2006年度作成

事業所名 :

昇光家具

所在地 :

福井県あわら市

事業内容 :

家具製造業

従業員数 :

20名

うち障害者数:

7名

障害	人数	従事業務
視覚障害	0
聴覚障害	1	木材断裁機械の操作
肢体不自由	0
内部障害	0
知的障害	5	軽度：NC複合マシーンによる木材のカット、縁取り等 重度：工場内清掃、材料・木材・製品等の整理
精神障害	1	縁取り等

目次

1. 事業所の概要
2. 障害者雇用の経緯、理念
3. 取り組みの内容
4. 今後の展望等

1. 事業所の概要

　平成14年9月、個人事業・注文家具専門業者として当社を設立。家具販売会社、家具製造会社等受注先からの設計図に基づき注文に応じた組み立て家具、耐震構造付の家具製造を主な業務としている。

2. 障害者雇用の経緯、理念

（1）経緯

　創業にあたり度々出向いて経営についての相談、工場内の見学をしていた、知人の木工所が障害者を雇用していることを知った。当初は、「作業ができるのか」と思っていたが、何度か彼らの働く姿や態度を目にしているうちに、「きちんと作業ができる」と思うようになっていった。
　ハローワークに求人募集している時、近隣にある障害者通勤寮施設（霞ヶ丘学園）から知的障害者等の職務試行法や職場実習を含む雇用についての相談があり、知人の木工所で働く彼らの姿を思い浮かべ、障害者の雇用に取り組んだ。
　平成14年にはハローワーク三国からの紹介等により知的障害者6名、平成15年に精神障害者1名、また平成16年に聴覚障害者1名を雇用し、ハローワークの担当官や障害者雇用相談員との連携により職場定着に努めている。平成17年には知的障害者1名が自己都合で退職となり現在は7名の障害者が働いている。

（2）理念

　障害者を特別扱いせず、あくまでも個性を持った一人の人間、労働者として尊重し、働く・働ける楽しさ喜びを与え、自分も社会の一員として役に立っていると実感させたいことを理念としている。

3. 取り組みの内容

（1）募集・採用

　募集・採用については、全てハローワークとの関わりを持っており、障害者雇用事業主の立場として連携を密にしていることから、適切な障害者の職業紹介を受けることが多く、その場合、事情が許す限り雇用してきたが、今後もその方向で考えている。

（2）障害者の業務・職場配置

1）軽度知的障害者
　第1種作業施設設置等助成金を活用して設置したNC複合マシーンにより、木材のカット、縁取り等の作業に従事している。
　NC複合マシーンに材料を乗せ、出てきた製品を受け取り積み上げるといった単純な作業ではあるが、ノコ刃も付いているので、①安全カバー等は付いているか、②作業位置は適切か、③作業姿勢は適正か、について指差呼称による安全点検を毎朝、毎回点検指導を行っている。

2）重度の知的障害者
　彼らには必ず健常者が傍について、材料、木材、製品等の整理、梱包前の作業、工場内の清掃等の作業に従事している。
　また、1つの作業に長時間取り組むことが苦手であるほか、障害者同士トラブルを生じたり突発的な行動を起こすことがあったので、同じ作業場所で彼らが複数作業しないよう、常に配慮している。

（3）職場環境

　当社の社員は平均年齢が高く、彼らに対して自分の子供のように接している。また、忘・新年会等レクリェーションを通じてコミュニケーションを図るなど、彼らが孤立することがないよう配慮している。
　当社は公共交通機関の便が悪い地域にあり、自力通勤が困難な障害者がいることから、重度障害者等通勤対策助成金を活用して通勤用バスを購入、通勤に際しての安全と利便性を図り送迎を行っている。

（4）社内の支援体制

　彼らの職業生活全般においての相談や指導等を行うため、障害者職業生活相談員1名を選任配置するととともに、障害者職場定着推進チームを設置している。
　また、社内に職業コンサルタントを配置し、職場適応や職業能力の開発向上、また職場や自宅における福祉の増進など、職業生活の充実を図るための相談、指導を行い、彼らが職業人として自立することを援助している。

（5）生活指導と健康・安全管理

　彼らの勤務状況や健康状態など、微妙な変化にも気を配り、変化があれば施設や家族に連絡を取り早めに対処するといった協力体制を取っている。中には50歳を過ぎた人もいるので、精神面、体調面において微細な変化も見過ごさないようしている。
　また、安全面では、機械のローラー等に着衣が巻き込まれないよう常日頃から身なりのチェックを実施している。

4. 今後の展望等

　彼らを雇用することによって、社会貢献ができることはもとより、雇う側、従業員ともに障害に対する理解を深めることができた。
　今後の展望について、これまでは、障害者雇用助成金を活用し機械を購入するなど、彼らが働きやすい職場環境を整えることや、送迎用バスを購入し通勤の便宜を図ることができたが、これからも彼らの労働意欲や技術の向上や、新しい機械の購入による障害者の職域拡大、彼らに配慮した施設・設備など作業環境の整備を図るとともに、障害者雇用に関する各支援機関との緊密な連携のもと、“障害者の働く・働ける楽しさ喜びを分かち合える”事業所を目指す意向である。

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