事業所名

グランドプリンスホテル京都

所在地

京都府京都市

事業内容

ホテル業

従業員数

203名

うち障害者数

3名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害	0
聴覚障害	1	洋食調理
肢体不自由	0
内部障害	1	宿泊予約
知的障害	1	製パン
精神障害	0

目次

1. 事業所の概要
2. 雇用の経緯
3. 職場内の配慮・職務の現状
4. 作業環境の整備（知的障害者の雇用に対応した）

1. 事業所の概要

西武グループには国内外に60のプリンスホテルがある。グランドプリンスホテル京都は1986年に開業し、宿泊観光客や国際会議を受け入れるなど、多目的かつ多機能なホテルである。グループビジョンである「でかける人を、ほほえむ人へ。」というスローガンのもと、地域・社会の発展や環境の保全に貢献し、ハード面、ソフト面を含めた顧客満足度向上に全力で取り組んでいる。

2. 雇用の経緯

当社では、「障害者雇用促進法」によって知的障害者を含む障害者雇用率が設定されたのを機に、障害者雇用の促進に力をいれている。

2007年には、初めて養護支援学校（平成19年4月「総合支援学校」と改称）在学中に職場研修実習として業務を経験した新卒生（知的障害・重度）を製パン部門で採用した。

研修実習期間は、年末の繁忙期をはさんだ3ヶ月であった。無遅刻、無欠勤で問題なく終え、本人の強い意思、適性を考慮し、業務経験が即戦力となり雇用に至った。

また2008年には、総合支援学校卒業予定の知的障害者を事務職で採用内定している。

3. 職場内の配慮・職務の現状

研修実習時から、パートナーとして同性でなるべく年齢の近いスタッフが、同じシフト、同じ作業で勤務し、本人が安心して仕事ができるようにした。休憩時などでもコミュニケーションをはかり、困ったことがあったら、いつでも相談できる環境をつくっている。

製パンでは材料計量、パンのカッティング（裁断）、袋詰めなどの業務をしているが、本人のために特別なマニュアルを新しく作成することはなかった。ただ、総合支援学校の先生からのアドバイスもあり、「理解をしてもらうのに時間を要する」ということをスタッフ皆が把握したうえで、ゆっくりとした説明、時間をかけた確認を心がけるようにしている。また、障害のため困難な作業が生じた際には、本人だけがその作業担当から外れるのではなく、部署内全員を含めて業務分掌の改善を行なうなど、不安やプレッシャーなどでメンタル面での負担がかからないようにしている。

特別扱いをせず、他のスタッフと同じように仕事の出来には正当な評価をし、誤りは注意するなど、仕事をするうえでの厳しさを伝えることは、重要なポイントであり、本人へも刺激となっている。

実際、物事を確実にこなす勤務姿勢が評価され、職場長の信頼も厚く、パン販売の店頭陳列など、一人でこなす業務も増えてきた。それがまた自信となり、本人の就労意欲も向上しているようだ。

製パン作業等の様子

4. 作業環境の整備（知的障害者の雇用に対応した）

当ホテルでは障害者雇用に伴い、特別に職場改善をしたわけではない。障害者も健常者も仕事の習得具合は千差万別なので、同じ場所で働く全員が、お互いを認めて、思いやりを持つことで生き生きと働いていける職場環境になると思っている。

執筆者  ：  グランドプリンスホテル京都  管理部  人事  林田  深雪