事業所名

株式会社福邦銀行

所在地

福井県福井市

事業内容

普通銀行業

従業員数

696名

うち障害者数

7名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害	1	融資管理部門
聴覚障害	1	総務部門
肢体不自由	5	事務部システム部門、営業店後方事務部門
内部障害	0
知的障害	0
精神障害	0

目次

1. 事業所の概要
2. 障害者雇用の経緯
3. 障害者雇用の考え・取り組みの内容
4. 障害者雇用の課題

1. 事業所の概要

（1）概要

　当行は昭和18年合併により設立、昭和26年には「株式会社福井相互銀行」に称号変更、また平成元年には普通銀行に転換し、称号を株式会社福邦銀行とし現在に至る。
現在は福井県内を中心に、石川県、京都府、大阪府の合計49ヶ店の店舗網を持ち地域の金融機関として「地域社会への貢献」・「健全なる経営」・「活力ある職場」を経営理念に掲げ金融サービス事業を展開している。

事業所の看板（ロゴ）

（2）企業理念

①地域社会への貢献
私どもは幸せな人間生活と豊かな社会づくりに貢献することを銀行活動の使命とします。
②健全なる経営
銀行の発展は、地域社会への貢献の証しであり、私どもの存在を可能とするため、より健全な経営に心がけます。
③活力ある職場
私どもが人間として尊厳を勝ち取るための練成の場として、明るく活力ある職場づくりに努めます。

2. 障害者雇用の経緯

　当行は、「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づき、障害者の法定雇用率はもちろんのこと、企業の社会的責任として、障害者の雇用に取り組んできたが、近年、特に定年退職などに伴い法定雇用の確保が困難となった。
そこで、平成16年9月に重度の障害者（例えば常時車いすを必要とする人）を雇用することができる環境・体制整備に取り組み、スロープの設置・トイレの改造・エレベータの改修等バリアフリー化を、第1種作業施設設置等助成金を活用し実施した。

通用口に設置したスロープ

　このような取り組みの中で、タイミング良く1人重度障害のあるAさんの雇用がスタートした。Aさんはパソコンのスキルが高く、現在も当行事務部のシステム開発課に所属し、日々元気に勤務している。

Aさん（システム開発課）

　また、石川障害者職業能力開発校において平成17年4月から1年間基礎的な知識・技能を習得し、卒業を控えていたBさんの求職について、ハローワークから照会があり、求人・求職のマッチングにより平成18年4月から雇用がスタートした。
Bさんは、パソコン関係の各種資格を生かしながら、Aさんと同様に日々元気に勤務している。

Bさん（システム開発課）

　2人は、福井県・（社）福井県雇用支援協会が主催するアビリンピック福井大会にも積極的に参加し、表計算部門で銀賞、努力賞と優秀な成績をおさめている。

3. 障害者雇用の考え・取り組みの内容

　2人を配置している事務部は、事務センター内にあり、銀行全体のオンラインシステムよび情報系システムの開発・運用を行っている部署である。
障害者を雇用するにあたり、インフラ等の環境整備をはじめ以下の取り組みを行っている。

（1）障害者雇用に関する基本スタンス

本人の得意分野や本人の能力・スキルを十分に発揮し、生かしていける様々な体制で仕事に従事してもらっている。
また、金融機関に勤務する上で、個人情報保護法関連の検定試験の取得や、毎月のコンプライアンス勉強会への参加等、他の行員と同様の教育・支援を行っている。

（2）意欲の高揚

銀行におけるシステム部門、特に情報系システムを担当してもらい、営業店支援及び本部の支援を行い、自分が携わったシステムが銀行業務に役立っている事でさらに意欲を高めていけるように工夫している。

（3）作業環境面での支援策

情報系管理者の下で仕事の配分やスケジュール管理を行い、体調管理を重視し、定時退社等を基本とするなど、勤務環境面における支援を行っている。

事務部担当者と打ち合わせを行うBさん

4. 障害者雇用の課題

（1）更なる環境の整備

　障害がある場合、現状では障害の度合いにより分担する仕事の内容も異なるであろうし、持っている能力によっても従事する仕事が決まってくると考えている。
しかしながら、障害のない人同様、一から新たな仕事を覚えマスターしていけるような社会の一員として、社会や企業に貢献できるような環境の整備が必要であると考える。

（2）人的交流

　障害のある人も、企業における仕事面での繋がりだけではなく、社内行事の参加や各部署の中でのレクリエーション等による人的交流が持てるような工夫が必要であると考える。

執筆者　：　株式会社福邦銀行　総務部人事課長　　小林　郁夫