2005年度作成

事業所名

ヤマザキナビスコ株式会社古河事業所

所在地

茨城県古河市

事業内容

菓子製造、菓子製造に係る先端技術開発

従業員数

1,000名

うち障害者数

16名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害	0
聴覚障害	2	仕込み作業としての形作り
肢体不自由	9	製品生地をオーブンに流す作業、オーブン火量調整
内部障害	1	製品生地をオーブンに流す作業
知的障害	4	製品生地をオーブンに流す作業、オーブン火量調整
精神障害	0

目次

1. 事業所の概要
2. 障害者雇用の経緯と現況
3. 取り組みの内容
4. 今後の展望と課題

1. 事業所の概要

　昭和45年10月に設立した古河事業所は、ヤマザキナビスコ株式会社の菓子生産拠点であり、先端技術の開発拠点ともなっている。一年を通して統一された生産を実現し、新製品開発に対しても常時取り組んでいる。

　当事業所では、製品ごとに第九課までのチームを組む製造課、商品ごとの各ライン、先端システムを担う工務課、原料チェックをはじめ全工程を管理する品質管理センター、市場ニーズを把握する開発研究室などのプロダクツサイクルに分かれている。

　また、当事業所では、地域開発や復興支援事業といった社会貢献を行っているほか、障害者雇用については手話講習などの活動を行っている。
 

 

 

2. 障害者雇用の経緯と現況

　古河市に進出以来、地元への貢献を常に念頭に、雇用の場の提供、雇用の継続を大きなテーマとして運営してきた当社において、障害者雇用は企業の社会的責任である認識が定着し、当初は従業員の中途障害者の継続雇用に取り組んでいたが、法定雇用率達成の目標を図るため、ハローワークや養護学校、福祉施設等の協力を受け、障害者雇用に本格的に取り組み、現在に至っている。
 

表　障害者の雇用状況（平成17年9月現在）

視覚 聴覚・言語 肢体 内部 知的 精神 0（0） 2（9） 9（0） 1（1） 4（0） 0（0）

※（　）内は重度障害者

3. 取り組みの内容

（1）募集・採用

　養護学校と定期的に相談を行い、学校の推薦により受け入れている。現在、定期的ではないが、事業所内の受け入れ体制、雇用率などを勘案しながら募集を行っている。

　採用の基準に関しては、他の従業員と同様の採用試験及び面接を実施しており、学校の教員に手話通訳として同席してもらうこともある。障害者について特別な選考基準は設定しておらず、社内状況等を勘案し採用している。
 

（2）配置

　障害者の配属に際しては、比較的小規模のチーム内でコミュニケーションを綿密にとることができるよう、同一のチーム内に複数人配置しないよう配慮を行っている。

　また、各部署内に相談役を選任し、日常的に相談を行っている。
 

（3）組織・労働条件

　職務再設計や組織の再編にあたっては、他の従業員と同様に対応している。また、賃金や労働時間等の条件、再雇用の基準に関しても一般従業員と同じ条件を設定している。

　福利厚生においては、通勤時間が長い、運転免許証を所持していない、といった条件のほか、自力で通勤することが困難社員に対して、社員寮を提供しており、現在2人が利用している。

　さらに、必要に応じて本人と家族、配属部署の上司、人事担当者で面接しているが、知的障害者の採用に際しては、配属する部署やコミュニケーションの状況、家庭の協力状況などについて、採用後も随時確認している。
 

（4）従事業務に対する配慮

　障害のある従業員が主として従事する製造部門では、単に成形するだけではなく、仕込みで練られた生地をオーブンで規定の型に流すための工夫が求められる。材料は日によって状態が異なるため、オーブンの火量を調整するほか、焼けあがるスピードや生地の当たり具合など調整することがある。

　また、製造過程での効率化を図るために助勤（季節要因等で受注量が大きく変動した場合に業務の平準化を図り、繁閑調整する）を実施しており、時期ごとに担当する製品を変更する。この際、障害のある従業員に対する指導には十分時間をかけ、比較的簡易な作業を設定するように配慮している。

　配属は障害の特性を考慮して行うが、物流関係のコンピュータ作業などについては他の従業員と同等の作業を設定している。また必要があれば、設備の改善を実施する。

　現在まで、手すりの設置や駐車場の階段の改善、階段に滑り止めの設置等を対応しており、また、聴覚障害に対しては小規模で工程が複雑でない部署へ配置するほか、既存の警報音に光による警報装置を併用している。
 

 

　能力開発・訓練については、他の従業員と同様に行うほか、各部署内にて個別に行っている。
 

 

　健康管理については、健康相談室に常駐している専任の看護師とともに産業医による相談を行い、定期にフォローする。特に長期療養が必要な場合には、部署内での対応について、助勤や派遣社員の受け入れ等の検討を行う。

　また、物理的環境面では、構内階段の手すり、専用駐車場や専用ロッカーなどを整備している。

4. 今後の展望と課題

　障害者雇用という社会的責任を果たすべく、今後も障害者雇用を推進する意向の当社において、全社的に障害者雇用についての社内風土の構築と、サポート体制の構築、特に生活面のフォローについて、寮の管理人の役割も重要となる。
 

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