事業所名

日本板硝子株式会社舞鶴事業所

所在地

京都府舞鶴市

事業内容

自動車用のガラス及び液晶用超薄型ガラスの製造

従業員数

651名

うち障害者数

8名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害	0
聴覚障害	0
肢体不自由	3	一般事務、製造現場での軽作業
内部障害	2	建物施設保全管理、製造現場での軽作業
知的障害	3	クリーニング作業
精神障害	0

目次

1. 事業所の概要
2. 障害者雇用の状況
3. 障害者雇用の経緯と職場開発
4. 取り組みによる効果

事業所外観

1. 事業所の概要

　日本板硝子株式会社舞鶴事業所は、舞鶴湾という大きな入江に面し、積出港から山間の盆地に続く67万平米の広大なプラント工場である。

　日本板硝子株式会社は、東京と大阪に本社があり、当事業所のほか千葉、京都、相模原、四日市、津、垂井に事業所を運営している。

　当事業所は、昭和27年に生産を開始し、現在では自動車用のガラス（フロントガラス、リアガラス、サイドガラス）と液晶用の超薄型ガラスを製造する総合ガラスメーカーである。当事業所で生産されたガラスは、自動車用ガラスについては国内の約20％強、液晶用超薄型板ガラスについては世界の50％強のシェアで使用されている。主要な生産設備はコンピュータで制御され、多様な製品の受注から出荷までをオンラインシステムによってコントロールしている。また、環境保全と省エネルギーには万全の体制がとられ、自然と調和した環境づくりが完備されている。

2. 障害者雇用の状況

　従業員総数（企業全体）　2700人

　　　　　　　当事業所　　 651人
 

うち4人は中途障害


職務内訳

　平成17年10月・11月に京都府立福知山高等技術専門校クリーニング科から企業内訓練（知的障害者対象コース）を受け入れている。

3. 障害者雇用の経緯と職場開発

（1）障害者雇用の経緯

　最初は昭和48年に中途障害で心臓機能障害1級を受障した現場職の社員に対して、職場復帰後は建物施設の保全管理を中心とした専門知識を要するデスクワークに配置換えし、平成3年には、下肢障害の社員を一般事務に配置換えした。(本人は平成15年に退職)

　その後、平成8年に心臓障害3級の人を現場の軽作業で雇用、平成14年に上肢機能障害2級の人をガラス製造現場のスタッフ作業に雇用し、障害者を徐々に雇用してきたが、依然、法定雇用率に達しない状況が続いた。
 

（2）職場開発

　障害者の雇用促進をかねてからの重要課題として取り組んできたが、職場は長大な設備が多く、またガラスを取り扱う職場が大半を占めるため、安全面への不安から積極的な採用に踏み切れない状況であった。

　しかし、「障害者の雇用は企業の社会的な責任である」との全社的な方針のもと、彼らの能力を活かすための新しい作業（職場）を開発することが決定された。

　当事業所においては、作業で使用する軍手や作業服などの洗濯を主な作業内容としたが、それまでハローワークからの依頼を受け、ジョブコーチ支援等を活用しながら知的障害者を受け入れていた経緯から、彼らは指導監督を受けることによって作業ができることを理解していたため、洗濯業務の担当者に彼らの監督指導者になってもらい、彼らが安全に働くことのできる洗濯場が雇用の場として設定した。この取り組みは平成16年9月にスタートした。
 

新たに創設した洗濯場

　洗濯場は、工場の一角に設置されている小さな平屋建てであり、作業に使用する軍手や作業服などの洗濯が主な作業であり、600人を超える従業員が使用する軍手の1日の洗濯量はかなりの数になる。

　これまで各職場で各々が洗濯していたものを引き受け、回収→洗濯→仕分→配達まで担当することで、職場での雑務が軽減された。また、新たに洗濯機や乾燥機を新設した。

　監督者のもとで、各パッキングケースに回収分・洗濯分・配達分の軍手をまとめて入れ、作業台でたたみと仕分け作業と窓際に干す作業が中心である。
 

目的別にパッキングケースを設置

軍手干し作業

軍手のたたみ作業

4. 取り組みによる効果

　洗濯場での作業において、配達を担当させることにより、知的障害のある社員が各配達先の部署でコミュニケーションをとり、挨拶もできるようになった。

　最初はスムースにいかない事もあったが、現在の社員はいちいち指示を受けなくとも自分で考えて作業に取り組んでいる。また安全の大切さも理解している。

　最初はこの先の運営に対する不安もあったが、監督者やジョブコーチ支援の活用、また本人の頑張りにより能力を発揮し、貴重な戦力として事業に貢献している。職場はまだまだ小さいが、当事業所には大きな一歩となった。