事業所名

株式会社太央

所在地

広島県広島市

事業内容

自動車部品のプラスチック製品の形成・加工請負業務

従業員数

215名

うち障害者数

4名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害	0
聴覚障害	0
肢体不自由	0
内部障害	0
知的障害	4	自動車部品(バンバー・ルーフラック等)のプラスチック製品製造工程(第一工程・第二工程) 作業
精神障害	0

目次

1. 事業所概要
2. 障害者雇用の経緯
3. 取り組みの内容
4. 今後の課題

事業所外観(原工場)

1． 事業所概要

（1）沿革

（2）事業内容

当社は昭和57年より業務請負で自動車部品のバンパーやルーフラックなどプラスチック製品の成形、加工を行なっている。製造以外でも倉庫業や人材派遣部門などを開設、平成18年より自社工場でプラスチック製品の成形や組立作業を行っている。

2． 障害者雇用の経緯

兼ねてより、プラスチック製品の成形、加工職場において障害者のための能力と適性を充分に発揮できる職場作りの構想をもっていた。また、障害者の雇用を如何に行なっていくか検討を重ねてきたが、主力である八本松町の自動車部品製造メーカーの製造請負現場において障害者を雇用することは非常に難しく、自社の倉庫業や派遣部門においても同様で、障害者雇用の法的基準を達成するためにも自社工場を建設して障害者を雇用できる環境づくりをする必要があると考え、平成18年8月、東広島市に工場を開設した際、第一に障害者雇用の取り組みを掲げた。そこで障害者を雇用し、長期間にわたる継続雇用が可能であり、かつ作業が容易に就労できるよう配慮した成形から梱包にいたる作業工程の設置を考えてきた。原工場は別の名称として自動車部品研修センターとし、障害者に優しい職場作りを目指すこととした。

3． 取り組みの内容

まず、原工場では何を製造するのか検討し、障害者を雇用する場合を考え、作業工程の容易な製品を製造していくこと、次に障害者を雇用するに当たって使用者が障害者を理解すること、また、障害者雇用は今まで経験が無く彼らとのコミュニケーションを如何に計るかも懸念された。1年目に能力開発校などから知的障害者3名を雇用した。そこで管理者が彼らの卒業校に出向いて如何に接していけばよいのか指導を仰いだ。軽度の知的障害者を雇用する場合は、特に他の従業員と区別する必要は無いことを指導され方向性を決定した。入社時の研修には他の従業員と一緒に受講し社会人としての自覚を促した。職場に配置後は家族を呼んで仕事ぶりも見学して頂き理解と協力をお願いした。作業は訓練から始めてみたが、他の従業員の半分の能力しか無かった。しかし、数ヶ月間、根気強く指導することにより同じ作業であれば他の従業員の7割くらいの能力まで達した。また、障害者雇用助成金の制度を利用して射出成形機（遊休設備）を稼動可能に整備して、障害者の作業を確保することも同時に行なった。作業の流れは、事前段取り、実作業としての第一工程及び第二工程への順とした。

作業風景

成形機

ゲートカット  工程①

他の組立て

成形機  周辺設備

成形機  周辺設備

工程①  工程②

ルーフラックのカバー限度見本

4． 今後の課題

2年目の今年も1名の障害者を雇用し現在4名の障害者雇用に至っている。現時点において、彼たちは仕事を休むこともなく、毎日生き生きと仕事に従事している。

しかしながら、原工場での収益は他の部署と比較すると決して良いとは言えない。会社としても今後は収益を考えながら長期に障害者雇用を推進していくことになる。障害者の雇用は残念ながら当社においても他の製造部門では拒む傾向もある。  原工場の彼たちが成長し、他の製造部においても障害者雇用が進むことが一番望ましい事である。