事業所名

医療法人隆徳会鶴田病院

所在地

宮崎県西都市

事業内容

総合医療・救急医療・夜間医療・ガン検診センター・介護老人保健施設・デイサービス・訪問介護ステーション

従業員数

295名

うち障害者数

3名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害	2	介護（マッサージ）
聴覚障害	0
肢体不自由	0
内部障害	1	医療事務
知的障害	0
精神障害	0

目次

1. 事業所の概要
2. 障害者雇用の経緯、現状
3. 取り組みの内容
4. 今後の展望と課題

事業所外観

1.事業所の概要

  古代ロマンと神話に彩られた、全国一の規模を誇る西都原古墳群の袂に広がるのが西都市街地。その中央部に昭和38年6月に呱々の声を揚げて46年間、西都・児湯地域の中核の総合医療機関として、また、健康情報の発信基地として、地域住民の健康・福祉の保持増進に貢献している。
  障害者雇用については、開院時から地域に密着した中核病院として雇用面でも地元を優先し、地域社会に貢献する理念から採用しており、その雇用率も本年3月末現在3.24％であり、今後もあん摩マッサージ師等の技能者を中心に雇用を考慮していきたい。

  以上の理念遂行に精進した全従業員の心の勲章は、当事業所の誇り高い伝統文化となっていくことであろう。

  なお、地域社会の多様なニーズに対応する為に、大略下記事業所に於いて展開中である。

①鶴田病院：総合医療、救急医療、夜間医療等と地域に信頼される高度な医療を展開中である。
②鶴田クリニック：地域の皆さんに開かれたアットホームな“癒される”総合医療を目指す。
③宮崎鶴田記念クリニックPET-CTがん診断センター：早期発見・治療の最先端を。
④介護老人保健施設菜花園他7事業所：高齢者への生きがいづくりと、家族に安心をお届けする。

2．障害者雇用の経緯、現状

  障害者雇用に踏み切ったのは、平成11年の従業員募集に始まる。当時障害者の応募があり、面接の結果

①  A氏：自ら障害者である経験上、行動不自由な利用者に対し、マッサージを通し能力に応じて自立した生活が送れるように、リハビリの向上に役立ちたいという熱意と真摯な態度を人事担当者が高く評価し採用となった。

②  B氏：平成18年3月頃、盲学校長より視覚障害のある優秀な、あん摩マッサージ指圧師の紹介を受けた。
  早速当病院のデイサービスセンター（通所サービス）通所者に対する入浴・食事・レクリエーションの提供に添えて、マッサージサービスを提供しながら高齢者との交流を深め、閉じこもり防止の向上や家族の介護負担の軽減を推進する目的で採用となった。

③  C氏：昭和59年3月に当病院の一般事務職として採用し着実に成果をあげていたが、不運にも30歳頃から健康を害し塗炭の苦しみを味わうこととなった。
  しかし、本人の実績もさることながら医療機関に従事する一従業員の福利厚生への限りない思いが、幸いにも法的支援に恵まれて今日に至り、本人はもとより雇用者側共々に味わう感慨は一入のものがある。
  現在も医療事務担当者として勤務しているが、内部疾患による人工透析を行わなければならなく、隔日の受診が必要なため、当日は午後4時の早退勤務となった。
  しかし、給料等は一般の従業員と同一労働条件で雇用を続けており、従来通り医療事務のベテラン振りを発揮し、後輩の指導をしながら元気に明るく仕事を続けている。

3．取り組みの内容

①  A氏：宮崎市内よりバス通勤の為、バスの発着時間によっては就業規則による勤務時間の始・終業時間に10分程度の早退や遅刻が生じるが、本人の申し出を受け入れ給料の削減をすることなく、他の者と同様の待遇で対応している。
  また、台風等悪天候の場合には、宮崎市内から病院へ通勤している従業員が、本人が居住するアパート近くを迂回し、マイカーに同乗させて送迎を行っている。

②  B氏：採用時には病院近くにある独身寮に入居させることを考えたが、寮と病院の間に往来の激しい国道があり、その横断について危険性が憂慮されていた。幸い病院の隣に障害者利用に配慮されたアパートの空室があり、重度障害者通勤対策助成金を活用、早速賃借し入居させた。お陰さまで道路横断の懸念もなくなり、安心した通勤と仕事に精励できる毎日である。また、季節によっては休憩時間を調節したり、通勤に支障のないよう就業時間を早めに設定している。
  職場内での違和感は全くなく、従業員の結婚披露宴にも招待されて出席する等明るい人間関係と仕事への積極的取り組みがみんなから好感をもたれている。

③  C氏：人工透析がスムーズに受診できるように、勤務時間等に絶えず特別な配慮をしている。また、社員旅行（北海道、ハワイ）等の際にも、旅先の医療機関に当院の担当スタッフが事前に予約を行い、旅先の医療機関で透析を受けながらみんなで楽しい旅行ができるよう配慮している。
  なお、職場では勤務態度も極めて良好でみんなと明るく助け合って仕事をしている。

リハビリ中の一コマ

事務室風景

4．今後の展望と課題

  勤務中の障害者3名のうち2名は、あん摩マッサージ指圧師の国家資格の所持者であり、もう1人は医療事務では当院ではなくてはならない超ベテランである。病院側が勤務条件について少しの配慮を行うだけで3人とも自信を持ち明るく仕事を続けることができる。また、利用者からも喜ばれ、病院の業績の向上に貢献している。
  したがって、今後も引き続き雇用を継続し、場合によっては障害者雇用をさらに拡大していく方針である。