2005年度作成

事業所名

キヤノンファインテックス株式会社

所在地

茨城県水海道市

事業内容

電子写真技術及びインクジェット技術を核としたプリンタ関連事業

従業員数

1,534名

うち障害者数

19名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害	0
聴覚障害	4	プリンタテスト関連作業
肢体不自由	12	プリンタテスト関連作業
内部障害	2	プリンタテスト関連作業
知的障害	0
精神障害	1	事務系（軽作業）

目次

1. 事業所の概要
2. 障害者雇用の経緯と現況
3. 取り組みの内容
4. 今後の課題

事業所外観

1. 事業所の概要

（1）概要

　昭和28年12月に創立したキヤノンファインテックス株式会社は、電子写真技術およびインクジェット技術を核としたプリンタ関連事業を行っている。現在は、事務機器、事務機周辺機器を軸に、産業用プリンタ、化成品を加えた4事業を展開している。

　デジタル化、ネットワーク化に対応する技術力を駆使し、インクジェットのヘッド部分の内製化（従来関連会社で開発・生産していたが、産業用製品は堅牢性とスピードへの耐性が条件となるため、当社で賄うこととした）を基盤とした産業用プリンタ、インクジェットプリンタ用フォト光沢紙などの製品を提供している。
 

（2）職種

　生産部門、研究開発部門、事務部門、品質保証部門を設置している。生産部門、研究開発部門の業務内容は以下のとおり。
 

【生産部門】

　デジタル複写機をはじめ、ラベルプリンタ、カードプリンタを組立てている。受注から納入までをコンピュータ・システムで一貫管理し、効率的な生産体制で製品を生産、納入している。

【研究開発部門】

　高感度技術を追求するとともに、情報収集、市場調査を通じて、最先端技術を活かした製品開発に取り組んでいる。
 

研究開発部門

 

（3）教育研修

　新入社員全員を対象に、採用直後から受入れ教育と工場における生産実習を行っているが、障害のある社員に対しても、個別の能力を向上できるように、障害特性に応じOJTを中心とした教育研修を実施している。

　また、必要時には家族から情報収集を行い障害の理解に努めていることが、雇用の安定に結び付いている。

 

（4）福利厚生

　自宅から通勤困難な社員のために、独身寮を用意している。ただし、現在までのところ、障害者は利用していない。

　また、通勤面に関しては、近隣の駅から出勤・退勤時間に合わせ、バス送迎の配慮を行っている。

　さらに、納涼祭、ファミリーデー、バスツアー等のイベントを実施し、障害者と他の社員との積極的な交流の機会になっている。

2. 障害者雇用の経緯と現況

（1）障害者雇用の経緯

　当社が、平成15年キヤノンアプテック株式会社とコピア株式会社が合併し、現社名に変更したことをきっかけに、法定雇用率の達成を目標とし、障害者雇用の取り組みを本格的に始めた。
 

（2）障害者の雇用状況と配慮

表　障害者の雇用状況

視覚 聴覚・言語 肢体 内部 知的 精神 0（0） 1（0） 11（4） 1（1） 0（0） 0（0）

※（　）内は重度障害者

 

　障害者の雇用にあたっては、ハローワークから紹介を受け、トライアル雇用などを活用している。契約内容に関しては、残業を設けないなどの取り決めを設けている。

　また、身体障害への配慮として、事業所内に手摺やリフトを設置している。
 

（3）従事業務の内容

　主として、品質保証に係るチェックシートの作成管理、プリンタのテスト関連作業などに従事する生産部門において、技能職として配置している。なお、採用にあたっては、筆記試験や面接で決定するが、障害者について特別な選考基準は設定しておらず、社内状況等を勘案し採用している。

　なお社員が職務を遂行するにあたっては、事業所全体のセル生産体制に対応できるよう、作業標準としてモデル化したマニュアルを配備し、業務のマネジメントを担わせている。

　障害者に対しても一定の作業技能を求めており、業務の遂行にあたり、他従業員との区別は設けていない。
 

3. 取り組みの内容

聴覚障害者に対しては、手話や視覚的な指示により伝達するなど、従業員間の円滑なコミュニケーションを徹底している。

 

　また、身体障害者に対し、体力を要する作業については臨機に補助するなど、相互に声掛けができる雰囲気を築いている。

 

　事故対策については、作業スペースを十分に確保するなど環境面で安全化を図るほか、危険性の低い部署に配属している。
 

4. 今後の課題

障害者雇用に取り組んできた当社において、現在生産の7割が中国にシフトしていることから、障害者の雇用を確保できる職務の確保が課題となる。

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