知的障害者雇用の当初の課題と対応
2004年度作成
| 事業所名 | 有限会社うめだ うめだグループ | |||||||||||||||||||||
| 所在地 | 鹿児島県鹿児島市 | |||||||||||||||||||||
| 事業内容 | 各種弁当製造販売、仕出し、給食・食堂運営 | |||||||||||||||||||||
| 従業員数 | 63名 | |||||||||||||||||||||
| うち障害者数 | 8名
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1.事業所の概要と障害者雇用の状況
（1）事業内容 |
| 昭和53年鹿児島市（旧日置郡）に創業、うめだ総合仕出しセンターを母体として、食のトータルサポートを生涯にわたって行なうことを目的とした事業を実施している。特に、「安全なものが食べたい」という消費者の声をもとに食材にこだわり、仕出し・弁当等安心して食べていただいている。 会社のモットーは“グルメ事業に貢献する”を心掛けている。 現在、会社の事業として、下記事業形態で業務運営している。
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（2）障害者雇用の経緯 |
| 養護学校からの要請で職場実習を実施したおり、職場実習をした学生から「卒業後働きたい」という希望があり、職場実習時の働き内容から見ても良いのではないかと考え採用することになった。 その後毎年のように採用をし続けている。 これまでに、知的障害者の雇用経験はなかったが、職場実習時の学校の先生方の指導方法、またその後先生方から障害者への接し方等講習を受けたりしてトラブルを最小限におさえている。 その間、多少の問題点の発生もあったが、幸い障害者自身が素直で明るい性格の人ばかりであり、また、障害者の性質等の把握に努めながら指導を行なったことで作業能力の向上や他の従業員とのトラブル発生もなく、コミュニケーションも良好だったことから、障害者雇用に対する不安が払拭され、以降障害者雇用を積極的に行なった。 |
2.障害者雇用の課題と対応
（1）障害者を雇用して直面した課題 |
| 当初の課題は、会話・仕事上の指示等コミュニケーションができないことであった。また「障害」「障害者」を知らない事に対する不安と戸惑いがあり、障害の程度、職業能力、適性、業務内容や環境についていかに対応すれば良いかが想像もつかなかった。 また、仕事の教え方等、何回となく同じことの繰り返しの連続であった。 |
（2）課題への対応 |
| 障害者職業生活相談員を選任し、ケースバイケースで問題点・反省点を分析した。 対応策等を検討して実施してきたと同時に、健常者に障害者を理解するよう社内教育を徹底した。また必要以上に関与せず、ある一定の距離を置きながら指導することも心がけた。 仕事の教え方等については、体で覚えることが重要であり、いったん覚えるとあとは非常に楽になり楽しい雰囲気になる。 配置については、入社時には何でもしてもらい、その中から興味を示したりした職場に配置したりした。 しかし、その配置が最終ではなく、常に観察しできるだけ本人が希望する職場に配置するよう配慮した。また、作業経験が長くなり作業能力が向上した障害者にはいろいろな職場・職務ができるよう指導していく。 余暇活動にも参加できるよう配慮し、従業員同士の慰安、また地域社会の催しものにも積極的に参加し、地域住民とのふれあいを図っている。 |
3.障害者雇用の結果
（1）障害者雇用の進んだ理由 |
| 最初に雇用した障害者の労働意欲、態度等が非常に良く、これではなんら健常者と変わりないということが分かり、障害者への偏見もなくなり、それが障害者雇用への増大につながった。その間、多少の問題の発生もあったが、障害者職業生活相談員を選任し、問題点等検討・分析等に対応した。 そのかいあって、働きやすい職場環境が整い障害者の作業能力・職場定着率も向上し事業拡大に貢献している。 職場も明るい人が多いので、笑顔が絶えない環境的にも非常に優れている。 運転免許を取り配達に出かけるなど、すでに技術を得て貢献している障害者もいるなど障害者の長所を生かし、それに合った配置をしている。例えば、盛り付けが上手な子・作業をすばやく処理する子・運転が好きで外回りがしたい人、数字に強い人など障害者自身もそれぞれ夢を見ながら日々の仕事を頑張っている。 仕事に関しては「すぐれた個性を引き出して、その人に合った仕事をしてもらう」また「技能を磨いて調理師として独立する人を育てるのが願い」と、職人として自立できるようにも支援している。 処遇面においても、障害者だからという観念ではなく、仕事遂行能力に応じて対応し、できる障害者であればそれなりの処遇をし、公平にとり扱っている。 |
（2）今後の課題 |
| まず大きな課題として高齢化社会への対応がある、定年（60歳）前後の取組みをいかにすれば、楽しい定年後の生活が生まれるか。 責任者ならびに指導員の資質の向上・自覚等の社員教育を行う。 家族との連携をもち、それを作業工程上に生かし作業向上に努める。 仕事量の減少に如何に対応するか、そのような中で障害者雇用を維持・確保する。 関係官庁（障害者職業生活センター等）との連携を強めて、適材適所に努める。 （執筆者：（社）鹿児島県障害者雇用促進協会雇用管理アドバイザー 山口兵衛） |
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