事業所名

大浦株式会社

所在地

宮崎県都城市

事業内容

小売業

従業員数

335名

うち障害者数

9名

障害	人数	従事業務
視覚障害	0
聴覚障害	2	パン製造補助作業・電算課パソコン操作
肢体不自由	4	駐車券のチェック・商品の正札作業・販売員
内部障害	1	案内所
知的障害	2	商品の検査振り分け・搬送作業
精神障害	0

目次

1. 事業所の概要
2. 障害者雇用の経緯・背景
3. 障害状況に応じた職場配置
4. 労働条件等について
5. 今後の課題と展望

事業所外観

1. 事業所の概要

　当社は、昭和4年5月22日、大浦呉服店として創業。昭和31年10月8日、都城・北諸・曽於地区の唯一のデパートとして、都城大丸が開店。平成16年には近代的ニーズに合った店づくりを目指し本館のリニューアルを実施した。さらに新商業モールをオープンし、本館及び新モールの2館体制となり、常に都会型の新しいショッピングゾーンを目指すと同時に、衣・食・住に関する最新の情報発信をしている。

　企業理念として「お客様第一主義」を掲げ、従業員は、＜明るく＞＜楽しく＞＜美しく＞

を職場の基本として行動し、日々の業務に取り組んでいる。

2. 障害者雇用の経緯・背景

　障害者雇用に理解を示す当社初代社長の考えが代々受け継がれ、社内では、各職場に障害者の受け入れについて働きかけるとともに、求人や人材確保については、ハローワークと連携をとりながら、障害者雇用を進めてきた。また、職場配置や障害者への指導については、宮崎障害者職業センターのアドバイスを受けながら、障害者の職場定着を図ってきた。

　平成17年現在9人の障害者を雇用している当社は、過去、宮崎県障害者雇用促進協会長、宮崎県知事、平成13年度厚生労働大臣表彰を受賞した。

　障害者の雇用管理を担当する枝人事部長は、ハローワーク都城と連携をとりながら、今後も意欲的に障害者雇用に取り組みたいと述べる。

枝人事部長

3. 障害状況に応じた職場配置

　百貨店には多種多様な業務があり、障害の内容や程度により配置可能な職場は異なる。障害者本人と職場との調整を重ね、支援機関のアドバイスを受けながら、配置場所を決めている。
 

（1）聴覚障害者

　平成8年、ハローワーク都城の紹介で聴覚障害者を雇用した。聞き取りは困難だが、筆談や簡単な手話で周囲とコミュニケーションをとることができたため、サンドイッチ等を加工販売しているパン製造部門に配置した。
 

 

　また、平成14年に雇用した聴覚障害者は、口話が可能であり、顔を向かい合わせれば会話はできるため、電算課に配属しパソコン入力で力量を発揮している。
 

（2）下肢障害者

　平成10年に、ハローワークの紹介で下肢障害者2人を雇用した。立位作業は負担が大きいため、座位で作業可能な職場に配置した。1人は買い物客専用の駐車場出入り口にて駐車券のチェックをする駐車場管理人として配置し、もう1人は商品管理課に配置し、正札作成という重要な作業を担当している。
 

緊張しながら正札作成に励む

　また、平成13年にも下肢障害者を1人雇用した。障害は軽度であり、本人との相談の上、キッチン・インテリアコ－ナ－に配属した。平成17年に雇用した下肢障害者は、地階の惣菜製造部に配属した。
 

（3）知的障害者

　平成14年、15年に重度の知的障害者を雇用し、検品商品運搬担当として商品管理課に配属した。商品の入荷時に検査・値付けし、売り場ごとに振り分けした品物を、現場に搬送する作業を担当している。

　配属当初、売り場や顧客から商品を手荒に扱い破損する等のトラブルが多く、売り場からの苦情や顧客からの投書があったので、業務遂行援助者を配置し、確実・安全に作業できるよう個別に指導している。
 

検品商品運搬

（4）内部障害者

　平成16年に心臓機能障害者を雇用した。1階案内所に配属しているが、その職責を十分果たしている。

4. 労働条件等について

（1）正社員の勤務時間は、基本的に9時40分から18時35分まで、その間休憩60分である。また、規模や状況に応じシフト制を設けている（10時25分～19時30分・休憩60分）。なお、パートは採用面接の際、本人の希望を汲んで時間設定を行う（例10：00～18：00、9：00～17：00・いずれも休憩60分）。

（2）賃金は、経験・能力に応じて格付けしている。障害者も同条件を設定している。

（3）休日は年間104日であり、一月あたり8～9日の休日がある。

（4）福利厚生として、従業員全員が社会保険、雇用保険に加入している。また、毎年健康診断を実施し、全従業員が受診している。

5. 今後の課題と展望

　障害者雇用については、「障害者も健常者もそれぞれ役割を担い共に生きる」という理念のもと、積極的に取り組んでいる。当社の企業理念の一つでもある＜明るさ＞が発揮された職場づくりのために、障害者の採用・職場配置についても細心の配慮をもって取り組んでいる。

　今後の障害者雇用については、従来どおり求人をオープン化することにより、随時適材を雇用していく考えである。知的障害者の雇用については課題もあるが、①受け入れ時の指導、②きめ細かな個別指導、③家庭との緊密な連絡に重点を置き、取り組む意向である。