職務領域の拡大～「口福」を目指す最強の人集団の一員として～
2002年度作成
| 事業所名 | 和田精密歯研株式会社 | |||||||||||||||||||||
| 所在地 | 香川県綾歌郡 | |||||||||||||||||||||
| 事業内容 | 歯科技工製品の製造・医療用具製造 ・お年寄りの方が使用する取り外しの出来る入れ歯、若い方は歯の悪いところを削ってそれにかぶせる、さし歯など各医院より注文を受け技工士が作り上げていく。 | |||||||||||||||||||||
| 従業員数 | 78名 | |||||||||||||||||||||
| うち障害者数 | 15名
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1.事業所の沿革
| 昭和33年和田弘毅が大阪にて和田精密鋳造所として創業を始める。昭和41年創業から8年後に和田精密歯研（株）になり、大阪本社に技工ビルを建てる。現在社員800名、そのうち600名余りが技工士で、大きく展開していく一つの契機になる。その後、北海道から九州まで30数カ所の営業所、事業所や義歯センターをもつ、歯科技工では日本はもちろん世界でも最大規模の「さし歯工場」となる。 開設当初より、重度身体障害者の雇用を推進し、歯科技工士専門学校・養護学校・聾学校を卒業した障害者に安定した職場の確保を目指し続けている。 |
2.取り組みの背景
| 障害のある人達が一人の人間として誇りを持ち、意欲的に社会の変化に強くなることが不可欠であるという認識から始まった。 |
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3.取り組みの内容
（1）下肢障害者に対して個々による安定した位置での作業の実現（約60万） |
| 既製品の椅子では、調節が難しく障害者自身が座ったままの状態で椅子の上下操作が思うように出来る。 背もたれがないが本人には、動きやすくとても良い。 機械の操作は座って全て手の届く操作台で、手前には手摺りも付けてあるため移動もしやすい。 |
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（2）上下肢障害にたいして容易に使える噴射装置の実現（約80万） |
| 型の中にドロドロに溶けたロウを、噴射装置を使用して注入する。熱が取れると固まるので型枠からはずし、余分なロウを取り除く作業。 |
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（3）聴覚障害者に対して生産予定、連絡事項、実績傾向等の情報提示用ボード設置（約6万） |
| 聴覚障害者が多く生産予定や連絡事項など伝達に使用、正確に伝えることができ、作業の効率化をはかる。 また、自分自身の作業計画を立てることも出来る。 |
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（4）聴覚障害者に対して品質欠陥防止のお知らせタワーランプ設置（約10万） |
| 1から5まで各ケースに番号とタワーランプが設置してあり点灯・点滅のランプの合図がある。点滅は準備中のため使用不可・点灯は使用可の合図である。 |
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（5）口話によるコミュニケーション習慣で参加（発言）意識を向上させる。 |
| お互いの意志の疎通がとても大切と感じているため、初めは筆談や手話を交えながら話している。時間がたつにつれ何となく分かってくるようになり、お互いの考えを確認出来るようになる。 |
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（6）資材管理でムダ取り、節約に挑戦 |
| 資材担当がパソコンを使って無駄な資材はないか。また、良いものを、より安く提供出来れば、患者さんにも良いのではないかなど、自分なりに勉強をしている。 |  |
（7）能力があれば教育の立場に |
| 初めての試みで、知的障害と聴覚障害の重複障害者を雇用したが、何をどうすれば良いか、手探り状態だった。まず、どのような仕事なら出来るか、どうして指導をするか考える。 仕事は単純作業を、指導員は同じ聾学校卒で勤続8年の先輩のもとに配置をし、作業手順を指導してもらう。 今では無くてはならない存在になっている。 |  |
4.取り組みの効果
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5.賃金・労働時間等
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6.教育・訓練など
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7.障害者は今
| 健常者・障害者関係なく、皆元気に楽しく働いている。 障害があってもそれを乗り越え健常者と変わらぬ仕事ぶりを発揮しながら、「口福」を目指して最強の「人」集団の一員として今後も色々な角度から挑戦をしていきたいと考えている。 |
| 執筆者：和田精密歯研株式会社 クラウンセンター綾上所長 熊野 聖士 |
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