事業所名

株式会社ユニバース八戸ニュータウン店

所在地

青森県八戸市

事業内容

県内を中心に岩手、秋田に41店舗（店舗名「ファル」3店舗を含む）の食品を中心としたスーパーマーケットを展開している

従業員数

130名

うち障害者数

2名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害	1	青果部
聴覚障害	0
肢体不自由	0
内部障害	0
知的障害	1	総菜部
精神障害	0

目次

1. 事業所の概要
2. 障害者雇用の経緯、背景
3. 取り組みの内容
4. さいごに

事業所外観

1. 事業所の概要

（1）事業所の沿革

（2）事業内容

「地域の人々により便利で豊かな食生活を送っていただくためには、どんな店が必要なのか？」。ユニバースは、こうしたテーマを自らに課し1967年に株式会社ユニバースを設立し、八戸市の小中野に1号店を開店させた。この40年間の地道な努力の結果、現在青森県を中心に岩手・秋田3県に41店舗の食品を中心としたスーパーマーケットを展開している。

業績は、2007年4月期決算で、連結の売上高が890億円、経常利益が26億3千万円となっている。広く清潔な店内、豊富な品揃え、鮮度の高い商品、温かな雰囲気の中で気持ちよく買い物を楽しみたい、そんなお客様のニーズに日々応えてきた結果が業績に現れている。

今後の3ヶ年計画の目標は、2010年4月までに48店舗以上、年間売上高1000億円超が目標である。また、これとは別に他社への資本参加や業務提携にも慎重かつ積極的に対応していくというものである。

八戸ニュータウン店は、八戸市の南西部の高台に位置するニュータウンの中心に大駐車場を完備した店舗を構えている。

2. 障害者雇用の経緯、背景

店長の鳥谷さんがユニバースに勤めて30余年になるが、障害者の雇用が進んできたのはここ数年のことだという。入社時の店舗は、バリアフリーになっておらず肢体不自由の方には難しい職場であったという。しかし現在の店舗は、バリアフリーはもちろんショッピングカートが2台楽にすれ違える余裕のある通路となっており障害者にとって動きやすく働きやすい環境になっている。

知的に障害があるAさんは、養護学校高等部3年生の時に2週間の現場実習を2回実施し、本人の頑張りもあり高い評価を得、パートナー社員として雇用が決まった。

3. 取り組みの内容

（1）雇用時の状況

養護学校高等部3年生のときに実習した部署（総菜部門での寿司づくり）に配属になったため、米をといだりガス器具を使用して炊飯をしたり仕事の手順もよく覚えており正確に作業を行っていた。仕事に関しては特に問題となるようなことはなかったようであるが、新たな仕事の説明や指示をするときには内容をかみ砕いて話すようにしている。体力的に問題はなく無断で仕事を休むこともなかった。また、体調が悪くてどうしても休むときには、公休を振り替えてもらえるよう上司に申請しており、職業人としての芽生えを感じさせている。

このことは、本人だけの努力ではなく一緒に働いているまわりの方々の優しい見守りがあったからこそ可能になった。障害のある方の良好な職場環境の一例である。

（2）雇用後の指導状況

養護学校時代の現場実習から同じ仕事をしているので雇用してから特別に指導しているということはない。仕事の手順については、ほとんど理解しており特に変わったことがなければ作業を一人で行っているので心配はしていないと太鼓判を押していた。店長さんをはじめ従業員の方々の理解と協力の賜である。

寿司を握っている様子

（3）現在の業務状況

現在は、総菜部門で寿司を作っている。炊飯はもちろん見本を見ながらパックに寿司を詰める作業など手際よく行っている。本人が希望すればほかの部門でも可能だと思うので、やる気があればどんどん言って欲しいと言うことである。

現在では、現場の戦力になっているので急に休まれると困る、病気以外は前もって連絡してくれれば助かると話していた。

日あるいは時間によって製造計画が違うので、その日の朝礼で何時までに（商品）を何個製造という指示の下に製造に取りかかる。数量の最終調整は午後4時頃に行っている。彼女もこの指示に従って作業を進めている。

パック詰めの様子

（4）雇用してみて

障害のある方が頑張って仕事をしていることにより、周りで働いている従業員も「頑張っているんだな」と感じてとても良い影響を与えている。また、他の従業員と同じように会社のミーティングや研修会にも参加している。

仕事は仕事で頑張って欲しいが、プライベートでも目標を持って頑張って欲しい。その方が張り合いが出て仕事もますます頑張れるからという話があった。

4. さいごに

ガラス張りの向こうの作業場で寿司を握り、できあがると品出し担当者へ渡す。自分が作った商品が目の前に陳列され売れていくのが分かる。働く（物を作る）喜びの一瞬である。

障害の特性に配慮した配置により能力を引き出し、周りの従業員と一緒に働ける職場を実現した好例である。

執筆者  ：  特定非営利活動法人サポートセンター虹  理事長  湖東  正美