事業所名

株式会社テクマ

所在地

岐阜県可児市

事業内容

輸送用機械器具製造業

従業員数

1，148名

うち障害者数

11名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害	0
聴覚障害	3	製造、生産管理・物流
肢体不自由	6	生産管理事務、送迎運転、製造、出荷
内部障害	0
知的障害	2	事務補助、製造ライン段取り
精神障害	0

目次

1. 事業所の概要
2. 障害者雇用の経緯と現況
3. 取り組みの内容
4. 今後の課題・方針

写真左・右上：本社工場、写真右下：三重県東員工場

1. 事業所の概要

　当社は、デンソーグループの一員として、本社工場のほか、三重県員弁郡に東員工場と、アメリカ（バージニア州）に工場を設立し、2輪車や農建機、トラック等用のメーターとその回路基板、センサ用の小型回路基板、ECU用の回路基板等への電子部品、自動車用ワイヤ等を製造し、お客に安心して使える自動車用部品の製造を通じて社会に貢献することを目指している。
　1988年創設以来、従業員の総智・総力を結集して品質向上、製造体質強化などに取り組み、信頼されるものづくりに努めた結果、生産品目が拡大し、順調に成長してきた。
　特に高品質の徹底追求と、変化に柔軟に対応できる生産体制の構築、総智・総力を生かす職場としての力の向上に取り組んでいる。
　人はかけがえのない財産であり、仕事を通じて個人が成長することは、事業所にとっても、社会にとっても大切なことであるため、当社では教育・研修に力を注いで従業員一人ひとりの成長を目指している。
　また「環境保全活動」も企業の責任と考え、全社一丸となって取り組んでいる。特に省エネルギーの推進、廃棄物の低減、省資源活動は、各職場から集まったメンバーで分科会をつくり活動している。
　2006年10月現在で、1，148人の従業員数のうち障害者は9人で、実雇用率は1．86％である。

2. 障害者雇用の経緯と現況

（1）経緯

　創立以来、障害者雇用率は法定率を上回ってきたが、2004年に初めて僅かながら法定雇用率を下回り、障害者雇用納付金を納めることになり、当社の規模から社会貢献として障害者雇用の積極的な活動が必要と判断し、社会貢献、企業イメージ向上の一環として「最低限、法定雇用率を確保する」を前提に、通勤を含めた安全管理や効率性等を考慮しながら受け入れ部署に理解と協力を求めながら積極的な障害者雇用に取り組んでいる。
　求人活動としては、ハローワークに相談することはもとより、現在は養護学校のインターンシップの受け入れを積極的に推進している。
　これらの地道な求人活動により、2006年度の障害者雇用率は、1．86％を達成した。
 

（2）障害者雇用の状況

　障害のある従業員11人の雇用形態は、正社員が3人、パートが6人である。彼らの配置については適性を見極めた上で行っている。
1）事務系部門（総務部）
　①事務の補助作業、②社員の送迎バス運転業務

2）製造部門
　①製造業務、②製造ライン段取り業務、③生産管理業務
 

製造ラインにおける作業

3. 取り組みの内容

（1）職場配置

　障害の内容・程度・経験等によって、適材適所による配置を行っている。
　障害のある従業員は、各自自分に合った職務に取り組むことにより、みな生き生きとしている。

（2）世話係制度

　特に重度の知的障害のある従業員に対しては、安全面を最重点課題として、彼らへの補助者（世話係）を配置し対応している。
　この「世話係制度」は、従来は障害のある従業員のために設けた制度ではなく、採用当初の3ヶ月間において、新入社員1人に対し1人の世話係を配置し、作業遂行や身辺の対応などに対する指導やケアを行う目的で発足したが、1対1で対応することにより、細部にわたっての配慮ができ、職場に順応するまでの不安が軽減される効果が見られるとともに、世話係自身にも責任感を持たせることができることから、障害のある従業員にも適用することとした。

（3）手話勉強会

　当社が雇用している聴覚に障害のある従業員3人は、全員重度の障害がある。彼らを配置した部署においては、他の従業員が自発的に簡単な手話を勉強し、彼らとコミュニケーションを図っている。
　ある聴覚障害のある従業員の入社時には、職場の仲間が前もって手話を覚え、挨拶や自己紹介を行った。

（4）障害の理解

　当社では、年1回、「オータムフェスタ」として、ゲームやバーベキュー大会、福引きなどを行っているが、障害のある従業員にもはたらきかけ、全員参加することにより職場の親睦を図っている。
　これらの取り組みにより、職場内に障害に対する理解と配慮の意識が進み、聴覚障害のある従業員に対する説明においても、手話に加えて筆談や身振り手振りを交えて、スムーズに行われている。

4. 今後の課題・方針

（1）障害者雇用率の向上

　障害者雇用率の向上を目指し、ここ数年障害者雇用に積極的に取り組んできたが、今後も、現在の障害者雇用率1．86％に満足せず、「デンソーグループ」の一員として、2．4％を目指し取り組む意向である。
 

（2）関係機関との連携の強化

　継続的な雇用を確保するために、養護学校との連携（インターンシップの積極的な受け入れ）や、ハローワークや障害者支援機関等との連携を深めていく。
 

（3）職場環境の改善

　当社の作業現場は主に2階であるが、身体障害者（特に下肢機能障害）にも働きやすい職場環境の改善についても検討する必要がある。
 

（4）「世話係制度」の充実

　2005年に、従業員社員1名が、障害者職業生活相談員資格認定講習を受講した。今後はこれをきっかけに、障害者相談窓口のような担当を設けることで、「世話係制度」を強化し、障害のある従業員の仕事や生活面について相談に対応し、サポートを進めていく意向である。