環境づくりと人材教育～物流部門での知的障害者雇用～
2003年度作成
| 事業所名 | 株式会社 ライトオン | |||||||||||||||||||||
| 所在地 | 茨城県つくば市 | |||||||||||||||||||||
| 事業内容 | 衣料品小売業 | |||||||||||||||||||||
| 従業員数 | 789名 | |||||||||||||||||||||
| うち障害者数 | 7名
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 【本店】 |
1.事業所の概要
| 株式会社ライトオンは、1980年にジーンズ等の小売業として営業を開始し、カジュアルウェアを中心に販売する専門店。出店は、主要都市のショッピングセンターや駅ビルへのインショップ、路面店等、多様な形態で展開している。 また、顧客のニーズに対応するため、流通と販売との情報ネットワークを活用した商品管理サービスの向上に取り組んでいる。 |
表1：事業所の概要
|  【店舗の状況】 |
| ■人材教育システム ・「人こそ企業の財産」という視点に立ち、入社前に行うアルバイト店舗実習に始まり、入社後の新入社員・中途入社社員研修にて、実践での技術が身に付くように、独自の人材教育システムを展開している。また、国際的な活躍ができる社員に育成するため、海外研修も実施している。 ・クラブ活動が活発で、野球、サッカー、ゴルフなど、さまざまな活動を行っている。また、社員旅行などのコミュニケーションの場を充実させ、社内の働きやすい雰囲気づくりに努めている。 |
2.雇用にあたっての対応
| 雇用にあたっては、茨城県南部雇用支援センターの協力を得て、職場実習（約1ヵ月間）、通勤指導を実施している。これによって、作業能力や職場適性を評価し、雇用の可否を判断している。 一方で、組織内での受け入れ体制を整備するために、作業現場での責任者に対して、雇用支援センターでの研修を行っている。 採用時には、内定者、家族、雇用支援センター職員、現場責任者、人事管理者によって打ち合わせの会議をもち、給与や労働時間など、処遇面の検討を行っている。 特に、労働時間は、従前の雇用支援センター等での作業訓練プログラムに合わせ、6時間程度から始めるよう取り組んでいる。 また、通勤に関しては、就業場所への交通の利便や、帰社時間が遅れることへの対応として、事業所のバスで雇用支援センターまで送迎している。 |
表2：障害者雇用の状況
|  【流通部門】 |
3.障害者雇用における業務のポイント
| ●責任性を明確化………「ほめる」「ねぎらう」一方で、「注意する」こと ●新しい作業への移行基準………たとえば、「数字の理解によって、検品を担当」 ●社員間のナチュラルサポート………休憩時間などに積極的に交流する ●物流システムにおける作業分析………「できる」作業を提供し、生産性を高める ●健常者との統合グループへの配置………3チーム制／曜日によって異なる作業メニュー ●雇用支援センターとのネットワーク………作業現場での直接指導を受ける |
4.職場定着の事例
| 平成xx年、雇用支援センターでの訓練ののち、職場実習を行った。実習では、集中力と作業耐性の課題があり、就業時間を4時間として就労を開始した。採用直後は、作業スピードの緩慢と過度の緊張のためのミスなどがあり、雇用支援センターの職員のサポートを受けることがあった。 現場では、比較的簡易な「段ボールの解体」を行っていたが、時間とともに技術が向上し、徐々に「段ボールの移動」「商品の搬送」など、担当する作業がひろがっている。また、「ドアのロック」の「班長」として役割を明確にし、モチベーションと責任感を高め、職場適応をすすめている。現在では、「いてくれると助かる」と社員から評価されるようになっている。 |
5.事業所からのコメント
| 当社が障害者雇用を実施していくうえで、もっとも不安だったことは、障害者雇用のノウハウが全くと言っていいほど無かったことでした。そのなかで、採用後のフォローや発生したトラブルへの対処に関して、茨城県南部雇用支援センターの強力なバックアップがあり、大変たすかりました。 特に有効だったと思われるのが、通勤のサポートでした。通勤中に事故などが発生しないように、直接職場ではなく、通い慣れた雇用支援センターに集合し、当社が車両と運転代行を用意して、通勤・退勤のサポート体制をつくりました。このことにより、センターの先生が継続して、従業員とのコミュニケーションをとる機会が生まれ、当社では気づかない部分のケアができました。 |
| 執筆者：国立精神・神経センター精神保健研究所 司法精神医学研究部 野口 博文 |
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