障害者が対応できる仕事を考慮し職域拡大を進める特例子会社
- 事業所名
- 株式会社西友サービス(株式会社西友の特例子会社)
- 所在地
- 埼玉県川越市
- 事業内容
- 鶏肉盛付作業、POP広告等製作、印刷・製本、クリーニング、抗菌ふきん製造、メール仕分け、用度品ピッキング、給与・社会保険等の人事関連事務全般、マッサージ、社内の人事、総務関係全般事務
- 従業員数
- 97名
- うち障害者数
- 64名
障害 人数 従事業務 視覚障害 1 ヘルスキーパー 聴覚障害 5 事務代行(2)、広告(2)、クリーニング(1) 肢体不自由 11 事務代行(9)、広告(1)、管理(1) 内部障害 3 事務代行(2)、仕分け(1) 知的障害 43 鶏肉の盛付(19)、クリーニング(10)、広告(2)、仕分け(9)、ピッキング(3) 精神障害 1 クリーニング - 目次
1. 事業所設立の経緯・理念
当社は真のノーマライゼーションを目指し、株式会社西友の100%出資によって設立された特例子会社である。障害のある人とない人とが協力し合える職場環境を整備し、積極的な業務を展開し、個人の自立とともに企業としての自立も実現すべく、できることを少しずつ、かつ積極的な事業展開をしていく方針である。特例子会社として自ら障害者雇用を推進するとともに、グループとして障害者雇用の安定化を目指す。
(1)設立の経緯
平成4年1月(国連障害者の10年の最終年度)に障害者雇用率未達成企業名公表や障害者雇用率達成等の指導強化を機に、(旧)株式会社西友フーズの生鮮事業業種では、職場環境問題と事務所、また後方部門での雇用に限界があることから、川越食品流通センターの新稼動に伴い、障害者雇用の推進と法定遵守を目的として、特例子会社を設立した。
平成13年3月、西友グループでも当時あった企業の3/4を整理することになり、親会社であった(旧)株式会社西友フーズも株式会社西友に統合されることになり、先の親会社(株式会社西友フーズ)の認定取り消しを受けた後、新規の親会社である株式会社西友の認定を次の日から受けられるという対応であった。
設立時に採用した社員10名のうち身体障害・知的障害の構成割合は1:1でスタートした。
事業について、当初は親会社がやっている仕事のうち、もっとも彼らに適した仕事として畜産部門から手作業で行う「鶏肉のパック詰め作業」からスタートした。つまり親会社からの仕事の一部を分けてもらうことから始まった。
その後、事業拡大として、親会社が他業者に委託していたような西友グループで取り扱っていない印刷とクリーニングの事業を自主的に開発し展開した。
(2)事業所の方針・理念
1)経営方針
~障害を持つ人の職業的・社会的自立と会社としての自立を目指す~

2)障害者雇用の理念
①働くこと人の役に立つこと目的達成の喜びを実感
②報酬を受けることにより経済的自立の達成
③責任を負うことにより精神的自立の達成
④頭で考え手足を動かすことによるリハビリテーション効果
2. 事業内容と障害者の勤務状況
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(1)畜産PC(プロセッシングセンター)部門(鶏肉の盛付作業を行う)


(2)広告制作部門(POP広告・印刷製本)
主に首都圏の西友グループ約200店舗を対象にPOPの製作や商品情報、棚割指示書などの印刷を行っている。
印刷製本機においては、操作パネルの角度を変え、車いすの方でも手が届くように配慮されている。

(3)クリーニング部門
1)制服のクリーニング


2)抗菌ふきんの製造

(4)仕分管理部門
1)文書メール物の仕分け


2)用度品類のピックアップ


(5)事務代行部門(給与社会保険等の人事関連事務全般を行う)


(6)健康管理部門(川越センター勤務対象者へのマッサージを行う)

(7)管理部門(社内の人事・総務・経理関係全般事務を行う)

3. 取り組みの内容
(1)設備面の職場環境作り
社員の通用口にスロープや点字ブロックをはじめ、手すりや車いす用のトイレなどを完備し、バリアフリーの実現に努めている。なお、当社の通路の幅は通常よりも広く設定している。
(2)運営面の職場環境作り
設備面の職場環境にとどまらず、すべての社員が前向きな意欲を持続しながらいつでも活き活き働けるようにハード・ソフトの両面からよりよい環境作りをしている。
1)精神的環境整備
無意識の差別や偏見を徹底的に排除している。
2)職能開発
一人ひとりの適材を考慮し、専門性の高い人材を育成している。
3)相互協力
障害のある人もない人も、自分でできることを通してお互いに助けあう。
(3)作業環境
当社では、殆どの場合、入社前に実習期間(2週間ほど)を設け、実際の業務に従事してもらう方法を採ることによって、その人の能力・適性・体調管理などを把握するとともに、本人にとっては職場をより深く知ることにより就職判断に役立てている。
(4)作業管理
障害者の自立という理念の実現を目指して、それぞれの責任者が部門を率いて、個々にカウンセリングを担当している。基本的な生活態度の習得から、事業所の組織や経営環境まで障害の種類と程度に応じて話し合いを持ち、社員一人ひとりの課題や心身の状態把握に努めている。知的障害者については、毎年家族との面談を実施している。
4. 今後の課題
10名の社員からスタートして以来、事業規模を拡大し、現在95名まで雇用を拡大してきた。彼らが対応できる仕事を考えながら職域拡大を図り雇用を進めてきた結果である。
今後の課題としては、加齢により能力低下に対する課題の対応が必要であり、更なる新規職域拡大に取り組んでいく意向である。
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