2005年度作成

事業所名

昭和電装株式会社

所在地

香川県高松市

事業内容

船舶用ならびに陸上の配電盤・分電盤等の設計・配線取付工事

従業員数

96名

うち障害者数

3名

障害	人数	従事業務
視覚障害	0
聴覚障害	1	配電盤配線作業
肢体不自由	0
内部障害	2	事務、部品製作等の軽作業
知的障害	0
精神障害	0

目次

1. 事業所の概要
2. 障害者雇用の経緯
3. 取り組みの内容
4. まとめ（今後の展望）

事業所外観

1. 事業所の概要

　昭和37年に高松市に設立した当社は、県内の三豊市（旧詫間町）と宮城県石巻市に営業所、東京都に事務所を運営し、船舶用ならびに陸上の配電盤・分電盤等の設計・配線取付工事を業務としている。
 

 

2. 障害者雇用の経緯

　障害者に仕事をする機会を与えること、また法定雇用率を達成することは企業の使命であるとの考えのもと、「障害も個性のひとつ、適した仕事はきっとある」という姿勢で、当社は障害者の雇用に積極的に取り組んできている。

　当社には在勤途中に受障した社員がいるが、当然のことながら仕事には熟達しているので若手社員を育てていくうえで重要な役割を果たしている。また、受障したことで、健常者・障害者の双方の視点から作業環境等を見ることができるため、作業環境の改善や新たに障害者を雇い入れる際のアドバイスを期待できるなど、非常に大切な存在となっている。

3.取り組みの内容

（1）柔軟な職場配置

　配電盤、分電盤への配線作業は非常に緻密かつ複雑なものであるが、職場配置を柔軟に対応することで障害の有無に関係なく、各人の能力に応じた仕事を割り当てている。

　初心者には配線作業の基礎となる配線のタグ管理などを通し、配電盤全体に関する作業までの全体像を見通すことができるようになっている。
 

 

（2）自社開発のソフトウェア、器材

　配線一本一本に取り付けるタグを簡単に作成できる器材を自社開発し、障害者や初心者でも取り組みやすくしている。

　併せて、配電盤の図面から各配線の必要な長さを割り出し、線をその長さに切断するソフトウェアを開発したことで、作業効率の向上に資するとともに障害者や初心者であっても誤りを最小限に抑えることができるようにした。
 

 

（3）健康面への配慮

　障害者についても健常者と同様、健康診断を受診させ、日常から体調管理など注意している。

　通院の必要が生じた場合などは、原則的には各人の有給休暇を利用するなどしてもらっているが、業務との兼ね合いも考慮しながら現場にて柔軟に対応している。
 

（4）職場のフォロー体制

　聴覚障害者へは伝達事項を現場の責任者が伝えるほか、周りの社員がフォローする体制をつくっている。

　健常者、障害者の区別なく業務を同等に行っている。社員は、割り当てられた職務に対し真摯に取り組んでいる。

　障害者の方が作業の上ではベテランということも多く、若手社員は技能を習得していくうえで彼らから様々な教えを請うことが多い。

 

4. まとめ（今後の展望）

　当社は障害も個性のひとつととらえ、個々の障害に応じて提供できる仕事は提供するという立場で障害者雇用を続けているが、この取り組みが雇用率達成といった企業の社会的責任を全うする結果となっている。

　かなり大型な船舶用の配電盤の内部に配線を行うことは非常に緻密かつ複雑であるため、障害の有無にかかわらず初心者が取り組むことは非常に無理がある。当社では配線の全体像を見据えたうえで、配線へのタグ付けや、自社開発ソフトによる線の必要長の割り出しおよび切断なども行うことができ、作業の導入部分におけるハードルを非常に低くすることに成功している。
 

 

 

　また、途中で受障した社員については、健常者・障害者双方の視点から作業環境等を見直すとともに、配線の取り回しなど健常者を上回る技術も有しているため、当社にとって欠くことのできない非常に大切な存在となっている。
 

 

　障害はハンディキャップととらえず、あくまでもひとつの個性であると考えることで、従事できる作業の幅も広がる。社会的自立のためにも仕事に対し厳しくかつ真摯に取り組むことで、彼ら自身の発展にもつながると考えている。現場の理解は必須ではあるが、適材適所を念頭に自然体での雇用を続けていく意向である。
 

 

 

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