事業所名

有限会社松山サービス

所在地

愛媛県東温市

事業内容

総合クリーニング・リネンサプライ、ユニフォームレンタル・病院寝具、介護用品・オムツクリーニングと販売

従業員数

85名

うち障害者数

28名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害	0
聴覚障害	2	工場内(アイロンプレス)作業
肢体不自由	0
内部障害	0
知的障害	26	工場内作業・清掃作業 事務補助作業(1名のみ)
精神障害	0

目次

1. 事業所の概要
2. 障害者雇用の経緯と背景
3. 取り組みの内容

事業所外観

1． 事業所の概要

（1）従業員数

（2）会社目標

工場から不良品を出さない  白さの追求

（3）品質方針

お客様に喜んでいただけるよう、品質・仕上がり・安全性に留意し、常に高品質化を進めていきます。

（4）事業所の沿革

（5）組織図

2． 障害者雇用の経緯と背景

創業当初から障害者を雇用している。クリーニング業の特性(単純作業かつ長時間にわたり同作業が繰り返される)が障害のある人の長所や特性と合致することもあり、現在も多くの障害者を雇用している。

また、重信第二工場を増設するにあたって、障害者十数人を一度に増員雇用することになったのだが、そこで、事業所内で就労支援業務、関係者との連絡業務等のとりまとめをする従業員が必要となり、就労支援業務と担当者が確立されていった。障害者の方も業務内での困り事や悩み事がある時には「この人に相談したらいい」ということがわかってきて、就労支援担当者が事業所内に存在していることが周知されていった。そのことにより、障害者を含む従業員の間でも安心感をもって業務に従事することができている。この就労支援担当者が、現在のところ四国内で唯一の職場適応支援援助者(以下「企業内ジョブコーチ」とする。)の恒岡夕貴子さんである。日常業務の中で、恒岡さんは、障害者が継続して職場に勤めることができるようにするため、主に職場定着指導に当たっている。しかし、恒岡さん一人が特別に支援をしているということではなく、従業員全員の人間本来が持ち合わせている優しい心が自然と従業員全員参加型の就労支援という形になっている。

なお、第二工場の支援担当者は、障害者職業コンサルタントでもある工場長が行っており、それぞれの工場の状況を常に情報共有し、突発的な工場間の人事異動（配置転換）にも大きな問題がなく対応できている。

3． 取り組みの内容

（1）信頼関係

安心して働ける職場というのは、心の居場所があるからではないだろうか。この事業所では「話を聴く」ことを大切にしている。2人組又はグループで仕事をすることが多く、人間関係が重要になってくる。日常生活のことから、仕事のことまで幅広く相談を受けている。「相談がある」と言われると、どのような状態の時でも『即対応』を心がけて支援にあたっている。事業所内で、従業員全員参加型の就労支援が形になっているということを前述しているが、従業員同士の信頼関係がそこにあるからこそ、できる支援である。

障害のある人の能力が発揮できるよう、その人の可能性や特性を見つけ出し指導を行っている。

タオルたたみの作業支援中

汚れを見つけたら質問や報告ができるようになった

（2）連携

この事業所では、特別支援学校や近隣の福祉施設からの職場実習を積極的に受け入れている。実習で他の従業員と同じ内容の仕事をしてもらい、その中からその人のいいところを見つけ出して、就労継続につなげるヒントを得たいと考えている。また、障害の重度・軽度には関係なく、本人のやる気と覚悟が一番大事であると考えている。

この事業所では、障害のある人を取り囲むさまざま環境において関係がある、労働、福祉、教育、地域(NPO団体など)、医療との連携をとりながら就労以外の支援も行っている。

（3）仲間

企業内ジョブコーチとして現在活躍している方は全国で100人前後と極小数である。企業内ジョブコーチという同じ立場で相談できる人が少なく、仲間を見つけることも困難な状況である。

首都圏で、障害者の就労支援をしている方が発起人で「企業内ジョブコーチ研究会」というサークル活動をしており、この事業所の恒岡さんもその会に所属している。支援のあり方や悩みなどを相談し、どの地域の人も一緒に勉強していきたいという考えである。また、他の企業内ジョブコーチの人がどのような支援をしているのかなどの、情報交換ができるネットワークが広がっていくことが期待される。