保育園における車いす利用者の就業環境の整備
2003年度作成
| 事業所名 | 永照寺保育園 | |||||||||||||||||||||
| 所在地 | 鹿児島県薩摩郡 | |||||||||||||||||||||
| 事業内容 | 永照寺保育園は、永照寺で行われていた季節託児所を母体とし、昭和23年の制度変更に伴い設立され現在に至っている。定員は60名で、現在は通常の保育以外に乳幼児保育、障害児保育、世代間交流、子育て支援など地域に密着した保育を行っている。 | |||||||||||||||||||||
| 従業員数 | 15名 | |||||||||||||||||||||
| うち障害者数 | 1名
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1.障害者雇用の経緯・背景
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2.障害者を雇用して直面した問題・課題
（1）障害者を雇用する事に対しての不安と戸惑い |
| 当事業所では障害者を雇用する事が初めてであり、周囲にもその事例がなかった為「障害」や「障害者」を知らない事にたいする不安と戸惑いがあった。障害の程度や身体的機能、そして業務内容や環境についていかに対応すれば良いかが当初想像がつかなかった。 |
（2）バリアフリー化の必要性 |
| 雇用を決定した男性は身体的な障害のみで、予定している業務そのものへの問題は考えられなかったが、体幹機能障害の為、日常車いすを利用しており、保育園の敷地入口をはじめとして、園舎、事務室、トイレなど建築的に利用できない場所が多く、ハード面でのバリアフリー化の必要性が考えられた。 ［1］ 保育園敷地入口 保育園に接する道路は勾配がきつく、敷地入口に段差があり、かつ門扉が鉄製で大型な為、障害者職員が自力ではもちろん、介助をしても出入りが困難であった。 ［2］ 門扉より園舎（事務室）までの通路 上記入口より園舎（事務室）までは園庭を通らねばならないが、園庭は砂地で距離もあり通常でも車いすのタイヤがとられ自力では通行が困難で、雨天には完全に通行が出来ない。 ［3］ 園舎への昇降 園舎の床面と敷地GLとの段差は約45cmあり、車いす利用者の進入が不可能である。 ［4］ トイレ トイレは事務室から離れた場所にあり、やはり段差が45cmほどあり、また車いすで利用するには狭く、かつ開口部の扉の形状が不適切なものであった。 ［5］ 各所開口部及び通路 園舎内の各所の開口部及び通路には、車いす利用者には通行しずらい形状の物や段差がある。 |
3.問題課題等への対応
（1）「障害」と「障害者」への相互理解 |
| ［1］ 雇用にあたって、当事者間で面談を繰り返す中で、「障害」の内容と本人の持つ技術や能力、また就労する為に必要なポイントが徐々にわかり、漠然とした不安は少なくなっていった。 ［2］ トライアル雇用を活用する中で従来の職員の戸惑いも少なくなっていった。 ［3］ 担当すべき業務を明確にすることにより、着実に職場に馴染めるようにした。 |
（2）バリアフリー化の計画 |
| 上記の問題を解決する為、当該地域の障害者雇用促進協会に相談し、問題箇所の改善案と、助成金活用などの助言をうけ、施設改善助成金の申請を行う。特に考慮した点は、保育園である為当然の事ながら多数の子供が集まる場所であり、施設が安全に利用できるものとなる事、そして車いす利用者が使用できる為の改善を前提としながら、結果的に誰もが利用しやすい計画となる事である。 |
（3）バリアフリー化の実施 |
| ［1］ 保育園敷地入口 道路より保育園敷地への入口にあった段差をなくし、大型鉄製門扉を軽量のアルミ製門扉に変更し、車いす利用者が自力で出入り出来る形状とした。この改善により、健常者職員、来訪者にとっても使いやすいものとなり、重量や形状による危険性も軽減できた。 |
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| ［2］ 門扉より園舎（事務室）までの通路 車いす利用者の通路となる園庭の一部の床仕上げ材をコンクリート製とし、タイヤが埋没しないようにした。また雨天の場合に傘をさす等の対処ができない為、通路上部にアルミ製の屋根を設けた。これまでは雨天の際足場がぬかるみ、靴が濡れてしまっていた子供達にとっても、屋根の設置と共に通行がしやすくなった。 |
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| ［3］ 園舎への昇降 段差解消機（車いす利用者が自力で操作し、園舎（事務室）床面まで昇降できる機器）を設置した。第三者に介助を依頼することなく園舎に出入りする事ができ、車いす利用の高齢者も参観が可能である。 |
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| ［4］ トイレ 園舎（事務室）との間に存在した段差を、トイレの床面を上げる事で解消し、トイレ内部も車いすで進入、利用できる広さに拡張。開口部も開き戸（ドア）から引戸とし、必要な部分に手すりを設けた。これまでは健常者も一度靴を履いた後にトイレを利用しなければならなかったが、上履きのままで利用する事が可能。 |
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| ［5］ 各所開口部及び通路 車いす利用者が通行する通路、開口部、各室間に存在する段差、レールなどの障害物をなくした。 |
4.対応した結果
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5.今後の課題
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6.今後の展望
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| 執筆者：（社）鹿児島県障害者雇用促進協会 金子 裕行 |
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