事業所名

株式会社ウィニングコーポレーション

所在地

東京都港区
事業所 : 府中流通センター:東京都府中市
WTC（ウィニングトランスファーセンター）:東京都立川市

事業内容

商品（TVショッピング等）、流通（エステ）、教材管理（子供向け英語教材）等のセンターとしてのサービス事業

従業員数

58名

うち障害者数

5名

 

障害	人数	従事業務
視覚障害	0
聴覚障害	0
肢体不自由	0
内部障害	0
知的障害	5	商品の入出庫、梱包
精神障害	0

目次

1. 事業所の概要
2. 障害者雇用の取り組み
3. 今後の課題

1. 事業所の概要

（1）概要

会社設立 ： 平成14年7月

資本金 ： 5,000万円

所在地 ： 府中流通センター 東京都府中市

WTC（ウィニングトランスファーセンター） 東京都立川市

従業員数 ： 常用雇用者 58名（うち 障害者5名 平成20年5月31日現在）

（2）経営理念

① Win-Winの精神でフェアなビジネスを実践する。

② 岐路に立った場合は、継続よりも変革を重視し、決断する。

③ 会社の発展は自己実現を源泉とするものであり、働く人と会社は運命共同体である。

④ 人に優しく福祉を実践することを第一とし、環境に優しく地域に貢献することを第二とする。

⑤ 仕事の本質は需要の創造にあり、何しろ良く働くことである。

ウィニングは顧客と共に発展し、利益を分かち合うパートナーであり続けたい。

また、会社と社員は共に成長しあう運命共同体であり続けたい。これをwin+winというコンセプトで表現し、経営理念とした。

（3）ウィニングコーポレーションが提供運営しているサービス

① 商品センター機能

・テレビショッピング・ラジオショッピング

・カタログ通販

・健康食品機能

・キャラクターグッズ

・化粧品メーカー

・高級輸入食器

・アーティストグッズ

② 流通センター機能

・全国展開の大手エステティック

③ フィルム・ビデオライブラリー機能

・キー・テレビ局

④ 書類保管センター機能

・大手金融会社

⑤ 教材管理センター機能

・子供向け英語教材

・社会人向け通信教育

2. 障害者雇用の取り組み

（1）障害者雇用のきっかけとは

① 会社設立の理念と障害者雇用の取り組みの環境が整っていた。

※東京都府中市で起業したこと。
府中市は、社会福祉に熱心な町であること。
特別支援学校が3校ある。
（都立府中、都立府中朝日、都立武蔵台特別支援学校）

② 都立府中朝日特別支援学校の先生から雇用へのアプローチがあった。

（2）ウィニングが求める人材とサービスの差別化

① 一般的な採用条件として、「ヒトに優しい人」「個性の重視」がある。

② サービスの差別化の中に、下記の2項目を掲げている。

※バリアフリー物流を提唱し、障害者、健常者と隔たりなく仕事に従事できるロジスティクスセンターを運営し、地域に貢献する。

※女性パートを中心とした作業環境により、「まごころ」や「やさしさ」が商品の移動と共に顧客へ伝えることができる「まごころセンター」を目指す。

（3）障害者教育（慣れる教育など）の実践

④ 物流の数の認識を教える（下図）

⑤ 2桁の暗算は難しい

※ 通常の入出庫作業時に2桁の足し算、引き算を行っているが、掛け算、割り算は、行っていない。

⑥ 障害者の成長は、各人のもつ資質や個性は様々であることを認識して指導する。

⑦ 障害者は先輩としての自覚を持っていることを認識し指導している。

（4）3度の知的障害者の成長記録（事例）

① A君とB君の事例

③ 先輩としての自覚を持っている（下図）

※ 彼らは、入社歴の長い順で先輩としての自覚が芽生え、自らの方法でストレスを感じながらもそれを克服し後輩の指導を行い、そのことが本人の成長に繋がっている。

（5）障害者育成のポイント

① 個性やレベルに合わせて作業パターンをつくる。

② 親とのコミュニケーションを密にする。（連絡帳の活用）

③ 叱ること。（個性、環境、事象等に配慮することを前提として）

④ 待つこと（忍耐）。

（6）自立支援については、企業として最終目標「自立まで支援すること」を覚悟している。

最終目標は、知的障害者が親元から独立してひとりで生活でき、働くことで健常者と同様な生活基盤を手に入れることであると考える。

この自立支援にまず不可欠なものは、生活の維持が可能な給与レベルであると考え、健常者並みの収入レベルを目標に教育・啓発を積極的に推進し、ひとり一人の仕事の幅と処理能力が向上するように努めている。

また並行して、個人個人の生活の中で自立支援を行っている福祉団体とも連携を図り、仕事と生活がうまく調和するように自立に向けた活動を進めている。

（7）障害者雇用のノウハウについて

① 社団法人全国重度障害者雇用事業所協会に加盟し、情報交換を行っている。

② 障害者に係るNPO法人が主催するセミナー等へ参加し、行政機関、他企業、支援機関等からの情報によりノウハウ（職業指導、就労の安定等）を蓄積している。

（8）障害者共生ネットワーク

本人を中心に、親・福祉施設、出身特別支援学校、地域就労・生活支援センター、自治体（福祉機関等）等と連携して、彼らの就労・生活の安定のための支援を行っている。

（9）助成金の活用

特定求職者雇用開発助成金（ハローワーク）、第2種作業施設設置等助成金（賃借）等の助成金を活用している。

（10）実習の受け入れと雇用について

地域の特別支援学校から、年間数名の実習をウィニング府中流通センター及び立川のウィニングトランファーセンターで行っている。

雇用については、業容の拡大に伴い、地域の特別支援学校を主体に行っている。

（11）経営ポリシー

①企業の社会的責任（CSR）

企業は、社会的責任を果たすために存在する。従って、障害者雇用の拡大は「社長の覚悟」「社員の覚悟」「企業の覚悟」と認識している。

②企業は、知的障害者と共に成長できる。

※知的障害者は、必ず育つ。

※バリアーは、私たちの心の中にある「仕事は、知的障害者には無理だ」との思い込みそのものがバリアーであり、そのことを払拭し作業指導を行う。

朝礼

段ボール単位でのピッキング

開梱後の棚入れ

ピッキング後の梱包

通い箱の梱包

段ボールの解体整理

3. 今後の課題

① 職場での成長度合いの違う知的重度障害者と軽度障害者が、双方ストレス無く成長できる環境作りに努める。

② ウィニング府中流通センターと立川のウィニングトランスファーセンターの2つの物流拠点を設置し、双方で知的障害者雇用を推進している。現段階では、より職暦の長い府中流通センターでの雇用人数が多く、今後は両センターでの人的バランスを図るため、立川のウィニングトランスファーセンターでの雇用を進めてゆく。