事業所名

社会福祉法人秋田県身体障害者福祉協会障害者支援施設秋田ワークセンター

所在地

秋田県秋田市

事業内容

障害者福祉事業（就労継続支援事業A型、就労継続支援事業B型、就労移行支援事業、生活介護事業）

従業員数

39名

うち障害者数

10名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害	0
聴覚障害	0
肢体不自由	8	印刷、組版、縫製、事務
内部障害	0
知的障害	2	清掃、縫製
精神障害	0

目次

1. 事業所の概要
2. 取り組みの経緯・背景
3. 取り組みの課題
4. 取り組みの内容
5. 取り組みの効果

事業所外観

ホームページアドレス

http://www.awc.or.jp

1． 事業所の概要

平成3年4月、障害があることで就労の機会が得られない方に対し、「障害者の尊厳と社会参加」を基本理念に、社会参加と社会復帰を促進することを目的として市内初の重度身体障害者授産施設として開所した。以来、積極的に授産事業に取り組んできたことで、業績も飛躍的に拡大し利用者に高い工賃を支給できるようになった。

平成19年4月、利用者への十分な配慮と個別支援を充実させ、障害者が望む生活の実現と「個人の尊厳に基づく自立支援」の確立を目指し、これまでの「身体障害者授産施設」から、障害者自立支援法に基づく「障害者支援施設」へ衣替えし、知的や身体に障害を持つ利用者がこれまで以上に自立した日常生活や社会生活を営むことが出来る、多機能型の新体系事業へ移行した。

2． 取り組みの経緯・背景

障害者自立支援法の施設における福祉サービス事業の本格移行は、平成23年度末までに移行しなければならないことになっているが、利用者にとって一番良い方策としてできるだけ早く事業移行し、自分の進むべき道を早く見つけ、将来の不安を解消することを第一に考えて、平成19年4月、これまでの授産事業の実績を考えて、就労継続支援事業A型を開始した。この他に、就労継続支援事業B型、就労移行支援事業、生活介護事業を合わせて行うことになった。

3． 取り組みの課題

障害者雇用については、これまでの授産施設からの移行であり職場定着に対する職員の知識は十分であるが、職員の全面的なバックアップがある作業をしていた利用者から就労継続支援事業A型の利用者として、雇用される職員としての認識や責任感を持って仕事に従事できるかという課題があった。

また、就労継続支援事業A型は、通所利用と限定されているが、送迎に使用する車輌がない状況であった。施設の送迎サービス面での受け皿を大きくして、きめ細かい送迎サービスを行い、あわせて障害者一人ひとりの可能性を伸ばすために、職域の拡大や作業能力、作業効率の向上を図る職場環境の改善などを行う必要があった。

4． 取り組みの内容

（1）平成19年4月から、授産作業に従事していた際の作業能力評価をもとに職員間の話し合い、本人との面接・説明を十分に行い、就労継続支援事業A型を開始する。

（2）職員のサポートをきめ細かに行い技術の向上と意識改革を積極的に支援し、雇用継続に努めている。

（3）各種助成金を活用し、職域の拡大や作業能力、作業効率の向上を図るなど職場環境の改善を行う。

チラシ物の編集作業

浴衣の修繕作業

5． 取り組みの効果

（1）雇用にあたっては、本人の意向を最優先に考え就労継続支援事業A型を理解してもらうことから始めた。数回の説明を行うことで、事業移行することに当たっての不安やとまどいは解消することができた。また、就労継続支援事業A型に併せて作業能力評価の見直しを行い、職員間の話し合いの中で人選をし、最終的に本人との面接を行いこれまでの授産施設で作業をしていた利用者から9名を雇用した。

（2）技術の向上と意識改革については、個別支援計画を作成し一人ひとりに必要な課題に重点を置いて支援を行っている。目標を持って取り組むことで、徐々に効果が出てきている。職員中心で行っていた作業も、職員が補助的な役割として見守りの姿勢をとっていくことで、雇用される職員としての認識や責任感が強くなってきた。

（3）重度障害者等通勤対策助成金を活用し通勤用バスを購入し、施設の送迎サービス面での受け皿を大きくして、きめ細かい送迎サービスを行うことができた。また、作業施設設置等助成金を活用して、版の装着が自動化されたオフセット印刷機、付加価値の高い編集が可能な編集用パソコンとプリンタ、座位姿勢で操作ができる刺繍ミシン、時間の短縮と労力の軽減が図れる本縫電子ボタン穴かがりミシン、アイロン台の高さ調整が自動で行える自動電気ボイラー仕上用アイロン付バキューム台を購入した。作業能力、作業効率の向上、職域の拡大と身体への負担の軽減を図り、より良い職場環境を提供することができ、雇用の継続につながった。

執筆者  ：  社会福祉法人秋田県身体障害者福祉協会障害者支援施設秋田ワークセンター
就労支援課長  高橋  正喜