事業所名

株式会社森井製作所秋田工場

所在地

秋田県横手市

事業内容

輸送用機械器具製造業（トラック・バス等の自動車関連部品、輸送用機械のミッション、産業用エンジン部品）

従業員数

144名

うち障害者数

5名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害	0
聴覚障害	0
肢体不自由	0
内部障害	0
知的障害	0
精神障害	5	機械加工、清掃、部品製造工、事務、庶務

目次

1. 事業所の概要、障害者雇用の経緯
2. 障害者の従事業務、職場配置
3. 取り組みの内容、効果
4. 今後の取り組み、課題、展望等

事業所外観（秋田工場）

1. 事業所の概要、障害者雇用の経緯

当工場は、横手市近郊の平鹿リンゴの産地で有名な丘陵の一角に位置している。秋には、真っ赤なリンゴが辺り一面に広がりとても壮観な景色である。本社は東京都大田区にあり、昭和5年の創業で本年で79年目を迎える。当工場は、秋田県と旧平鹿町の誘致企業として昭和54年に操業を開始した。秋田工場の他に神奈川県に相模原営業所がある。

当工場は、自動車関連部品と輸送用機械のミッション、足回り及び産業用のエンジン部品の加工とサブASSY（組込部品）の製造を行っている。

障害者の雇用は、先代社長の「何か地域社会に貢献したい」という考えの、ボランティア心から始まったのがきっかけで、今から20年程前に保健所からの紹介で精神障害者の方を職親（精神障害者社会適応訓練事業）として受け入れたのが始まりである。

それ以来、最大時には職親も含め10人前後を雇用し、職場定着を図ってきた。

2. 障害者の従事業務、職場配置

現在障害者は5名いるが、全員が精神障害者の方である。

障害者雇用については、当社に長く定着する事を第一に考え、個人毎の障害状態に応じ無理なく就業できる職場に配置しており、職場内のコミュニケーションも良好に保たれている。

特に副工場長を中心とした社内ジョブコーチが良く機能して、10年以上の勤務や定年まで定着した方もいる。

従事業務は、単純な機械加工や清掃作業、サブASSY、昼食時の従業員への給茶など、多岐に渡っている。

中には、塗装の1級技能を持つ者もおり、輸送機器部品の塗装をすべてこなしている。夏場には工場内の汚れた箇所の塗装も担当している。

勤務時間は、午前9時から午後3時と本人に負担のかからないように配慮している。

簡単な機械加工中のKさん

塗装のプロ！部品塗装中のTさん

3. 取り組みの内容、効果

問題点と言うほど大げさなことではないが、当初から社長の意向が100%全社員に伝わったわけではなく、受け入れについて総論賛成で理解しても各論反対の時期もあった。現在まで延べにして30人程付き合いをしてきた関係で、社員に抵抗感はない。

当然のことながら個人、個人みんな適性や個性があり病識にも差がある。適性や能力に応じた職場配置と勤務時間等により雇用の継続を図ってきた。

障害者雇用のマニュアルに反しているかもしれないが、特別な気の遣い方もしないし言葉遣いも特別選ぶようなことはしない。仕事上もプライベート上も「普通」である。病識をキチンと持ち自己管理できると職場に溶け込めやすく、勤務も長く続く。

今では従業員が個人個人を理解して接しており、特に季節の変わり目に注意し、何か変化があれば支援機関に相談の上対処している。

4. 今後の取り組み、課題、展望等

現在当社で働いている障害のある従業員は、すべて5年以上勤務していて、一般従業員の中に違和感なく溶け込んでおり、今後も継続させて行きたい。

又、障害者の方の変化を常に把握し支援機関と連携を取り、障害者の方が「働き易い職場」と感じられ、かつ「休まずに働きたい」と、毎日明るく出社して来られる様な企業を目指すと共に、障害者雇用を社会貢献の一つと位置付け今後も積極的に取り組んで行きたい。

尚、社会全体に障害者雇用企業はまだまだ少ないと聞くが、事業主が障害者を正しく認識し雇用を図る事により、企業発展の礎となると確信している。

執筆者  ：  株式会社森井製作所秋田工場  管理部長  藤原  易夫