事業所名

協栄流通株式会社

所在地

埼玉県所沢市

事業内容

・共同購入物流業務
・店舗物流業務
・個配事業

従業員数

2322名（2008年9月現在 関東信越1都6県）

うち障害者数

●名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害	0
聴覚障害	0
肢体不自由	0
内部障害	0
知的障害	23	配送ケース洗浄等
精神障害	0

目次

1. 事業内容および取組の経緯
2. 仕事内容
3. 採用までの流れ
4. 定着への配慮
5. 今後の採用計画・課題

事業所外観（本社・城グロサリー集品センター・坂之下要保冷集品センター）

1. 事業内容および取組の経緯

・1982年5月設立されコープネットグループの100%出資子会社として「物流事業」を1都6県に展開している。

・協栄流通株式会社として最初に採用したのは2003年からだが、それ以前から「生協からの出向」の形で受け入れており仕事に向き合う姿勢から、「習熟度のスピードには個人差があるものの、充分に戦力となり得る」ことが確認されたからである。このことをきっかけとし、現在も「障害者の雇用」において、健常者との特段の差異は設けず、あくまでも「戦力としての補充（労働意欲の評価）」を重ねて来た。その背景には「障害者だから雇用する」「法定雇用率があるから、雇用義務に基づき対応する」の発想は持たず、さらに、各種助成金や補助金を利用することなく対応している。そこにはCSR（企業の社会的責任）にも通じる会社の独特なスタンスがある。雇用する以上は企業の労務管理責任が伴うのは必定だとする信念がある。戦力としてのメリットは、作業や環境に慣れるに従い、欠勤もなく、単純定型業務でも仕事に楽しみを感じながら就労している姿を見いだせる点にある。

・2006年からは各作業場には専任担当員を配置して「日常の作業指示」等を実施し必要に応じて「業務日誌」を書かせている。

2. 仕事内容

・本社所在地の「城グロサリー集品センター（障害者7名と専任担当者が1名）」と隣接の「坂之下要保冷集品センター（障害者16名と専任担当者が1名）」の2ケ所に分かれている。

◆「城グロサリー集品センター」の仕事内容

① 配送ケース（プラスチック）の「ラベルはがし」→手ではがす作業で、はがれにくい時は、「もんじゃ焼きのヘラ」などの小道具を使う工夫をしている。

② 配送ケース（プラスチック）の「汚れ落とし」→濡れたぞうきんを使いケースの内外を拭いて汚れを落とす。

③ 配送ケース（プラスチック）の「形状チェック」→ケースに損傷がないかをチェックする。

④ ①②③が終わったらコンベアーに乗せる。 この作業の繰り返し。

ラベルはがしと形状チェック

◆「坂之下要保冷集品センター（保冷の作業場と常温の作業場があり障害者は常温の作業場）」の仕事内容

①配送ケース（発泡スチロール）の「ラベルはがし」→手ではがす作業で、はがれにくい時は、「もんじゃ焼きのヘラ」などの小道具を使う工夫をしている。

②配送ケース（発泡スチロール）の「汚れ落とし」→ケースを逆さまにしてゴミなどを拭い落とす。

③配送ケース（発泡スチロール）の「形状チェック」→破損・欠損のチェック

④ ①②③が終わったら台車で運搬してコンベアーに乗せる。 この作業の繰り返し。 それ以外にはローラーコンベアで流れてきた「配送プラスチックケース」をベンダー別に仕訳する判断力のともなう作業もある。

勤務形態 日曜日～木曜日（おもに午前9時から午後4時までのパート雇用契約）

ケースの汚れ落としと搬送

ベンダーごとの仕分け

3. 採用までの流れ

・最初は生協直営の物流事業所だったので「生協の雇用」として対応したが、直雇用を始めてからは、所沢地区の「障害者就職面接会」「職業安定所、地域就労支援センター、特別支援学校」等の紹介と幅を拡げて行っている。

・実習生は2週間の期間を設けて受け入れ実施（年末年始を除いて随時）しておりあくまでも「体験実習」で、採用を目的とする際には「一次面接→二次面接→判定実習」のステップで行っている。

4. 定着への配慮

・障害のある従業員への対応は、人事教育部 神立 浩（次長）以下、増田 あけみ・滝澤 泰子・服部 久子の3名の障害者雇用担当が、朝礼、作業指示、健康状態チェック、出退勤管理、および年に2回（春・秋）家庭および関係機関との連絡会議等を実施している。

・日常的には、「一声かける」ことを実行している。

・保護者ともきちんと面接し、企業就労に対する考え方や養育過程等をヒアリングしている

<障害のある従業員を中心とした関係図>

5. 今後の採用計画・課題

・20年度は就職面接会で3名採用し、21年度は特別支援学校から新卒者2名の採用（欠員が生じたらその都度採用していく方針）

・課題は、本人の加齢による勤労意欲の低下、保護者との齟齬、生活面の乱れ等の改善をどう対処していくかであり、課題解決のためには関係機関（行政・医療・福祉）や出身特別支援学校との密度の濃い連携が必須であると考えている。