ノーマライゼーションをめざして
2004年度作成
| 事業所名 | 有限会社化成フロンティアサービス （三菱化学株式会社の特例子会社） | |||||||||||||||||||||
| 所在地 | 福岡県北九州市 | |||||||||||||||||||||
| 事業内容 | ・OAセンター（データ入力、データ処理、ワープロ文章作成、印刷用版下作成、大判カラープリンター出力、ドキュテック カラー出力、コピー、書籍類出版，名刺・はがき等印刷物全般、各種製本、ホームページ制作、CAD、媒体処理、プロミラミング、事務代行、ビデオ制作、その他） ・メール・写真センター ・パーソナルサービスセンター（給与・年金・保険等の人事事務・健康診断等） ・アグリカルチャープロジェクト（有機農法での野菜づくり、竹炭づくり、椎茸栽培、洋ラン栽培）等 | |||||||||||||||||||||
| 従業員数 | 109名 | |||||||||||||||||||||
| うち障害者数 | 64名
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1.事業所の概要と障害者雇用の状況
（1）特例子会社の設立 |
事業内容は、多岐にわたっている。また、障害者数は、設立時の16名から年々増加傾向を示し平成16年では64名である。障害者雇用率は、当社のみで100．92％、親会社を含めると法定雇用率1．8％を越え2．12％を示している。 |
（2）アグリプロジェクト部門の新設 |
| 従来の採用の条件は、パソコンが可能かどうかであったが、知的障害者の雇用の実現等により、新たにアグリプロジェクトの部門が設けられた。 アグリプロジェクトの目的は、（1）従業員のリハビリと心身の養和に寄与する。（2）障害者雇用のための職場づくり、（3）「食の安全の農業こそ、日本では無限の可能性がある産業である」と捉え事業化をめざすというものである。その基本方針は、（1）有機農業として展開する、（2）障害者雇用を第一とする。 具体的事業として、有機野菜（じゃがいも、玉葱、茄子、大根、ごぼう、さつまいも等）、しいたけ、洋蘭の栽培、木炭・竹炭などの製造が行われている。 |
2.障害者雇用の留意点
| 本企業の障害者雇用上の留意点は、ハード面、ソフト面およびその他として纏めて整理されているのが特徴である。 |
（1）ハード面 |
ア 床面、通路（絨毯、溝蓋、自動扉、スベリ防止）
ウ トイレ、休憩室（緊急ブザー付）
オ メールセンター集配車（障害者用に改良） カ 独身者（単身赴任寮）の安全対策
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（2）ソフト面 |
| ア 明るい活き活きとした職場づくり（挨拶、声かけ） イ 毎朝の手話勉強会 ウ 毎朝のチームリーダーのミーティング エ 自家用車通勤 オ 高速道の利用 カ 遠距離通勤者の特急定期券利用 キ 職業コンサルタントの選任（4名） ク 花卉栽培（温室、ラン類） |
（3）社外との交流 |
| ア 社外との交流（全重協、特例子会社） イ 実習生の受入れ（養護学校、障害者職業能力開発校） ウ 見学者の受入れ |
3.今後の課題・展望
| 会社設立当時は、障害者の範囲も肢体不自由者や視覚障害者等で、知的障害のある社員はいなかった為、採用の条件もパソコンが可能な者となっていた。しかし農園として発足した、最も新しいアグリプロジェクトの主な従事者は知的障害者であり、必ずしもパソコン可能という採用条件が必須ではなくなった。むしろ、知的障害者を含めた障害者雇用の範囲を拡大され、門戸を広げられたと解釈すべきであろう。将来的にも、障害者雇用の範囲と事業内容の充実を期待したい。 さらに、現在も多種にわたる事業内容が準備され、新しいプロジェクトも開発されているが、多岐にわたる事業内容と各障害者の就労適性との適合が今後の課題となろう。 また、印刷等の事業においては、他の業者との競争力をつける努力を期待したい。当社の実力からすれば不可能ではないと思われるからである。 （執筆者：福岡教育大学教育学部教授  ） |
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