知的障害者の老人介護への配置転換と職場適応
2003年度作成
| 事業所名 | 株式会社千代田技研 | |||||||||||||||||||||
| 所在地 | 埼玉県川口市 | |||||||||||||||||||||
| 事業内容 | （1）ダイキャスト製品の鋳造(アルミ及び亜鉛合金)及び加工【資料1】 （2）老人介護サービス【資料2】 (デイサービス及び在宅入浴サービス・老人介護支援) | |||||||||||||||||||||
| 従業員数 | 90名 | |||||||||||||||||||||
| うち障害者数 | 8名
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1.取り組みの経緯、背景
| 当社は昭和43年1月に創業を開始し、昭和53年1月よりダイキャスト鋳造事業に着手した。当社専務のベーチェト病に起因する失明との闘病生活の中から、障害者の働く場が少ないことを認識し、障害者の採用を社内に提案したことが当社における障害者雇用のキッカケとなっている。 昭和56年から公共職業安定所や養護学校と連動して、知的障害者の雇用を進め、工場の加工部門に配置し、障害者の職業的自立を目指した育成を図ってきた。工場の業務拡張と構内請負事業を図る中で、主に知的障害者の雇用促進を図ってきたが、製造業種の低迷化の影響を受け、工場内の仕事や構内請負事業が減少していく中で、知的障害者を単にリストラの対象とするのではなく、知的障害者の新たな職域として、平成12年にスタートした老人介護センター「ありふひまわり」に、本人の適性能力を判断したうえで、老人介護の仕事への配置転換を図った。 |
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2.取り組みの内容＝知的障害者の老人介護への配置転換
| 構内請負事業(半導体出荷のための箱づくり作業)に配置していた2名の知的障害とダイカスト事業部加工チームにいた1名の知的障害者を老人介護センターに配置替えした。 |
（1）配置時の配慮点 |
適材適所の考え方(仕事と対象者の業務上適性とのマッチング)
|  洗濯物の折り畳み作業 |
（2）配置転換後の各人の主な仕事 |
| Aさん(自閉的傾向の知的障害) ＝介護センター内にある風呂・トイレ・流し場・ロッカー室などの清掃・草むしり |
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| Bさん(知的障害) ＝利用者の靴の出し入れ・文書の収納場所からの出し入れ・お茶出し・ネームのテプラづくり等 |
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| Cさん(知的障害) ＝老人介護者への介助作業(話し相手・風呂・トイレへの介助) |
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| ※Aさんが休日の時は、Bさん・Cさんが交代で、Aさんの仕事をする。 |
（3）当社の教育方法 |
| ※対象者の能力発揮に当たっては、当社の教育方法が大きく貢献している ＜事 例＞
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3.効果
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4.今後の課題・展望
| 会社としては、現在のダイカスト事業、老人介護サービス事業の他に光触媒を利用した造花の生産等の新たな職域を開発する中で、より多くの障害者を雇用できることを意図している。 また老人介護サービスについては、現在の老人介護に関わる職務内容を整備・分析すると共に、3名の障害者の能力適性からよく鑑みたうえで、可能な職務を抽出し、増員配置したいと考えている。 |
5.まとめ
| 当社は、製造業種の経営上の厳しさから、現在雇用している障害者のリストラを余儀なくされたが、当人達を解雇することなく、他の事業に配置転換させ雇用の継続を図ることができた。 その配置先は、これから日本全体の重要課題となる高齢化社会を担う老人介護の分野であり、知的障害者が各人の特性に適合した仕事であれば十分その役割を果たせることを実証し、知的障害者の新たな職域として、老人介護があることを示唆したものである。 取材を通じて、当社の障害者雇用への努力が熱く感じられ、こうした企業経営者が数多く出ることが、これからの障害者雇用を進める重要なポイントになるとの思いを強く持った。 【資料［1］】(株)千代田技研で製造しているアルミダイキャスト製品  【資料［2］】老人介護センターの概要 ■事業内容 ［1］ 訪問入浴サービス ［2］ 老人デイサービス←知的障害者3名を配属 ［3］ 居宅介護支援サービス ■センターの沿革 ・平成10年4月—介護事業部として、訪問入浴サービスを4名でスタート ・平成12年4月—老人介護施設「ひまわり」を開所 ・平成12年6月—知的障害者B・Cさんを請負事業(半導体製造)から異動 ・平成12年8月—知的障害者Aさんをダイカスト事業部加工チーム(プレス作業)から異動 ■老人デイサービスの営業概況
【資料［3］】株式会社 千代田技研 組織図  |
| 執筆者：株式会社 西友サービス 取締役管理担当 小野 博也 |
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