倒し作業、ボックス整理、ゴミの分別を行う。 当初は、一つの仕事が終わると「次なにしましょうか？」と聞かれつらい毎日だったが苦心の末、緩衝材作りを思いつき得意先の荷主さんの快諾を得、注文個数も能力を上回る程もらうことが出来、支店長よりシュレッダーを購入してもらいスタートした。現在1日に700～800個を作っているが1，000個を目標にして頑張っている。 |
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（3）安全教育 |
| 解りやすい指示、作業の確認を行い、怪我のないよう配慮を怠らないよう心がけている。 |
（4）出来ることを本人の能力に沿ってやらせる |
| 本人の意欲を充たせるよう次の仕事を教える。 |
（5）ゴミ分別作業からバッジ作りに至るまで |
| 各営業所から入ってくるゴミの分別を現在滋賀主管支店で行っている。最初は、ゴミの中に空き缶が入っていたり、ペットボトルの蓋がついていたりして分別が徹底されていなかったのでいろいろな問題が生じた。彼らは几帳面にきっちりとゴミの分別をするようになった。従業員もだんだんと分別に協力するようになり、障害者の人たちの仕事が従業員間で理解されるようになった。 自分たちの仕事を明確にするために障害者自ら提案のあった当番表を作成し、当番の日にはデザインも名前もみんなで考えたバッジをつけ作業に従事するようになった。   ゴミ分別作業 |  ゴミ分別作業  バッジ   ゴミ分別作業の後 |
（6）在籍社員への啓蒙活動 |
|  ヤマトニュース （滋賀主管支店の掲載記事） |
4.取り組みの効果
（1）社員の変化 |
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（2）障害者の作業能力の向上と知識の大きな変化 |
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5.今後の課題、展望等
| 仕事の能力を更にひろげる 社会性を更に身につける 社員全体の障害者に対する理解を更に深める 企業理念を積極的に実行し成果をあげていくとともに障害者が意欲を持って仕事に取り組み、それぞれ能力を伸ばしていけるよう指導と環境つくりに力を入れていきたい。 |
| 執筆者：滋賀県障害者雇用促進協会 障害者雇用アドバイザー 立山 千穂子 |
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