障害者をまとめるリーダーの大きな存在
2003年度作成
| 事業所名 | 医療法人社団 誠林会 | |||||||||||||||||||||
| 所在地 | 富山県高岡市 | |||||||||||||||||||||
| 事業内容 | 医療業 （整形外科病院・整形外科医院・介護老人保健施設・在宅介護支援センター） | |||||||||||||||||||||
| 従業員数 | 140名 | |||||||||||||||||||||
| うち障害者数 | 4名
 |
|
1.事業所の概要
| 整形外科病院部門では「医は仁術」をモットーに、正確な診断・適切な治療・心のふれあう看護はもとより、MRI等最新設備の導入によりクオリティの高い診療で患者様の1日も早い快復を願い、地域の人々に信頼される病院として日々努力している。 障害者の雇用状況は4名で、全員視覚障害（うち3名は重度）である。4名とも物療士（マッサージ師）で、林整形外科医院のリハビリマッサージ部門にて患者へのマッサージ業務に従事する。 |
2.取り組みの経緯、背景
| 当院は昭和43年に開業し、整形外科病院では県内で初めてマッサージを取りいれ、それに伴って物療士を採用した。その後部門を拡充し、現在リハビリマッサージ部門は6名在籍しているが、うち4名が視覚障害者である。 マッサージの人気は高く順番待ちの状態であり、当院の一つの特色となっている。 |
3.取り組みの内容および効果
| 当院は障害者の募集に際しては、地元の盲学校と常にコンタクトをとっており、採用枠があれば迅速に対応できるよう心がけている。視覚障害者はとかく自分で開業する者が多い中、安定した収入を得る職場と、勉強した技術を発揮できる職場を提供できるという点で意義は大きい。 労働条件、設備等については基本的には障害者と健常者は全く対等とみており、差別していない。また、視覚障害ということで回りの従業員は当然それとなく気をつけてはいるが、ほとんど日常勤務上支障はない。 またリハビリマッサージ部門のリーダー(物療部長)の存在も大きい。リーダーは本人自身も障害者であるが、人望も厚く、その部門の指示伝達窓口として皆をまとめ、昼食、休憩時等を利用して協調融和に配慮して院内での孤立が生じないよう努めている。そして障害者であることでのいろんな支障については全員で協力し、互助の精神でまとまっている。 病院としては障害者に対して特別扱いをせず、また特別な対策もとってこなかったことが本人たちのプライドも守り、また他の従業員たちとの融和にもつながっているのではないかと思われる。それでまた陰からしっかり気を使い、暖かい目で見守っている姿勢が感じとれた。 |
4.今後の課題・展望
| 現在リハビリは理学療法士が主流になってきている。診療報酬点数では物療士の治療は理学療法士の治療より格段に低くなっており、今回の改正で幾分見直しはされているが、物療士の点数はさらに厳しい傾向にあるという。経営上マッサージによるリハビリは今後厳しくなると予想され、そうなると障害者の雇用にも影響してくるものと思われる。 国としても障害者の雇用を進めるのであれば、そういう人達が働きやすい環境、今回のことで言えば障害者でも充分生活していけるだけの配慮、つまり診療点数の低下を特別に抑える等の配慮が必要であろう。 話は飛ぶが、日本の伝統工芸的な技術が外国品の影響で段々すたれ、それに携わる技術職人がやむなく廃業転職していることを聞くにつけ、政策により高い技術が守られていくことを願ってやまない。 |
| 執筆者：音頭社会保険労務士事務所 音頭 裕司 |
アンケートのお願い
皆さまのお役に立てるホームページにしたいと考えていますので、アンケートへのご協力をお願いします。
なお、事例掲載企業、執筆者等へのお問い合わせや、事例掲載企業の採用情報に関するご質問をいただいても回答できませんので、あらかじめご了承ください。
※アンケートページは、外部サービスとしてMicrosoft社提供のMicrosoft Formsを使用しております。
