事業所名

京葉ガス株式会社

所在地

千葉県市川市

事業内容

ガスの製造と供給、ガス工事の施工、ガス消費機器の販売及びガス冷暖房設備の設計と施工等

従業員数

1，005名

うち障害者数

18名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害	1	社内施設管理
聴覚障害	4	情報管理、パソコン入力作業
肢体不自由	6	コールセンター業務、保安関連、営業
内部障害	7	社内報作成、コールセンター業務、営業
知的障害	0
精神障害	0

目次

1. 障害者雇用の経緯
2. 取り組みの内容
3. 取り組みの効果
4. 今後の課題・展望

事業所外観

1.障害者雇用の経緯

　障害者雇用は、公的事業者としての社会的責任であることを深く認識して、平成11年以降、雇用率2％を目標とし、公共職業安定所、障害者合同面接会を通して積極的に採用に努力してきた。
また、雇用後に傷病等により受障した中途障害者の業務上の支援・フォロー体制にも力を入れ、障害者・健常者が共に働きやすい環境づくりを目指してきた。これらの努力の結果、平成19年10月1日現在で障害者雇用率は2．49％に向上している。

2.取り組みの内容

　基本的には「障害者」という概念に囚われることなく、まずは一人ひとりの特性を見極め、適正な分野で健常者と同様に働いてもらうことにより、彼らのやりがい、自信に繋げ、ひいては活気ある職場を醸成している。

（1）募集及び採用

　当初は紹介を受けるなどにより実施してきたが、昭和56年6月から公共職業安定所を通しての採用を行っている。近年は、千葉県の障害者合同面接会を通して採用した社員も多くなっている。

（2）配置・定着・職場適応

　視覚障害者は社内施設管理等、聴力障害者は情報管理・パソコン入力作業等、肢体障害者はコールセンター業務・保安関連業務・営業等、内部障害者は社内報作成・コールセンター業務・営業等を担当している。
職場適応と定着については、採用前に実際の職場・仕事風景、またその職場で働く社員の話を聞く機会を設けることにより、入社前と後のギャップをなくして職場適応を図っているので、定着率は高く、採用後3年以内の離職者はゼロ、5年以内では1名である。

仕事風景（本社支援部門）

仕事風景（コールセンター）

仕事風景（保安司令室）

（3）能力開発（重度中途障害者等職場適応助成金の活用）

　OJTを基本として能力を身に付けさせているが、さらに能力アップを必要とする場合は当社の教育支援制度を活用できることにしている。
また、中途障害である重度の視覚障害のある社員については、視覚障害者用のパソコン操作に関する講習を、受講代を当社で負担し受講してもらった。

（4）職務の再開発・組織の再編

　障害者の職域拡大を図るため、通常の業務の中から彼らが無理なくできる業務を選別し、それを担当してもらうようにしている。したがって、社内の様々な部署において、障害者と健常者が机を並べて一緒に業務にあたっている。

（5）労働時間等の労働条件

　障害者の収入と雇用の安定を図るために、給与体系を時給制から月給制に、また、雇用契約を1年毎の更新から期間を定めない60歳の定年制、以降は再雇用制とする等、処遇の改善を実施し、職場定着に努めている。
労働時間は他の社員と同様1日7時間40分、完全週休2日、年間休日122日であるが、本人の希望により短期間勤務とすることもある。

（6）定年・継続雇用・退職

　定年60歳で、以降は基準を定めて公的年金の満額支給開始年齢まで再雇用する。

（7）健康管理・安全衛生

　年1回の定期健康診断は必ず受けさせているが、都合により受けられなかった社員には、人間ドックを受けさせている。また、保健師が常駐しており、必要に応じて保健指導を行っている。
メンタルヘルスケアについては、「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」に基づいて、従業員の心の健康づくりに努力している。
なお、中央安全衛生委員会を組織し年4回、職場安全衛生委員会は月1回の開催により、全社の安全衛生に関する諸問題の解決、改善を図っている。

（8）中途障害への対応（就業環境の整備）

　中途障害を負った社員に対しては、同じ職場に復帰するようにしている。重度視覚障害のある社員については、視覚障害者用のパソコン等を購入し、操作に関する講習を受講させて実務にあたらせている。

3.取り組みの効果

　全社を挙げ、通常の業務の中から障害者が無理なくできる業務を選別し、一人ひとりの特性を見極めて、適正な分野で健常者と共に、やりがいを持って活気ある職場を醸成し、障害者雇用率2．49％を達成した。
なお、定着のために、採用前に実際の職場・仕事風景、社員との話し合い等の機会を設け、採用後は健常者と労働条件等が同等となるよう処遇改善を行い、能力開発、職場環境の改善、心の健康づくり等に努力し、3年以内の定着率100％を達成していることが、社員全体のやる気を醸成している。
これらの努力が認められ平成18年に障害者雇用優良事業所として独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構理事長表彰を受賞している。

4.今後の課題・展望

　今後も維持・向上するために、障害のある社員が退職した場合、その補充を円滑にできる体制を確立する必要がある。
また、聴力障害者の胃部X線検査については、撮影台を回転させる際、スピーカーから聞こえる担当技師の指示が聞こえない等の問題があるため、その対応を検討中である。
当社の経営理念の一つでもある「社員一人ひとりの意欲と創造性を尊重し、活気ある企業風土の醸成に努めます」のもと、障害者が各職場でその能力を十分に発揮し企業に貢献していることから、なお一層の業務改善を図りながら障害者雇用について今後も努力していく意向である。