障害者雇用の現状
- 事業所名
- 株式会社福祉ベンチャーパートナーズ 夢ある街のたい焼き屋さん 西調布店
- 所在地
- 東京都調布市
- 事業内容
- たい焼き製造、販売業務
- 従業員数
- 10名
- うち障害者数
- 3名
障害 人数 従事業務 視覚障害 0 聴覚障害 0 肢体不自由 0 内部障害 0 知的障害 2 たい焼き製造、販売業務 精神障害 1 たい焼き製造、販売業務 - 目次


- ホームページアドレス
- http://www.fvp.co.jp
1. 事業所の概要
・代表取締役:大塚由紀子

平成15年 株式会社福祉ベンチャーパートナーズを設立。障がい者の働く場づくりをテーマに事業を展開。福祉企業家経営塾を開催するとともに、全国の工賃向上を目指す障がい者福祉サービス事業所を対象にした支援サービスを提供。中小企業診断士。
・ 資本金:1,000万円
・ 設立:平成15年5月
◎経営理念
・ 事業を通じて障がい者の自立を支援し、社会に貢献する
・ 全従業員、専門家パートナーの物心両面の幸福を追求する
◎経営ビジョン
・ 福祉起業家を100人育てます
・ 工賃倍増事業所を100ヶ所増やします
・ 障がい者を50人雇用します
・ 障害者が働くことは当たり前というカルチャーを作ります
◎事業概要
障がい者の給与アップに取り組む福祉施設(授産施設、小規模作業所)および雇用拡大に取り組む及び法人(企業、NPO)、障害者 の経済的自立に関心のある個人、法人に対する下記のサービス業務。
1.経営コンサルティング機能事業:障がい者給料アップに関するサポートの提供。
2.教育研修事業:経営スキルを磨いたり、体系的・実践的に経営を学べる場の提供。
3.ネットワーク構築支援、情報提供事業:同じ価値観や目標を持つ人達の交流の場の提供。
◎店舗紹介
・店舗名: | 夢ある街のたい焼き屋さん 西調布店 |
・店長: | 西調布店 川合 澄枝 |
・社員数: | 10名(うち3名が障害者) |
・モットー: | 「お客様に喜んでいただける商品、接客、笑顔!!」 「お客様のご意見を頂戴しながら、日々精進!!」」 |
2. 障害者の雇用実態
総人数 | 10名(そのうち 知的障害者2名 精神障害者1名) |
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製造場所 | 「夢ある街のたいやき屋さん」厨房、レジカウンター |
作業内容 | ①仕込み作業、②レジ・袋詰め作業、③焼き作業 |
営業時間 | 平日 10:30~19:00 土日祝 10:00~19:00 定休日 なし |
労働条件 |
パート社員
・時給:770円~780円
→業務への貢献度が高いと、時給がアップする。 ・交通費:別途支給 ・夏季休暇:5日間 冬季休暇:元旦のみ |
障害者雇用 経緯 |
・「街で障がい者の働く場をたくさん創りたい」という夢の現実に向けて、平成19年9月29日に開業。
・障害の有無に関わらず、一緒に働ける環境整備に取り組み、地域のお客様に、たいやきと笑顔を届けている。
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他機関利用 状況 |
①開設時(社員採用時)のハローワークとの連携
候補者10名中、知的障害者2名、精神障害者2名を採用。 ②調布・三鷹・渋谷 就労支援センターとの連携
定期的な職場訪問、生活支援 ③FM調布に出演
お店のPRも兼ねて、地域のFM局放送に出演された。今後は、商店街との関わりや商工会に加入して、活動の幅を拡げる予定。 |
イベント | 年2~3回の懇親会を実施。 |
3. 業務の紹介
・店舗内の様子


仕込み作業:お客様の様子を観つつ、臨機応変に仕込み作業を組み込んでいる
仕込み①:あんこ準備





仕込み②:キャベツの千切り


仕込み③:生地の下準備


仕込み④:洗い物

レジ作業:オーダー取り・袋詰め・金銭授受・電話応対なども含む。
レジ作業①:オーダー取り




レジ作業②:袋詰め




レジ作業③:金銭授受

レジ作業④:電話応対


電話で注文を取ることもあり、お客様が来店される前に商品を準備する。
焼き作業:お客様の期待を裏切らない商品を作る。体力の必要な作業!






できあがり後は、一つひとつ確認して、お客様に提供する。
4. 業務におけるポイント
① 目標は、「全員が全工程をできるようになること」。
② OJTの際は、一人ひとりのレベルに合わせて、口頭で伝えることが多い。
マニュアルもあり、壁や冷蔵庫などに張って、ミス防止の仕組みも備えている。
③ OJTは店長だけが担うのではなく、リーダー的存在の健常者のパート社員も率先して行っている。
④ お客様には絶え間ない声かけがあり、活気のある雰囲気である。
⑤ お店に足を運ばれるお客様との会話を大切にし、ニーズをつかんでいる。このようなコミュニケーションが、口コミにつながり、地域のたい焼き屋として拡がり続けている。
⑥ 障害の有無に関わらず、スタッフが一丸となって働き、チームワークで業務を進めている。

5. 最後に
株式会社 福祉ベンチャーパートナーズ・「夢ある街のたいやき屋さん 西調布店」を訪問しての気づきを2点挙げ、結びとする。
(1)安心感の中にも「メリハリ」のある環境
今回「夢ある街のたいやき屋さん」を取材し、痛切に感じたのは、職場の雰囲気づくりの上手さである。障害者雇用に取り組む際、他の事業所では業務量が多すぎたり、サポート役が不在で当事者がつぶれたりしてしまい、退職してしまう事例をよく聴く。
その反面、あまりに過保護で手厚いサポートがあり、福祉施設と変わらない形で業務を進める事業所もある。
「夢ある街のたいやき屋さん」は、業務量も多く、力仕事もあり、求められる業務水準の高い環境である。しかし、仕事を通して成長していきたいと思う方には、その工程ができるまで、丁寧なOJTが展開され、安心して働くことができる。また気軽に相談できる人間関係が築かれていた。
正に「メリハリ」のある職場環境がそこにはあり、この環境は「障害者が働いていることは特別なことではない。そんなカルチャーを早く社会に根付かせたい」と語られる大塚社長の考えが、強く影響されていた。
(2)継続雇用への取り組み
開設時、障害のある社員を4名採用された。そのうち3名が「働きたい、自立したい」という思いを原動力に、現在も働き続けている。障害者の業務コーディネートされてきた川合店長は、一人ひとりの持っている力を活かし、仕事を提供することで継続雇用を可能にした。
例えば、自閉傾向のある知的障害者にあんこ炊きを教え、誰よりもおいしいあんこを作れるようになった。また短時間労働からスタートした精神障害者も、持ち合わせている真面目さを活かし、業務全般をこなせるまでに成長した。
3名は働き続けることが可能であったが、続けることが困難な精神障害者が1人いた。その理由は、接客業務がストレスとなり、体調を崩してしまったからである。しかし、ここで雇用をあきらめず、労働環境の整備をした。現在は接客から離れ、本社でパソコン入力などの事務作業を順調にこなしている。
このような臨機応変のコーディネート力が、継続就労を支えているのだ。
今回の取材を通して、大塚社長や川合店長の取り組みの力強さに圧倒された。
障害者雇用をリードする企業として、今後の活動も目が離せない。

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