知的障害者の雇用管理に関する企業の取り組み
2002年度作成
| 事業所名 | 空研冷機株式会社 | |||||||||||||||||||||
| 所在地 | 福岡県鞍手郡 | |||||||||||||||||||||
| 事業内容 | 冷却塔製造・組立 | |||||||||||||||||||||
| 従業員数 | 110名 | |||||||||||||||||||||
| うち障害者数 | 9名
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 （会社全景） |
1.取り組みの経緯、背景
| 知的障害者施設の園長との親戚関係から依頼されて知的障害者を採用することになった。最初は4～5名が施設の職員と一緒にばらばらに職場に来ていた。5～6年前から積極的に採用することになった。その背景として、大きく二つの要因が考えられる。その一つは、当初、知的障害者は健常者との違いがあると思われていたが、雇用してみると健常者との違いはないことが判明した。もう一つは、直接指導に当たっている職員の子息が知的障害者であり、知的障害者に理解があり、そこでボランティアとしてではなく、健常者と一緒に作業をさせると作業が可能であったことである。 |
2.取り組みの内容および効果
| 障害者の採用や処遇面での基本姿勢は、作業が出来る障害者であれば、障害の種類には拘わらず、積極的に雇用を考えていることである。 現在は知的障害者施設利用者を中心に、学園在学中に先生立ち合いのもと予め職場実習を実施し、その後雇用するように努めている。職場配置については、作業の適応能力にあわせ、単純作業の部署に配置している。 |
（1）個々への配慮の具体例 |
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（2）実習生の採用と指導 |
今年から実習生を採用することになった。従来、施設内に作業所が設置されており、施設側の依頼により、企業側から指導者を付けて機材を施設に出そうとしたが、監理上困難であった。そこで、施設の職員と一緒に企業に実習生を受け入れることになった。企業の職員がコーチとして引率の施設職員に作業の指導を行った。
|  知的障害者作業場面 |
| 以上の取り組みにより、残業や休日出勤の際、一般作業員の方から”彼ら（障害者）が出勤するなら、自分も出勤する。我々だけの出勤ならば仕事は休む”という事態さえ生じている。 人員削減の厳しい折、人員削減よりも作業の改善に、即ち仕事のクレームをなくす、不良品をなくすという方向に企業の方針も変化してきた。 さらに、実習生と社員が同一施設出身者であることから、安心感や将来の目標やモデルとなり、一般寮から通勤寮へ移ることが、彼ら実習生の励みであり、プライドに繋がり、勤労意欲の高進となっている。 また、知的障害者が同僚や外来者に対しても、元気に、明るく挨拶をするので、一般作業員も挨拶するようになり、職場の雰囲気も明るくなった。 |
3.今後の課題・展望
今後の課題や展望は以下の通りである。
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執筆者：福岡教育大学教授  |
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