事業所名

株式会社沖縄ウコン堂

所在地

沖縄県宜野湾市

事業内容

健康食品の生産・卸・小売販売・受託加工、清涼飲料水・豆腐の製造販売、沖縄薬草の研究栽培・加工製造販売

従業員数

25名

うち障害者数

4名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害	0
聴覚障害	0
肢体不自由	2	一般事務、電話応対、商品管理
内部障害	0
知的障害	1	原料粉砕、製造補助、袋詰、シール貼り、異物選別
精神障害	1	袋詰、商品最終工程の補助

目次

1. 事業所の概要、雇用の動機
2. 取り組みの内容
3. 今後の課題と展望

事業所外観

ホームページアドレス

http://www.okinawajoho.net/shopping/ukondo/

1．事業所の概要、雇用の動機

  「何より幸せ、健康であること」を格言と定め、昭和62年那覇市松山において創業、以来、健康食品の製造・販売を行い、ウコンの普及に貢献して来た。
  関係各位の皆様、そして従業員に支えられここまで発展してきたと、社長の仲程氏は語る。
  平成18年8月、現在地の宜野湾市伊佐に自社社屋を落成し移転。
  移転に伴い新規機械を導入し、原料から製造販売までの一貫生産が可能となった。
  生産する全ての原料の微生物検査を行い、工場内は徹底したクリーンな環境で一貫生産している。
  高管理、高品質なものの提供をモットーに、常に安心安全な製品の提供に努め、健康長寿社会の波及を目指している企業である。
  障害者雇用の動機は、社長の仲程氏がサラリーマン時代に出会った障害者（聴覚言語障害者)が明るく生き生きと働く姿に感動し、将来自分が会社を起こした時には、障害者を雇用しようと決心したことによる。
  那覇市在のときには、3人の障害者を雇用していたが、宜野湾市に移転する際、通勤が困難となりやむを得ず退職をした者もいたが、ここで新たに雇用された者を含め現在は身体障害者が2人、知的障害者が1人、精神障害者1人の計4人が働いている。

2．取り組みの内容

（1）雇用支援機関との連携

  障害者の雇用は、ハローワークからの直接紹介ではなく、訓練校で訓練を受けた者を中部生活支援センターの紹介で実習受け入れを行い、（基本は2週間、よければ1週間延期できる。）業務内容に得意分野等があれば雇用している。
  養護学校（沖縄県立高等養護学校、沖縄県立美咲養護学校、沖縄県立大平養護学校）からも実習生を受け入れている。

（2）障害者雇用のための工夫・対策

  沖縄ウコン堂では、ウコンの栽培はうるま市や国頭村の契約農家に委託して原材料の確保に努めている。
  工場においては、徹底したクリーンな環境の中で洗浄、乾燥、粉砕、滅菌から幾多の工程を経て、包装、金属探知検査、梱包まで一貫生産となっている。
  各セクションへの配置は、多くの作業工程の特殊性と障害者自身の特性に合わせて考慮しながら、職場の配置を決めている。
  同時に複数の作業をさせてしまうと、パニックに陥ることが多く適切ではないため、障害者1人に作業指導担当者を1人つけて、一つの工程を約3ヵ月間の体験指導を行いながら、成長過程を判断し次の工程へと移行する訓練システムを繰り返しながら育成している。
  彼等には焦らずゆっくり指導していくと、実にまじめに集中して仕事に取り組めるようになる。

異物が混入していないか目視でチェックし計量

ウコンのティーパック包装作業

ウコンの粉砕等作業後の清掃

パソコンで商品在庫管理

  車いす使用の身障者1人は、在庫管理をまかされているが、当人を採用するには、1階と2階の昇降に支障があり、2～3人がかりで車いすと身障者を持ち上げて昇降していたのでとても大変だったが、障害者作業施設設置等助成金を活用しエレベーターを設置した。
  エレベーターが設置されてからは、同僚への気兼ねがなくなり、以前より明るくなって担当業務に前向きに取り組んでおり大変助かっているとのことであった。
  当人は下肢が不自由なだけで、とても忍耐強く几帳面であり実に多くの品数の商品在庫管理をパソコンでもって管理している。
  その姿に社長は感心すると同時に感謝していると述べていた。
  これは、まさに社長の人間愛から自然に出て来た言葉であり、この人間愛こそが、沖縄ウコン堂の風土となり、障害者雇用、育成へと繋がり障害を有する従業員が、生き生き働ける職場となっている。本当に有り難い職場である。
  賃金については、障害者の最低賃金除外認定申請はせずに、最低賃金からスタートし、能力アップに応じて昇給するように配慮されている。
  労働時間は精神障害者の場合、所定の労働時間に勤務は無理があるため短時間となっているが、他の障害者は健常者と同じ扱いで所定労働時間勤務である。

障害者に配慮した駐車場と事業所出入口

助成金を活用して設置したエレベーター

（3）従業員のサポート体制

  沖縄ウコン堂での従業員のサポート体制は、社長の人柄が会社の風土となっている。
  健常者、障害者の区別なく協調・協働の職場が窺える。
  即ちごく自然体でサポート体制が整っていると解した。
  社内には、相談窓口として障害者職業生活相談員2人を配置しているが、問題が発生した場合は障害者職場定着推進チームを発足して職場内での色々な問題をチームで解決するように努めている。
  私生活の相談には中部地区就業・生活支援センターに協力してもらっている。
  福利厚生としては、毎朝の健康チェックと職場定期健康診断を年1回実施し、必要に応じて医師の指導が受けられる体制とし、全社員の健康管理に十分配慮している。
  昼食時においては、従業員食堂で揃って食事が摂れるように配慮されている。
  このような環境が従業員の交流を深める一助になり、作業中にはア・ウンの呼吸で手際よく業務が進められている。

3．今後の課題と展望

  障害者雇用継続に困っていることは特にないが、しいて言えば障害者の就業支援の情報が欲しい。現在は、社団法人沖縄県雇用開発協会に相談を受けてもらい助かっていると話していた。
  展望としては、併設企業（沖縄ダイズ産業（株））が本格的に稼働すると、ここでも障害者の雇用を考えているとのこと。
  今後ともお互いに支え合いながら「何より幸せ、健康であること」の使命達成に向かって歩み続けられるだろう。
  「企業は人なり」を勉強した。