事業所名

株式会社城西企業

所在地

東京都練馬区

事業内容

清掃、設備管理、プロパティーマネジメント、指定管理者制度、警備受付、衛生管理、フィットネス事業

従業員数

230名

うち障害者数

7名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害	0
聴覚障害	0
肢体不自由	0
内部障害	0
知的障害	7	清掃(都内公的機関)
精神障害	0

目次

1. 事業所概要等
2. 取り組みの内容
3. 業務における工夫点
4. まとめ

本社外観

1． 事業所概要等

2． 取り組みの内容

（1）業務①  トイレ清掃

掃き掃除を終えた床を、モップで拭いている。
拭く際、角まできちんと力を込めて取り組んでいる。

指導がなくても、段取りよく掃除をしている。

（2）業務②  廊下清掃

広い廊下も、しっかりとゴミを取っている。また、通行人の妨げにならないよう、配慮しつつ作業を進めている。

廊下のすみからモップがけを始める。マイペースで、きちんと清掃している。

その他、事務室、玄関、外（植え込み、道路）などの清掃も行う。

3． 業務における工夫点

①清掃作業を覚える際は、必ず所長からのOJTがある。一人ひとりのレベルに合わせて、最初の約1ヶ月間で業務方法を伝える。

②建物の清掃箇所や部屋の名前を覚えてもらうため、地図を用意して、視覚的にも理解できるよう工夫している。

③一箇所のトイレ掃除を最初から最後まできちんと覚える。ほかの場所も作業工程を同じにすることで、ミスのない業務が展開できる。工程は覚えるまで、何回も繰り返す。

④現在までこれといったマニュアルもなく、口頭で伝えてきた。

⑤清掃を一人で担当できるようになったら、あとは報告やチェックを繰り返して、丁寧に仕事をこなしてく。時々、清掃し忘れがあるので、それを管理者が発見したり、カバーすることが大切。

4． まとめ

①マニュアルがなくても、最初の1ヶ月間、1対1で丁寧に指導すれば、知的障害者にもできる様子が伝わってきた。教える際のやさしさや反復繰り返しの業務行程により、社員を育てている。また、作業スピードが遅い社員は、早めに出勤し、作業を開始して終わりの時間には完了する。これは社員の自主性も尊重した結果と捉えられる。

②業務責任者は、これからも福祉制度やサービスの知識を増やし、活用していきたいと語っていた。現在、密な連携を図っている練馬区障害者就労促進協会（レインボーワーク）とは、社員の生活支援や就労面で困難があった時に、相談できる関係を築いている。また、お互いに協力することで、社員の就労継続につながり、メンタルヘルスも保つ働きを担っている。

③中小企業を取材して、いつも気づかされるのは、制度の情報や福祉関係者との連携を詳しく調べる時間がない程、多忙な現実がある。
また、障害者を担当するための予備知識として、障害者職業生活相談員講座を受講できるが、業務上参加できない方々もたくさんいると考えられる。また、この講座に参加したからといって、次の日から障害者を雇用するには躊躇いもあって当然である。従って、特に、中小企業などには情報提供のための、不安を取り除くようなもっと手厚いアウトリーチサービスが必要ではないだろうか。また、これからの相談機関の課題としては、中小企業が外部に対して、何が相談できるのかをもっと具体的に提示することも有効である。特に、3障害の中でも、これからさらに雇用が期待される精神障害に携わる関係者による企業へのアウトリーチは、他障害と比較しても積極的に薦めることが、今後につながると思う。

執筆者  ：  大東コーポレートサービス株式会社  代表取締役社長  山  亨