障害者と健常者の分け隔てない職場を目指して
2004年度作成
| 事業所名 | 株式会社日興商会 http://www.bunguclub.com | |||||||||||||||||||||
| 所在地 | 兵庫県尼崎市 | |||||||||||||||||||||
| 事業内容 | オフィス関連商社、印刷 | |||||||||||||||||||||
| 従業員数 | 730名 | |||||||||||||||||||||
| うち障害者数 | 21名
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1.障害者雇用の経緯と取り組み
（1）障害者雇用の経緯 |
| （株）日興商会は、昭和23年8月に設立。 障害者雇用に積極的に取り組み始めた経緯は、30年以上前に、社員が交通事故に遭い体が不自由になった事が端緒となっている。もともと創業者が身障者雇用に関心を持っておられたが、その社員を継続雇用する事により障害者雇用が始まった。 その後、社会的に障害者雇用の問題が取り上げられる様になってくると、（株）日興商会は企業の社会的責任として法定雇用率を上回る人数の雇用をいち早く実現して、現在に至っている。障害者は21名（うち重度17名）、障害者雇用率は5．2％である。 |
（2）障害者雇用の取り組み |
| 印刷業では、組版や校了作業等、身体障害者であっても一度その業務をマスターすれば充分に活躍できる職分もあり、そこで頑張っておられる方は、健常者と大差なく貢献しておられる。 また最近、（株）日興商会では教育の手順をもうけており、障害者の教育は当該部署の責任者が教育の担当者を決めて手順に基づき教育している。聴覚障害者に対しては、当然筆談やゼスチャーをおりまぜながら指導されているが、作業ルールの文書も作成されているので、より明確に伝わるようになっている。 一方、印刷技術や工程の進歩により、一部の身障者の方は、担当する作業も変わってきているが、皆自分なりに努力し、また周囲もそれを支えながら、互いに協力して業務が進められている。 各自、職場職場で充分にとけ込んでおり、確かな責任を果たしておられる。 |
2.5人の方の作業風景とコメント
（1）製版部製版課 桝田裕香さん |
 組版機によるデータ検索作業 ・ コメント 入社当初は通勤も含めて長時間の座位や仕事内容等かなりの不安がありましたが、周りの人の理解や助けもあり今は毎日楽しく働いています。階段があるためトイレへはエレベータ2基を乗り継がなければならないという移動面での不便さはありますが、これからも元気に頑張っていきたいと思っています。 |
（2）製版部製版課 木下龍一さん |
 印刷の製作工程の指示 ・ コメント 入社当初より「全員経営者、全員労働者」の創業者精神のもとに、障害者・健常者の分け隔てなく働かせていただきました。勤続二十数年を過ぎ、その間多くの人と出会い、学び、今ではそれが財産だと思えるようになりました。今後は自分の経験を生かし、それをいかにして若い人達に伝えていくか、又自分も新しい意見を吸収して更なる成長を目指したいと思っています。 |
（3）製本部製本課 迫田弘幸さん |
 製本断裁 ・ コメント 会社に入ってから21年目になりました。入社当初は先輩に仕事を教えてもらいましたがミスが多かったし、何を言われているのか全然分りませんでした。仕事によって身振りで示してもらったり、メモに書いてもらったりしました。毎日仕事をしているうちに段々分ってきました。はじめはコミュニケーションを取る事が大変でした。でも21年間働き続けて知らないうちに慣れていました。しかし手話が出来る人がもっといると良いですね。 |
（4）製本部製本課 石井安雄さん |
 出荷作業の補助 ・ コメント この会社に入った時は聴覚障害者がいなく、私一人でしたので心配でした。また活版に配属され、仕事が覚えられるか心配でしたが上司や先輩に筆談で分かりやすく教えて頂いたので徐々に仕事にも慣れ、健常者の方々ともスムーズに溶け込めました。今現在も健常者の方とのコミュニケーションは身振りと筆談で進めています。 |
（5）製本部製本課 岩脇久男さん |
 製本単式部門検品係 ・ コメント 3年前に、務めていた印刷会社が倒産になり日興商会に入りました。それからは上司や先輩に色々教えてもらっての仕事でした。これからも仕事に一生懸命頑張ります。 （執筆者：尼崎経営者協会室長 深見 光雄） |
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