2005年度作成

事業所名

カトーレックウエスト株式会社

所在地

香川県高松市

事業内容

デジタルカメラやカーナビの液晶基板その他電子部品の製造等

従業員数

360名

うち障害者数

8名

障害	人数	従事業務
視覚障害	0
聴覚障害	2	機械操作オペレーション、軽作業
肢体不自由	2	機械操作オペレーション、軽作業
内部障害	0
知的障害	4	運搬作業、軽作業
精神障害	0

目次

1. 事業所の概要
2. 障害者雇用の考え
3. 取り組みの内容
4. まとめ（今後の展望）

事業所外観

1. 事業所の概要

　瀬戸内海を舞台に、明治初期に機帆船による海運業を始まりとした 「加藤海運」が昭和36年、岡山の宇野と高松をつなぐ宇高国道フェリー株式会社の創業にともない、トラック輸送による陸運業務を担う「加藤陸運株式会社」を創業。その後、倉庫、宅配、美術品輸送をはじめ、電子部品の組み立て、SMT（表面実装技術） などエレクトロニクス事業へも業容を拡大し、海外にも工場を展開し企業フィールドを広げている。

　平成4年4月に、社名を現在のカトーレック株式会社（KATOLEC）と変更、またグループ会社の「福寿運輸株式会社」は、「カトーレックウエスト株式会社」に社名変更し現在に至る。

2. 障害者雇用の考え

　障害者であっても、障害の状況や特性に応じてそれぞれに適した職務があることを念頭に、障害者に対して幅広い門戸を開く当社は、重度障害者多数雇用事業所として、身体障害者及び知的障害者の雇用に取り組み続けている。

　また、当社は海外からの研修生なども多数受け入れており、国籍や文化、習慣の違いなどで差別や偏見をすることもない社風が築き上げられており、障害もそのような違いや個性のひとつとしてとらえている。

3.取り組みの内容

（1）柔軟な職場配置

　非常に多くの従業員が従事する職務は、数多いセクションやラインに分かれているため、個々の障害の状態、程度、事情等に応じ、幅広く適材適所に配置することが可能である。

　また、職務内容の多様さゆえ、単純作業から取り組むことも可能であり、技術を修得し能力の向上が見られる障害者に対して、その能力を発揮できるよう配置換えも行っている。
 

 

 

 

（2）作業施設を改善

　新工場建設時に社屋玄関にスロープと手すりを設けた。また、車いす対応のトイレを設備し、障害者が就労するうえでの門戸を広げている。

　基本的に個々の障害の程度等を考慮した職務配置を行っているため、細かな施設改善はあまり行っておらず、これまでに問題が生じたことはないが、状況に応じて操作パネルのボタン等を押しやすいものに変更するなどの改善は行っている。

 

 

（3）健康面への配慮

　社員全員に健康診断を受診させ、日常から体調管理など注意している。

　通院の必要が生じた場合などは、原則的には各人の有給休暇を利用するなどしてもらっているが、業務との兼ね合いも考慮しながら現場にて柔軟に対応している。
 

（4）職場のフォロー体制

　従業員の中には海外からの研修生も多数在籍しており、職場内には様々な文化や習慣が入り混じっている。そのため、そのような違いを差別したり偏見をもったりするという風土がもとから存在しなかった。

　障害もこのような違いのひとつに過ぎず、様々な人がいて当たり前という意識が従業員の間で根付いている。そのかわり障害を理由に職務上必要以上に優しく接することもなく、一人前の従業員として接している。

　知的障害者の中には突然大声を出すこともあるが、周囲の配慮もあり特に問題とはなっていない。

 

4. まとめ（今後の展望）

　当社で勤務する多種多様な従業員は、それぞれの文化や習慣を背景としお互いを尊重しながら職務を遂行しており、障害者も与えられた職務に積極的に取り組んでいる姿が見られる。

　また、比較的規模も大きく職種や職務が多岐に渡っている当社においては、製品の入った箱の運搬や配線の整理といった比較的単純な作業から、電子基板の組み立てや検査など、非常に複雑かつ技術を要する仕事まで設定できるため、個々の障害の状態等に応じて彼らに最も適した職務に配置することができる。さらに能力が向上した場合や不幸にして障害が進行した場合などは配置転換できることは、彼らの職場定着に対応においては非常に有効である。

　ただ単に部品を製造するだけでは不十分、何らかの付加価値を付けることで製品の評価を高めるのが今日の製造業界の動きである。当社もそのような流れの中、従業員の多様性を武器に、障害者雇用に対して今後とも様々な形で活躍できる場を積極的に提供していく意向を示している。

 

 

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