事業所名

昭南ハイテックス株式会社

所在地

宮崎県えびの市

事業内容

電子部品等製造業

従業員数

225名

うち障害者数

9名

障害	人数	従事業務
視覚障害	0
聴覚障害	2	検査工程補助作業
肢体不自由	5	テスト基板製作、外観検査、製造管理検査補助作業
内部障害	1	外観検査
知的障害	1	検査工程補助作業
精神障害	0

目次

1. 事業所の概要
2. 障害者雇用の経緯・背景
3. 障害者雇用の効果
4. 配慮事項
5. 福利厚生・健康管理等について
6. まとめ

事業所全景

代表取締役

1. 事業所の概要

　本社工場は、県庁所在地の宮崎市から約80キロの位置にある。昭和58年4月に設立し、電子部品・デバイス等の製造を手がけている。

　従業員は、平成17年6月現在、225人である。うち障害者数は9人、雇用率は6.67％と高率を維持している。障害者が働きやすい、明るい職場を目指した当社の取り組みは高く評価され、過去に宮崎県障害者雇用促進協会長・宮崎県知事・労働（現・厚生労働）大臣表彰を受章している。

2. 障害者雇用の経緯・背景

　障害者雇用については、公共職業安定所との連携のもと、積極的に取り組んできた。

　平成2年、公共職業安定所の紹介により下肢障害者1人を採用した。重度の障害があるにもかかわらず、健常者と変わらない作業能力を発揮したのを見て、当社の業務が障害者でも十分従事可能であることを認識し、積極的に障害者雇用を進めることとなった。その後、平成6年に、家庭内の日常生活活動も著しく制限される心臓機能障害者を雇用することになったが、本人の意欲とたゆまない努力により、製造ラインに欠かせない存在となっている。

　また、地域において、同業種の事業所が閉鎖されたことに伴い、平成10年に同社で雇用されていた障害者6人を受け入れた。その後も公共職業安定所からの雇用要請で、聴覚障害者を雇用する等、順次障害者の雇用拡大を図ってきている。
 

基盤製作の様子

3. 障害者雇用の効果

　障害者の数が増加したこと、また障害の種類も多岐にわたるため、平成8年に、障害者職場定着推進チームを設置した。工場長、障害者職業生活相談員、人事部長、障害者従業員で構成され、個別相談や教育訓練等において機能している。

　聴覚障害者とのコミュニケーションは、当初筆談であったが、手話相談員を配置したことにより、手話で意思の疎通が可能となった。周囲の従業員も簡単な手話を習得し、同じ検査工程補助作業仲間との交流が深まった。また、障害者が熱心に作業に取り組む姿は、周囲の従業員を刺激し、互いの能率向上に繋がるとして、雇用効果は十分果たされている。

4. 配慮事項

　9人の障害者のうち、8人は自家用車で通勤している。肢体不自由者向けの駐車場は、工場の出入り口に近い場所に用意している。知的障害者1人については、家族が毎日車で送迎している。障害者が安定した職業生活を送るためには、家族の協力が不可欠であり、送迎時を利用し、家族と連絡を取り合うことで、定着を図っている。

　また、肢体不自由者が従事する業務は、テスト基盤製作、外観検査、製造管理、検査補助作業であるが、各人にあわせた作業台等を配備し、作業効率を維持するべく、工夫している。

　そのほか、車いす利用者及び歩行困難な障害者に対しては、昼食時の混雑を避けるため、通常より早めに食堂に入るように呼びかける等、細かな配慮がなされている。

　また、障害者雇用助成金を活用し、作業を容易にするため車いす用のスロープ、2階の作業場に移動するためのエレベーターを設置する等、障害者の働きやすい職場づくりに努めている。

作業台を適宣調整している

5. 福利厚生・健康管理等について

　福利厚生として、全従業員が社会保険・労働保険に加入している。健康診断も毎年度実施し、これも全従業員が受診している。障害者については、自己においても健康管理に留意するとともに、配慮事項があれば申し出るよう、指導している。

　賃金は、障害者も同条件にて処遇されており、経験・能力に応じた評価がなされている。

食堂兼休憩室として活用している

6. まとめ

　当社では、障害部位や程度よりも、障害者のもつ能力や意欲に重点を置き、障害者雇用を進めてきた。結果、障害者の活躍できる職場であり、障害の有無に関係なく、従業員同士刺激し合う職場をつくってきた。

　障害者を受け入れのための創意工夫によって、障害者を多数雇用してきた経験を生かし、今後も障害者を雇用していくとのことで期待できる企業である。