事業所名

有限会社コアラクリーニング

所在地

秋田県秋田市

事業内容

一般クリーニング、業務用クリーニング（貸おしぼり等）、紙おしぼり製造

従業員数

30名

うち障害者数

2名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害	0
聴覚障害	0
肢体不自由	0
内部障害	0
知的障害	2	おしぼり製造作業
精神障害	0

目次

1. 事業所の概要、障害者雇用の経緯
2. 取り組みの内容（就労支援機関との連携）
3. 今後の課題・展望

事業所外観

1. 事業所の概要、障害者雇用の経緯

（1）事業所の概要

　大手事業所の子会社として昭和48年に設立した当社は、今年で33年目となるが、現社長の父親である初代社長が設立当初から最近まで経営に携わってきた。
　事業内容は、一般クリーニング、一般ホテルからの業務用クリーニング（作業衣、白衣）、おしぼり製造等である。作業においては次亜塩素酸ソーダといった、取扱いに注意を要する薬品の使用の際には、周囲に危険が及ばないよう常に指示している。日常の作業において、このような注意など、社員一人一人が自然に声かけを行っており、障害者が安全で安心して働ける環境が構築されている。
　職場内に入ると社員から「ご苦労様です」「こんにちは」と挨拶のことばがかけられ、家庭的な雰囲気を醸し出している事業所である。
 

（2）障害者雇用の経緯

　従来から取り組んでいた知的障害者雇用については、景気の低迷等による受注の減少の影響などで、雇用していた障害者が退職した後は採用を見合わせていた時期もあったが、状況がある程度改善し、ハローワーク並びに障害者就業・生活支援センター（以下「支援センター」という。）の双方から知的障害者の雇用経験を踏まえて雇用に対する働きかけを受けたことをきっかけに、少しでも社会貢献につながればとあらためて受入れを決意した。現在は2人の知的障害者を雇用している。
 

おしぼり製造作業

2. 取り組みの内容（就労支援機関との連携）

（1）職場実習における作業指導

　障害者職業センターの職業準備訓練、また支援センターから社会生活に必要な指導を受けている2人をハローワークからの紹介で雇用するにあたっては、支援センターの職場実習システムを利用し、雇用前に実習を行うことで判断することとした。
　実習期間は5日間で、作業内容は雇用後予定しているおしぼり製造作業を中心に設定した。洗濯後の濡れたおしぼりを二つ折りにたたんでベルトコンベア部分に置く作業は単純動作である分、作業効率をあげるため無駄な動作を省き、集中して作業を行うことに重点を置いた。
　作業動作に関しては、障害者職業カウンセラーから助言を受け、現場の従業員が付き添い練習を行った。最初は焦りからうまく二つ折りにできないことがあったため、ゆっくりと工程を理解させながら慣れさせてゆき、コツを掴ませた結果、徐々にスピードアップが図られていった。
　また、おしぼりの汚れやゴミの確認は欠かせず、包装されたおしぼりの中にゴミが混じっていた場合の対応には、現場で実物を示しながら説明を行った。
　職場実習においては、2人とも障害者職業センターの職業準備訓練で習得したことが作業に活かされていたほか、障害者職業センターから相談・助言を受けたこともあり、評価は高く2人とも採用することとした。
 

（2）職場定着のための取り組み

　採用はゴールではなく職業生活のスタートであるため、採用後も支援センターと連携を取り合い職業生活全般についての支援を継続して受けている。
　なお、職場定着を図るうえでは職場の協力も不可欠であり、社長はじめ工場長、現場の従業員が全面的に協力し合いながら、職業面だけでなく生活面に関しても相談に乗ってアドバイスをするほか、問題が生じた場合は直ぐに支援機関と連絡を取り合える関係を構築している。
 

3. 今後の課題・展望

　主に飲食店で利用されているおしぼりの受注量は、曜日や年末年始・お盆・行楽シーズンといった季節行事、また意外と会社の給料日等によって変動するため、作業効率を高めるためのローテーションについて検討中である。
　現在雇用している2人は、おしぼり製造作業を中心に任せているが、今後は作業の習熟に伴い、他の工程も行えるよう作業の幅を広げていき、職業人としての自信の形成を促していきたいと考えている。