障害者の雇用定着を高めるために
2003年度作成
事業所名 | 株式会社 アドバンス | |||||||||||||||||||||
所在地 | 埼玉県狭山市 | |||||||||||||||||||||
事業内容 | 化粧品の生産(充填、包装仕上げ)、物流、印刷 | |||||||||||||||||||||
従業員数 | 52名 | |||||||||||||||||||||
うち障害者数 | 29名
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![]() 会社玄関口(外来者用の車いすも用意) |
1.設立の経緯、背景
株式会社コーセーを親会社として、企業の社会的責任を果たすための法定雇用率を達成することと、コーセーの「障害者の方たちの積極的雇用と職業的自立の場の提供を図ることにより、ノーマライゼーションの手助けをしたい」の信念から、化粧品業界で初めての特例子会社として重度障害者多数雇用事業所の助成金の適用を受けて、1992年9月に設立された。 なお、作業ラインの構築にあたっては、障害者にできる限りの安全性と作業負荷を軽減した機械及び作業施設など、職場環境の整備に注力した。 |

2.職場の5大方針の策定
設立時に会社づくりを行っていくうえで考え方と姿勢を表現した。 [1]明るく自信のある態度で意志の通い合う職場づくり [2]安全で健康的な働くことに充実感を味わえる職場づくり [3]マナーがしっかりとしている職場づくり [4]よりよい品質が生みだせる職場づくり [5]創意工夫をこらした経営成果も高められる職場づくり | ![]() 職場の入り口に掲げられている <職場方針> |

3.障害の特性を捉えた職場配置【資料[1](株)アドバンス組織図】
(1)全体の作業の流れ |

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(2)作業の流れをAB2つのグループに分類 |

1班(充填グループ) 工程前半の充填及びキャップ締めの作業を担当。 | ![]() 1班(充填グループ)の作業風景 |

2班(仕上げグループ) 工程後半のラベル貼り、箱詰め、ダンボール詰めなどの作業を担当。 | ![]() 2班(充填グループ)の作業風景 |

(3)それぞれの作業要件にマッチした障害者を配置 |

(例・聴覚障害・肢体不自由=1・2班 ・知的障害=2班) |

(4)二班体制による作業体制 |

各班に1人のリーダーと2人のサブリーダー及びシスター(健常者のパートタイマー)を配置し、障害者を補佐。 当初2~3人⇒現在7人に強化し、障害者に各自の本来の役割に専念できるよう、作業段取りなどの周辺業務をサポート(資材の準備など)。 |

4.定着率を高めるための取り組み
(1)表彰制度 |

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(2)班別目標の設定 |

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(3)各種社内行事の開催 (社員の家族も参加して実施) |

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(4)障害者の父兄会(年4回)を実施 |

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(5)障害者個々人の特性への配慮 |

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5.取り組みの効果
(1) 初年度から一定の障害者雇用率を維持し、社員の特性に合わせた配置や環境改善を図るなどの社員の定着のための対策を講じる中で、創立以来、親会社からの生産受託の役割をキチンと果たしてきた。 <従業員数の推移> 単位=人
<現障害者社員(29人)に占める新規事業からの在籍者数>
<生産量の推移(全製品、サンプル込み)>単位=千個
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(2) 各種行事を企画・実施することにより、社員間のコミュニケーションがよくなり、全社一体感の醸成づくりができた。 (3) 全社的に社員への品質管理の意識化を図る中で、ISO14001を取得することができ、全社員参加による環境問題への取り組みを図れるようになった。 |
![]() ISO掲示板で環境問題を啓発
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6.今後の課題・展望など
(1) 障害者雇用の促進を積極的に進める中で、社内外からの優良企業としての認知度を高めることへの挑戦を続けるとともに、会社の使命である「収益性」「効率性」「安全性」の追求を図って行く。 (2) 社員一人一人に与えられた職務役割をキチンと果たせるよう、ハード・ソフト両面からサポートしながら、より高度なスキル面の深耕を図って行く。 |
資料1 ![]() 資料2 当用紙に記入して提案 ![]() |

執筆者:株式会社西友サービス取締役管理担当 小野 博也 |

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