2006年度作成

事業所名

株式会社千葉データセンター（東洋エンジニアリング株式会社の特例子会社）

所在地

千葉県千葉市

事業内容

Webサイト／ネットワークの構築・保守及びコンサルティング、デジタルコンテンツのデザインおよび制作、システム開発、データエントリー及びメディア変換業務、印刷・文書作成

従業員数

16名

うち障害者数

10名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害	0
聴覚障害	1	電子化データの作成
肢体不自由	8	電子化データの作成(5)、印刷製版(3)
内部障害	1	ネットワークの構築、システム開発
知的障害	0
精神障害	0

目次

1. 事業所の概要
2. 障害者雇用状況
3. 取り組みの内容（採用・能力開発、その他雇用管理）
4. 取り組みの内容（設備面）
5. 今後の課題

1. 事業所の概要

（1）設立の背景

　昭和56年の国際障害者年に策定された「障害者対策に関する長期計画」により、厚生労働省は、昭和58年度から地方公共団体と民間企業との共同出資による「第三セクター方式による重度障害者雇用企業育成事業実施指針」を策定し、昭和60年度における本事業の実施県として「千葉県」を指定した。
　千葉県は、同年7月に「重度障害者雇用推進研究委員会」を設置し、第三セクター企業の設立・育成マスターを策定し、昭和61年度を初年度とする「ふるさと千葉5ヵ年計画」において、昭和62年度を目標に第三セクター方式による重度障害者多数雇用モデル企業の設置を決定した。
 

（2）設立の経緯と現況

　昭和63年4月27日、千葉県における重度障害者多数雇用のモデル企業として、千葉県・千葉市及び日本の代表的なエンジニアリング企業である東洋エンジニアリング株式会社（TEC）などの共同出資により、第三セクター企業の当社が設立し、平成元年4月に開業、肢体不自由のある従業員を中心に雇用した。
　開業当初から、全業務においてユーザーの情報をデジタル化とするコンサルティングに取り組み、これまで多くの実績を上げている当社の業務への取り組みと未来への展望は、常にノーマライゼーションの理念と深く結びついており、技術・サービスの提供にとどまらず、優秀な能力を持つ障害者雇用と社会貢献の機会の更なる拡大に取り組んでいる。
　当社は、紙媒体の情報を効率よく経済的に電子化することに重点を置き、より多くのユーザーの手助けを担っている。
　従業員は相当高度な技術を持っていて、高品質な電子データの作成を実現しており、その結果、顧客からの信頼度が高く、きめ細かい事前打ち合わせを入念に行うなどにより、各種方面から長期的な仕事の依頼を受けている。
 

（3）障害者の配置状況

　データエントリー部門　　　6名(重度障害者）
　印刷・製版部門　　　　　　3名(重度障害者）
　ITソリューション部門　　1名(重度障害者）

 

2. 障害者雇用状況

　設立以来、障害のある従業員の配置や職場適応のためのノウハウが蓄積されており、それぞれの障害に配慮した配置が行われている。健康上の問題等で離職する従業員はいるが、仕事上のトラブル等での離職はほとんど見られない。
　勤務時間は9時から17時30分まで。昼休みは12時から13時までの1時間。実働は7時間30分であるが、障害のある従業員は、各自の体調に合わせ、適宜休息を取っている。なお、データエントリー部門はVDT業務として1時間毎に10分の休憩を設けている。
 

3. 取り組みの内容（採用・能力開発、その他雇用管理）

（1）募集・採用

　設立当初から、ハローワークを通して募集・採用を行っている。現在は募集を定期的に行っている。毎年1人は新規に障害者を採用している。
 

（2）能力開発

　当初は従業員間の能力の較差をなくすため、様々な教育を行っていたが、現在は、先輩の障害のある従業員が経験を活かし、新入社員等への指導をOJTにより行っている。
　なお現在は、求人募集は職種別に行い、その職種に対応できる障害者を採用しており、能力の較差は殆ど見られない。
　またデータエントリー部門においては自己学習を主体とし、必要なパソコン教材を準備している。
 

（3）職務の再開発・組織の再編成

　IT部門は、ソフトを作る業務とシステム開発業務を行ってきたが、近年、ホームページ作成業務が増加している。なお、IT部門の業務遂行力の強化のため、定期的に求人を募集しているが、人材難により採用は思うように進まないのが現状である。
また、印刷・製版部門は、従来の紙の印刷物だけでなく、電子媒体による出版物制作へと業務拡大を進めている。
 

（4）定年・再雇用制度

　定年は60歳であるが、基本的には仕事ができる人は1年更新で再雇用する制度を設けている。現在のところは定年退職者は出ていない。
 

（5）健康管理・安全衛生

　健康診断は年1回、例年10月に実施しているが、障害のある従業員が殆どなので、健康管理や安全衛生には常日頃から注意を払い、疾病によっては、病院、親等と連携し対処している。
　また、殆どの社員がマイカー通勤であり、通勤災害等の発生がないように体調と併せて安全の管理にも心がけている。
 

4. 取り組みの内容（設備面）

（1）トイレ・シャワー室

　8ケ所のトイレのうち5ケ所は車いす対応であり、福祉のまちづくり条例で定められた一定の基準以上の寸法で設計されている。洗面所も車いす対応であり、広く使いやすいものになっている。
　また、トイレ内で事故が起きた際に外部に知らせるシステム（警報機）を設置しており、事務室でも受信できる。
　トイレの近くにはシャワー室を備えている。シャワー室には座っても柔らかく違和感のない素材で床から50cmほど高い台を設置している。

（2）駐車場

　乗降の時に雨にぬれないよう、当社設立後に第1種作業施設設置等助成金を活用し、屋根を取り付けた。
 

（3）避難設備

2階で勤務している車いす利用者が、災害時に避難できるよう、滑り台を設置。
 

（4）食堂・休憩室・給湯室

　1階の和室は、食堂兼休憩室として使用している。床は車いすから下り易い高さになっている。給湯設備は安全性を重視し電気式としている。
 

（5）エレベーター

　障害のある従業員が勤務する2階建ての社屋にエレベーターを設置。障害のある従業員が操作しやすいようスイッチは低い位置に設けている。
 

（6）スロープ

事務所の出入り口付近はスロープを設置。
 

（7）社用車の改造

障害のある従業員が、打ち合わせなど外勤の際に利用できるよう改造している。
 

（8）その他

　電気スイッチは、車いすに応じ低い位置に設置。
　ドアーの引き手は、障害があっても使いやすい形状で使いやすい位置に設けている。
 

5. 今後の課題

　事業の業績について、近年の推移では、毎年の売り上げは下がって来ているが、利益状況は横ばいである。株式会社として、安定した注文や受注をいかに確保するかを重要課題としている。
　また、継続雇用については、若者の定着率が悪く、現在は初期に雇用した人が定着しており、改善のための取り組みが必要とされている。

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